ホヌム » kirimoto3 の投皿 (ペヌゞ 219)

䜜者アヌカむブ: kirimoto3

晎耕雚読

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法華経に぀いお ㉜

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法華経に぀いお党
倧癜法 平成幎月日刊第号より転茉

 
『劙荘厳王本事品第二十䞃』

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 初 め に
 今回は、『劙みょう荘そう厳ごん王のう本ほん事じ品ほん第二十䞃』です。
 前回の『陀だ矅ら尌に品』では、悪䞖末法においお、法華経を匘める行者を守護するための、薬王菩薩をはじめずする諞菩薩や諞倩善神、そしお十矅刹女・鬌子母神等の陀矅尌力のある蚀葉が説かれたこずを孊びたした。
 末法における陀矅尌は、文底䞋皮の南無劙法蓮華経のこずであり、法華経の文䞊で説かれる陀矅尌の呪文を唱えたり鬌子母神等を祀た぀ったりするこずは、かえっお謗法を犯すこずになり、守護を受けるどころか眪ざい業ごうを積むこずになるずいうこずも孊びたした。
 正盎に南無劙法蓮華経の埡本尊様を受持信行し、この劙法を匘めるこずによっおのみ、『陀矅尌品』に説かれる菩薩や諞倩善神からの真の守護かあるずいうこずです。
今回の『劙荘厳王本事品』は、劙荘厳王ずいう王が、浄じょう埳ずくずいう后きさきず浄じょう蔵ぞう・浄じょう県げんずいう二人の子䟛によっお仏道に導かれる話です。誓せい願がん乗じょう々じょうず蚀っお、倧願を発おこすこずにより、䞀仏乗の劙法ずいう乗り物に乗り、有う瞁えんの人々を劙法に導いおいくこずが説かれたす。
 
 劙荘厳王を仏のもずぞ導く
 遥はるか遠い昔、喜き芋けんずいう時代の、光こう明みょう荘厳ずいう囜に、雲うん雷らい音おん宿しゅく王おう華け智ち仏ぶ぀ずいう仏がおり、そこに劙みょう荘そう厳ごん王のうずいう王がいたした。倫人の名を浄埳ず蚀い、たた浄蔵・浄県ずいう二人の子䟛がいたした。この二人の息子は、倧乗の教えを孊び、六ろく波は矅ら蜜み぀などの菩薩ずしおの行をこずごずく修おさめ、様々な皮類の䞉さん昧たい粟神統䞀の修行に通぀う達だ぀しおいたした。
 ある時、雲雷音宿王華智仏は、劙荘厳王をはじめ倚くの人々を仏道に教導するために法華経を説かれたした。そこで浄蔵・浄県は、母である浄埳倫人に、共に仏のもずぞ参さん詣けいしお法華経を聎聞するこずを勧すすめたした。
 しかし、浄埳倫人は、
「あなた方の父である劙荘厳王は、倖げ道どうを信じお、深くバラモン教に執しゅう着じゃくしおいたす。あなた方二人で䞀緒に父䞊の所ぞ行っお、仏のもずぞお連れできるように説埗しなさい」
ず応えたした。
 するず浄蔵・浄県の二子は、
「私たちは仏教埒なのに、こんな邪じゃ芋けんの家に生たれおしたった」
ず蚀っお嘆なげくので、浄埳倫人は、
「本圓に父䞊のこずが心配であるならば、父䞊の前で神じん倉ぺん神じん通づう力りきによる䞍思議な力を珟じおみなさい。それを芋たなら、きっず心が枅らかになり、私たちが仏のもずぞ行くこずを蚱しおくださるこずでしょう」
ず述べたした。
 そこで二人の子は父王のもずぞ行っお、皮々の神倉を珟じたした。たず、空䞭高く䞊り、その空䞭で歩き止たり座り臥ふし、たた䜓の䞊䞋から氎や火を出し、あるいは虚こ空くうに満ちあふれるほどの䜓を珟じ、虚空から姿を消しお地䞊に珟われ、倧地を氎䞭のように朜もぐり、氎䞊を倧地のように歩きたした。このような様々な神倉を珟じたこずによっお、父王の心は枅らかになり、仏法に察し信じ理解するようになりたした。
 時に父王は、子䟛たちの神通力に心から倧いに喜んで、二子の垫である雲雷音宿王華智仏のもずぞ行くこずを決意したした。
 
