妙法蓮華経の題目を唱える心地として、日蓮大聖人の三大秘法が末法万年のほか、尽未来際まで永く流布する大法であり、これは本来、仏意に基づくとの確信を持つことが大切である。
法華経薬王品には、
「我が滅度の後、後の五百歳の中にヽ閻浮提に広宣流布して、断絶せしむること無けん」
(法華経五三九ページ)
と説かれている。この法華経の主体は、地涌の上首上行菩薩の出現である。法華本門の初め
涌出品において、
一、聞命のため(弘教の命を聞くため)
二、弘法のため(法を弘めるため)
三、破執のため(在世の衆生の釈尊に対する強い始成正覚の執着を破すため)
四、顕本のため(釈尊の本地を顕すため)
との四の理由により地涌上行菩薩は出現し、釈尊より結要付嘱による四句の要法の南無妙法蓮華経を受けられた。この上行菩薩が末法に日蓮大聖人と出現し給い、下種の妙法を弘通されたのである。その法体は、仏法の全体を総括する妙法蓮華経であり、故に妙法を唱えるとき、その功徳が現前するのである。