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6月度広布唱題会の砌

(令和4年6月5日於総本山客殿)

 日如上人猊下お言葉
 本日は、六月度の広布唱題会に当たり、皆様には新型コロナウイルス感染症の影響で諸事御不便のなか、信心強盛に参加され、まことに御苦労さまでございます。
 さて『唱法華題目抄』を拝します
「末代には善無き者は多く善有る者は少なし。故に悪道に堕せん事疑ひ無し。同じくは法華経を強ひて説き聞かせて毒鼓の緑と成すべきか。然れ231ば法華経を説いて謗縁を結ぶべき時節なる事評び無き者をや」(御書231ページ)
と仰せであります。
 この御文は、今時末法の本未有善の衆生に対しては、強いて妙法を説き聞かせて「毒鼓の縁」を結ばせるべきである。すなわち「謗縁」を結ばせる時であると仰せられているのであります。
 この「毒鼓の縁」とは、既に皆様も御承知の通り、毒を塗った太鼓をたたくと、その音は聞こうとしない者の耳にも届き、聞いた者は皆、死ぬと言われています。これは、謗法の衆生に対して法華経を説き聞かせることは、たとえ相手が聞こうとする気がなくとも、これを耳にすれば法華経に縁することとなり、成仏の因となって、やがて成仏得道できることを毒鼓、毒を塗った太鼓に譬えているのであります。
 また「謗縁」も逆縁と同じ意味でありまして、法華経をいったんは誹謗しても、その縁によって、ついには法華経によって成仏できることを言うのであります。
 大聖人様は『上野殿御返事』に、
「天竺に嫉妬の女人あり。男をにくむ故に、家内の物をことごとく打ちやぶり、其の上にあまりの腹立にや、すがたけしきかわり、眼は日月の光のごとくかがやき、くちは炎をはくかごとし。 すがたは青鬼 赤鬼のごとしくにて、年来男のよみ奉る法華経第五の巻をとり、両の足にてさむざむにふみける。其の後命つきて地獄にをつ。両の足ばかり地獄にいらず。獄卒鉄杖をもってうてどもいらず。是は法華経をふみし逆縁の功徳による」(同一三五八ページ)
と仰せであります。
 すなわち、これは法華経を両足で踏みつけたことが逆縁となって、両足だけが地獄に堕ちなかったという話であります。つまり、成仏得道のためには、たとえ逆縁であっても法華経に縁することが、いかに大事であるかを教えているのであります。
 故に大聖人様は『一念三千法門』に、
「妙法蓮華経と唱ふる時心性の如来顕はる。耳にふれし類は無量阿僧祇劫の罪を滅す。 一念も随喜する時即身成仏す。縦ひ信ぜずとも種と成り熟と成り必ず之に依って成仏す。妙楽大師の云はく『若しは取若しあるいは捨、耳に経て縁と成る、或は順或は違、終に斯に因って脱す』云云(中略)此の娑婆世界は耳根得道の国なり」(同一〇九ページ)
と仰せであります。
 「耳根得道」とは、仏法を聞いたことが縁となり、成仏得道することを言うのでありますが、私どもの折伏もこれと同様、たとえ相手が私どもの話を拒み、耳を塞ぎ聞こうとせず、反対したとしても「縦ひ信ぜずとも種と成り熟と成り必ず之に依って成仏す」と仰せのように、妙法を聞いたことが因となり、縁となって、やがて成仏に導くことができるのであります。
 されば『法華初心成仏抄』には、
「とてもかくても法華経を強て説き聞かすべし。信ぜん者は毒鼓の縁となって仏になるべきなり」(同
一三一六ページ)
と仰せられ、謗法の者に対しては、とにかく妙法を説き、下種していくことが大事であると教示されているのであります。
すなわち、今、末法は謗法が充満し、ために多くの人々が知らず知らずのうちに悪縁に誑かされ、邪義邪宗の害毒によって不幸の境界から脱することができずにいます。こうした人々を救済していくためには、正像過時の如き摂受ではなくして、破邪顕正の折伏をもってするのが最善の方途であり、折伏こそ末法の一切衆生救済の最高の慈悲行であります。
 なかんずく、昨今の新型コロナウイルス感染症による騒然とした国内外の様相を仏法の鏡に照らして見る時、その根本原因は邪義邪宗の謗法の害毒にあることを知り、今こそ私どもは全力を傾注して、一人ひとりの幸せはもとより、全人類の幸せと全世界の平和実現のため、一天四海本因妙広宣流布を目指して、破邪顕正の折伏を決然として実践していかなければなりません。
 されば、皆様方には本年度の記念局のポスターに「今こそ 折伏の時」と記されていることをしっかりと心肝に染め、いよいよ講中一結・異体同心して、 一切衆生救済の最善の方途たる折伏に立ち上がり、何としてでも御宝前にお誓い申し上げました折伏誓願を達成し、晴れて仏祖三宝尊の御照覧を仰がれますよう心からお祈りし、本日の挨拶といたします。
(大白法令和4年6月16日号 転載)



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