 倀い難き仏法
 そこで、浄蔵・浄県は母のもずぞ行っお、父王が仏法を信ずるに至ったこずを報告するず共に、仏に倀あい難い由瞁を述べお、自らの出家を願いたした。これを聞いた母は二子の出家を蚱したした。
 そしお浄蔵・浄県は、仏に倀い難い因瞁を、
「仏には倀いたおた぀るこず埗え難し。優う曇どん波ば矅ら華けの劂く、又、䞀いち県げんの亀かめの浮うき朚ぎの孔あなに倀えるが劂し。而しかるに我等、宿しゅく犏ふく深じん厚こうにしお、仏法に生れ倀えり」法華経 五八八㌻
ず䞉千幎に䞀床咲くず蚀われる優曇華の花を芋るよりも、䞀県の亀が倧海の浮朚の穎に倀うよりも、仏に倀い奉り、法華経を聎聞するこずは難しいず、譬たずえを亀たじえながら説かれたのです。
 この時、劙荘厳王の宮きゅう殿でんの倧奥にいた八䞇四千の女性は皆法華経を信受し、浄県菩薩は法華䞉昧を久しく過去より通達し、浄蔵菩薩は無量癟千䞇億劫ずいう遥か昔から、離り諞しょ悪あく趣しゅ䞉昧諞の悪趣を離れさせる䞉昧に達し、浄埳倫人は諞しょ仏ぶ぀集しゅう䞉昧諞仏の功埳を集めた䞉昧を埗お諞仏の奥深い教えの蔵ぞうを知るこずができたした。二人の子䟛は、このように方䟿の力によっお父を教きょう化けし、仏道に導いたのです。
 そしお、劙荘厳王は倚くの臣䞋ず共に、浄埳倫人は倚くの女にょ官かんず共に、二人の子䟛は倚くの民衆ず共に、同時に仏のもずに参詣し、仏の足䞋を瀌らい拝はいしお座るず、仏は劙荘厳王のために法を説いお瀺し、教え、利り益やくさせ、倧いに喜ばせたした。その時、王ず倫人が、高䟡な真しん珠じゅの銖食かざりを倖しお仏に䟛逊したずころ、四本柱の宝の台ずなり、その䞊に仏が座られたした。仏の䜓から倧光明が攟たれるず、劙荘厳王は、仏の身はたいぞんに有り難く、殊しゅ勝しょうな姿であるこずを心深く思ったのです。そしお、仏は聎衆に、
「汝なんじらは、劙荘厳王が我が前に立っお合がっ掌しょうしおいる姿を芋たか。劙荘厳王は、私の匟子ずなり、将来、仏道を成じお嚑しゃ矅ら暹じゅ王ずいう名の仏ずなり、その囜土は倧だい光こうず称しょうされるであろう」
ず説かれたした。
 するず、王は盎ちに䜍を匟に譲ゆずり、倫人ず二人の子䟛ずお䟛の者共々に出家し、八䞇四千幎の間、垞に努力粟進しお法華経を修行し、その埌に䞀いっ切さい浄じょう功く埳どく荘しょう厳ごん䞉ざん昧たいあらゆる枅らかな功埳で食られた䞉昧を埗たした。
 
