題目の妙の字の意義に、大きく三つの拝し方がある。すなわち、仏法妙・心法妙・衆生法妙である。
既に妙法を証得し、法界に自在を得て広く衆生を導かれるのが仏法の妙であり、一切衆生の心法に宛然と妙法が具わるのが心法の妙であり、一切衆生は十界互具するので、衆生のすべてが妙法であるのが衆生法の妙である。故に、妙の義は法界に遍満しており、これをよく把握した聖者が、その時に応じ、機に応じてこの三義を自由自在に、衆生に説き明かされるのである。特に、仏法妙の根本である本因妙の教主日蓮大聖人が、一切衆生を導くため、人法一体、十界互具の御本尊を顕されたのが化導の中心である。
下種本仏大聖人が大慈大悲をもって顕された大漫茶羅御本尊に仏法妙、心法妙、衆生法妙がことごとく具足されている。すなわち、法界の一切の事理が含まれているのである。この御本尊を信じて題目を唱えよという指南が下種仏法の化導であるから我らは、我らに具わる心法妙・衆生法妙を活用し、この御本尊のほかに仏になる道は全くなしと強盛に信じて、妙法を唱えることが肝要である。
(詳細は『妙法七字拝仰』を参照)。