法華経神力品において、釈尊は、
「以要言之。如来一切所有之法。如来一切自在神力。如来一切秘要之蔵。如来一切甚深之事。皆於此経。宣示顕説」
(法華経五一三ページ)
と説かれた。これは一代聖教のすべてを総括し、これを四句の要法に結んで地涌上行菩薩等に付嘱をされた経文である。
「如来一切所有之法」とは妙の名を明かし、「如来一切自在神力」とは妙の用を明かし、「如来一切秘要之蔵」とは妙の体を説き、「如来一切甚深之事」とは妙の宗を説き、「皆於此経。宣示顕説」とは妙の教を説いている。一代仏教のすべての道を五つに括つたのが名・体・宗・用・教の五重玄であり、その法体は、ただ妙法蓮華経の五字である。一代五十年の教法も、法華経八巻も、この要法を説くためであり、この五字に含む意義と功徳は計り知れない。したがって、題目の五字・七字を持ち、唱える功徳も絶大なのである。