 仏になる道は善知識に過ぎず
 時に、王は虚空に昇り、仏の前に止たっお、次のように申し䞊げたした。
「䞖せ尊そんよ、この二人の子は、既すでに仏事を尜぀くし、神通力による奇き跡せきによっお、我が邪心を改めさせ、仏法を信じさせ、このように仏にお目にかかれるようにしおくれたした。二人の子䟛は私の善知識教えの垫です。前䞖以来の功埳善根を起こし、私を利益するために子䟛ずしお生たれおきたのです」
 するず、雲雷音宿王華智仏が次のように劙荘厳王に告぀げたした。
「たこずにその通りである。もし枅しょう浄じょうな男女は、か぀お善根を皮うえおいた故ゆえに、䞖䞖に善知識に倀うこずができる。その善知識は、よく仏事を尜くし、教え導いお利益を䞎え、仏の悟さずりぞ至らせる。倧王よ、善知識は倧きな因瞁のもずにあるから、よく人々を仏のもずに導いお、菩が提だい心しんを起こさせる。二人の子䟛は、既にか぀お六十五癟千䞇億那由他恒ごう河が沙しゃもの諞仏を䟛逊し、お仕えしお法華経を受持信行し、邪芋の衆生を愍あわれんで正法ぞ導いたのである」
劙荘厳王は、空䞭から地䞊に䞋おりお、
「劂来は甚はなはだ垌たれなる存圚でありたす。功埳ず智慧を具そなえるが故に、仏の姿も荘厳にしお、劂来の法も䞍可思議な功埳を具え、成就されおおりたす。その教えや戒かい埋り぀はたた安あん穏のんで快こころよいものです。私は、本日より二床ず誀った考えや心を起こさないこずを誓いたす」
ず決意を披瀝し、仏を瀌拝しお垰ったずの話です。
 釈尊がこのように説かれた埌、人々に告げたした。
「汝らは、この話をどう思うか。劙荘厳王ずは、今の華埳菩薩その人である。その浄埳倫人は今の光こう照しょう荘しょう厳ごん盞そう菩薩、そしお浄蔵・浄県の二子は今の薬王・薬䞊菩薩である。薬王・薬䞊菩薩は、このように無数の仏のもずで諞の倧功埳を成就しおきたのであるから、汝らはこの二菩薩を䟛逊瀌拝すべきであろう」
以䞊で、『劙荘厳王本事品』が終わりたす。
 倩台倧垫の『法華文句』においお、『劙荘厳王本事品』に぀いおの過去䞖における仏道の因瞁が瀺されたす。
 略述するず、ある所に四人の比䞘がおり、その䞭の䞀人が、自分䞀人が托たく鉢は぀をしお他の䞉人を逊い、仏道修行に専念させるず発ほ぀願がんしたした。そしお月日を重ね、托鉢の行をしおいたずきに、嚁い儀ぎ堂どう々どうずした王の行列に出合い、そのような果報を埗られるよう願いたした。それたでの功埳によっお托鉢僧は亡くなった埌、倧王ず生たれ倉わりたした。しかし、仏道を行じおいないため、次第に功埳は枛じお、悪道に堕だするこずになりたした。
 他の䞉人は、この倧王ずなった者が過去に托鉢をしお逊っおくれたお陰かげで仏道修行に専念し法を埗るこずができた因瞁から、この倧王を悪道から救おうず、䞀人は倫人ずなり、二人は王子ずなっお仏道に導くこずを発願したのです。
 この倧王こそ、劙荘厳王です。浄埳倫人、浄蔵・浄県の二人の王子ずなった䞉人は、この王を成仏に導くこずになるのです。
 浄蔵・浄県の二人の子䟛が劙法の倧願を立おお、倖道の邪芋に陥おちいった父の劙荘厳王を仏道ぞ導いたこずは、最高の芪孝行です。たた倫人である浄埳倫人も過去䞖の因瞁により、倫である劙荘厳王を救おうずしたした。これを誓願乗々ず蚀っお、仏道の願力をもっお䞀仏乗の劙法に乗り、有瞁の人々を劙法に導く尊い姿ずしお説かれおいるわけです。
 倧聖人様は『䞉さん䞉さん蔵ぞう祈き雚うの事こず』に、
「仏になるみちは善知識にはす過ぎず。わがち智ゑ慧なににかせん。たゞあ぀熱き぀め冷たきばかりの智慧だにも候ならば、善知識たひ倧せち切なり」埡曞 八䞃䞉㌻
ず仰せです。
 私たちも浄蔵・浄県の二子のように折䌏の誓願を立おお、邪矩邪宗に惑たどわされおいる倚くの人たちを、埡本仏日蓮倧聖人様の䞋皮仏法のもずぞ導く善知識ずなっおいきたしょう。

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倜創䟡ダメ出しさんが埩掻したした祝。

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コツコツ、コツコツず。

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法事に参加

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法華経に぀いお㉛

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法華経に぀いお党
倧癜法 平成幎月日刊第号より転茉 

『陀矅尌品第二十六』
 初めに
 前回たでの『薬王品』『劙音品』『芳音品』で、それぞれ釈尊滅埌に法華経を匘める功埳が説かれたした。
 しかし悪䞖に法を匘める時、匘通者の前には様々な障害が立ちはだかりたす。
 そこで匘通者を守るために、圓『陀矅尌品』で諞菩薩や諞倩善神により陀矅尌力のある蚀葉が説かれるのです。
 そしお、圓品では有名な鬌子母神や十矅刹女、さらにその䞀人である皐諊女が登堎し、法華経の行者を守護するこずを誓いたす。
 泚意しなくおはならないのは、埡本尊様に埡題目を唱えるこずこそが、諞菩薩や諞倩善神に守られる行であるずいうこずです。他門のように鬌子母神を祀るこずは誀りなのです。
 それを螏たえた䞊で圓品の内容を述べるこずずいたしたしょう。

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 陀矅尌品第二十六
前品の説法が終わるず、薬王菩薩が立ち䞊がり、釈尊を瀌拝しお、
「䞖尊よ。よく法華経を信じ持぀男女の信埒が、法華経を読誊し、その深い内容を理解し、あるいは経巻を曞写するならば、どれほどの功埳が埗られるでしょうか」
ずお䌺いしたした。
 釈尊はこの質問に察しお、
「深く信仰する男性や女性が、八癟䞇億那由他ものガンゞス河流域の砂数もの仏を䟛逊したずしよう。薬王菩薩よ。その埗られた功埳は倚いであろうか少ないであろうか」
ど逆に問いかけられたした。薬王昔薩が、
「はい。甚だしく倚い功埳であるず思いたす」
ず答えるず、釈尊は、
「けれども、そのように信仰節き者が法華経のわずか䞀偈䞀句でも受持し信行するならば、その受持信行の功埳のほうがずお぀もなく倚いのである」
ず仰せになりたした。
 それを聞いた薬王菩薩は、
「䞖尊。私は、法華経を説き匘める者に陀矅尌の呪文を䞎え、その行者を守護いたしたす」
ず申し䞊げ、続いお、「アニ マニ マネむ  」ず陀矅尌を唱え、
「䞖尊。この陀矅尌は極めお倚くの仏様が説かれたものです。もし法華経匘通の法垫に迫害を加える者がいたならば、その者は諞の仏様を迫害するこずになるのです」
ず申し䞊げたした。釈尊は、薬王菩薩を耒めお、
「善いかな、善いかな、薬王よ。そなたは法華経の行者を慈しんで守護するために陀矅尌を説いた。倚くの衆生がその利益を受けるこずであろう」
ずおっしゃいたした。
 するずその時に、勇斜菩薩が釈尊に向かっお次のように申し䞊げたす。
「䞖尊。私もたた法華経を受持する者を守護するために陀矅尌を説きたす。
 もしその行者がこの陀矅尌を埗たならば、倜叉や矅刹などの悪鬌が悪さをしようず詊みようずも、その隙を埗るこずができないでしょう」
そしお、「ザレむ マカザレむ  」ず陀矅尌を説き、この陀矅尌が諞仏の説いたものであるこずを申し䞊げたした。
 続いお䞖間を守護する善神の䞀人である毘沙門倩王も、釈尊に法華経を匘める者を守護するために陀矅尌を説くず申し䞊げ、「アリナリ  」ず瀺しお、
「䞖尊。この陀矅尌をもっお、私は法華経の行者を守護いたしたす。その行者を私自ら守護し、その呚蟺には哀しみや憂いがないように努めたす」
ずお誓い申し䞊げたした。
 するず次に持囜倩王が、仏法を守護する八郚衆の也闥婆たちをしたがえお釈尊の埡前に進み出るず、合掌しお申し䞊げたした。
「私もたた陀矅尌をもっお、法華経を信仰する者を守護いたしたす」
ず申し䞊げ、「アギャネむ ギャネむ  」ず陀矅尌を瀺した埌、
「䞖尊よ。この陀矅尌もたた倚くの諞仏が説かれたものであり、行者に迫害を䞎える者はその倚くの仏に迫害を䞎える者ずなりたしょう」
ず申し䞊げたした。
 このように薬王菩薩、勇斜菩薩、毘沙門倩、持囜倩が陀矅尌を説いた埌に、十人の矅刹女ず鬌子母神が子䟛ず埓者を匕き連れお、釈尊の埡前に出おきたした。そしお、䞀同に声を合わせお、
「䞖尊。私たちもたた、法華経を受持し、読誊する者を守護し、その行者のその憂いや患いを取り陀きたいず思いたす。
 もしその行者の隙に぀け蟌んで害を加えようずする者がいおも、その䟿りを埗させるこずはありたせん」
ず誓願を申し䞊げ、「むテむビ むテむビン  」ず陀矅尌を瀺し、
「皮々の憂いが私の頭䞊を螏み登ったずしおも、けっしお法華経の行者を悩たしおはなりたせん。
 たずえ倜叉や矅刹などの悪鬌であろうず悩たしおはなりたせん。
 たた熱病であろうず、男の姿、女の姿、童子、童女の姿をする魔性の者であろうず、倢の䞭であっおも、けっしお法華経の行者を悩たしおはなりたせん」
ず述べ、さらに偈ずいう詩句に蚗しお、
「もし私たちの陀矅尌にしたがわずに、法華経の行者を悩たすならば、その者の頭は䞃぀に砎れお、あたかも阿梚暹の枝のようになるでしょう。
 父母を殺す逆眪のように、ゎマ油を埗るために倚くの呜を絶぀眪のように、秀の目方を停っお人を欺く眪や提婆達倚が教団を分裂させようずした眪のように、この法華経の行者に危害を加えようずする者は、これらず同様の眪を犯すこずになるのです」
ず述べたした。そしお再び釈尊に、
「䞖尊。私たちもたた、自らこの身呜を賭しお法華経の行者を守り、安らかならしめ、様々な憂いや患いから離れ、倚くの毒薬すらその行者を害するこずがないようにいたしたす」
ず申し䞊げたした。
 矅刹女たちの蚀葉を聞いた釈尊は、次のように仰せになりたした。
「善きかな、善きかな。そなたたちが、ただ法華経の埡名である題目を受持する者を守護するこずであれ、その犏埳は蚈り知れない。
 たしおや、法華経を身口意䞉業共に受持し、様々に䟛逊する者を守護する、その犏埳はなおのこず蚈り知るこずができないほどであろう」
そしお、釈尊は矅刹女の䞀人皐諊女に、
「皐諊女よ。あなたたちは䞀族郎党ず共に、法華経の行者を守護しなさい」
ず申し枡されたした。
 最埌に、この陀矅尌を聞いた倚くの人の功埳が説かれ、圓品の説法は終わりたす。

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 陀矅尌ずは南無劙法蓮華経なり
 以䞊のように圓品では諞菩薩や諞倩善神が、法華経の行者を守護する陀矅尌を瀺したした。
 しかし、末法の今、この陀矅尌を唱えたり、鬌子母神や皐諊女等の十矅刹女を本尊ずしお厇めおはいけたせん。
 その理由は、倧聖人様が『䞊野殿埡返事』に、
「今、末法に入りぬれば䜙経も法華経もせんなし。䜆南無劙法蓮華経なるべし」埡曞 䞀二䞀九㌻
ず仰せられ、たた『埡矩口䌝』に、
「陀矅尌ずは南無劙法蓮華経なり」同 䞀䞃九〇㌻
ず仰せられおいるように、末法今時は南無劙法蓮華経の埡本尊様のほかに法華経の法䜓はなく、たた埡本尊様を受持する南無劙法蓮華経の題目以倖に陀矅尌はないからです。
 蚀葉を換えお蚀えば、私たちは、この南無劙法蓮華経の埡本尊様を䞀途に、正盎に信じお埡題目を唱えるこずにより、圓品で説かれる菩薩や善神たちの守護を受けるこずができるのです。
 䞀方で、圓品では有名な、
「頭砎れお䞃分に䜜るこず阿梚暹の枝の劂くならん頭砎䜜䞃分 劂阿梚暹枝」法華経 五八〇㌻
ず、正法を誹謗する者の眪がたいぞん厳しく説かれおいたす。
 この「頭砎䜜䞃分」の経文のように、正法を謗る行為が眰ずいう圢で衚われるなど、盞手の状況が折䌏の埌で倉わるこずもありたす。
 このような意味からも私たちは、䞀床の折䌏で諊めるのではなく、信心の生掻の䞊でこれらの利益ず眰をしっかりず芋定めお、継続しお話をしおいくこずが倧切です。

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 難に぀いお
 圓品では諞倩善神が法華経の行者を守護するこずをお誓いしおいたすが、珟実にはこの信仰をやめさせようずする難が起きるこずは実に倚いこずです。芪が、家族が、仲の良い友人が、たた職堎の知人が信仰に反察したりしたす。
 倧聖人様の時代にも、竜の口法難の際に退転しおいった人々が倚くいたした。そうした状況の䞭で、『開目抄』では、
「我䞊びに我が匟子、諞難ありずも疑ふ心なくば、自然に仏界にいたるべし。倩の加護なき事を疑はざれ。珟䞖の安穏ならざる事をなげかざれ。我が匟子に朝倕教ぞしかども、疑ひををこしお皆すおけん。぀たなき者のならひは、玄束せし事をたこずの時はわするゝなるべし」埡曞 五䞃四㌻
ず仰せられおいたす。
 この埡金蚀のように、どのような難が起ころうずも、埡本尊様をいささかも疑うこずなく、しっかり信じお行じおいくこずが倧切なのです。特に「たこずの時」ずありたすように、平生は信じおいるようでも、いざ本圓に信じ切らなければならない時に、埡本尊様を信じ抜くこずがいかに倧切であるかを仰せられおいたす。
 いずれにしろ私たちは、倧聖人様が、
「比の曌荌矅胜く胜く信じさせ絊ふべし。南無劙法蓮華経は垫子同の劂し。いかなる病さはりをなすべきや。鬌子母神・十矅刹女、法華経の題目を持぀ものを守護すべしず芋えたり。さいはいは愛染の劂く、犏は毘沙門の劂くなるべし。いかなる凊にお遊びたはぶるずも぀ゝがあるべからず。遊行しお畏れ無きこず垫子王の劂くなるべし。十矅刹女の䞭にも皐諊女の守護ふかゝるべきなり」経王殿埡返事 六八五㌻
ず仰せられおいるように、埡本尊様を信じお埡題目を唱えおいくずころに、諞倩の加護を埗お、眪障を消滅し、問題を解決しおいく功埳を戎くこずができるのです。
 さあ誓願完遂をめざしお、埡題目を唱え、いよいよ粟進しおたいりたしょう。

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法華経に぀いお㉚

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法華経に぀いお党
倧癜法 平成幎月日刊第号より転茉

『芳䞖音菩薩普門品第二十五』
 今回は、『芳䞖音菩薩普門品第二十五』に぀いお孊んでいきたす。
 圓品は、前回孊んだ『劙音菩薩品第二十四』ず同じく、付嘱流通䞭の化他流通に配圓され、ここでは芳䞖音菩薩が䞉昧乗乗をもっお衆生を救枈するこずが説かれおいたす。
 題号は、芳䞖音菩薩の衆生枈床の姿ずしお、「普門瀺珟」が説かれるこずに由来し、あらゆる衆生に察しお救枈の門を開くこずを「普門」ず称したす。たた、仏法の䞭道実盞の理が普遍であるずの真意も存しおおり、これを倩台倧垫は『法華文句』に十の普門ずしお明かされおいたす。
 芳䞖音菩薩は、『芳無量寿経』では阿匥陀仏の脇士ずしお説かれるこずからも西方、劙音菩薩は、浄光荘厳䞖界の浄華宿王智劂来の匟子ですので東方を䜏凊ずしたす。この東西二方をもっお十方法界を摂し、迹化の菩薩方も本来は劙法の化導に倀遇し、こずごずく仏様の深遠な教えの内にあるずいうこずが瀺されおいたす。
 なお圓品は、『芳音品』『普門品』ずも称されたすが、䞖間䞀般に『芳音経』ずしお尊ばれおいるのも、この『芳䞖音菩薩普門品』のこずです。 

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 普門瀺珟
 圓品の冒頭で無尜意菩薩は、釈尊に察しお芳䞖音菩薩の名号の因瞁に぀いおた尋ね、釈尊は次のように答えられたす。
「無量癟千䞇億もの衆生が様々な苊しみを受けおいるずき、この芳䞖音菩薩の名を聞いお䞀心にその名を称えれば、芳䞖音菩薩は盎ちにその声を聞き取り、衆生を苊悩から解攟させるであろう趣意」法華経 五五䞃㌻
 たた続けお、芳䞖音菩薩を恭敬するこずで埗られる皮々の䞍思議な利益が瀺されたす。
 たず、䞃難灜難・氎難・矅刹難・王難・鬌難・枷鎖難・怚賊難から、口業である称名の功埳によっお救われるこず。次に、貪・瞋・癡の䞉毒を、意業の垞念の功埳によっお陀くこず。そしお、女人の願のたたに身業の瀌拝の功埳により奜き子䟛を埗られるこず。
 以䞊の身口意䞉業の教化の甚きを説かれお、聎聞衆の信を増長なされたのです。
 そしお、六十二億恒河沙もの菩薩の名号を受持・䟛逊した功埳ず、芳䞖音菩薩の名号を䞀時でも受持・瀌拝䟛逊した犏埳は、党く同じで異なるこずはないず説かれたす。
 するず無尜意菩薩は、芳䞖音菩薩が遊化嚑婆䞖界を巡っお衆生を化導するこずする盞はいかなるものであるかを重ねお問いたす。その問いに察しお釈尊は、芳䞖音菩薩が衆生の機に応じお皮々の身を珟わし、法華経を説いお衆生を導くずいう「普門瀺珟」を明かされたした。
 この皮々の身を列挙すれば、仏身、蟟支仏瞁芚身、声聞身、梵王身、垝釈身、自圚倩身、倧自圚倩身、倩倧将軍身、毘沙門倩王身、小王身、長者身、居士身、宰官身、婆矅門身、比䞘・比䞘尌・優婆塞・優婆倷身四衆身、長者婊女身、居士婊女身、宰官婊女身、婆矅門婊女身、童男・童女身、倩・韍・倜叉・也闥婆・阿修矅・迊楌矅・緊那矅・摩睺矅䌜八郚衆身、執金剛神身の䞉十䞉身ずなりたす。
 劙音菩薩の䞉十四身ず比べるず䞀身少ないように思えたすが、内容に倧きな異なりはなく、䞀人ひずりに適するような各身盞を珟じお法を説かれるのです。 

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 無尜意菩薩の䟛逊
 このように芳䞖音菩薩の普門瀺珟を明かされた釈尊は、無尜意菩薩に芳䞖音菩薩ぞの䟛逊を勧め、さらに、
「この芳䞖音菩薩は、衆生が怖るべき危急の難に遭遇したずき、無畏恐れのない心を斜す故に、この嚑婆䞖界では斜無畏者ず称する趣意」同 五六五㌻
ず仰せられたした。するず無尜意菩薩は、銖にかけおいた高䟡な宝珠の瓔珞装身具の䞀皮をはずし、芳䞖音菩薩に捧げたした。
 しかし、芳䞖音菩薩は無尜意菩薩の重ねおの願いにもかかわらず、なかなか受け取ろうずしなかったため、釈尊が受け取るように促されたした。そこで、芳䞖音菩薩は即座に瓔珞を受け取るず、身に぀けるこずなく二぀に分け、䞀぀は釈尊に、もう䞀぀は倚宝仏塔に奉りたした。
 この埌、無尜意菩薩の重ねおの問いず釈尊の答え、そしお芳䞖音菩薩の埳を讃える様が偈頌をもっお再び説かれ、最埌に、持地菩薩が芳䞖音菩薩の自圚の業ず、普門瀺珟の功埳を讃歎されたした。
 そしお、䌚座の八䞇四千の衆生が、無等等、すなわち劙法に察する菩提心を等しく起こし、圓品の説法は終了したす。

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 功埳の元を知る
 初めに觊れたように、芳䞖音菩薩は、智慧を顕わす勢至菩薩ず共に慈悲を顕わす菩薩ずしお、『芳無量寿経』では阿匥陀仏の脇士ずされおいたす。芁するに、本来は他方の菩薩であり、釈尊の行化を助顕するために嚑婆䞖界に遊化したのです。
 しかし、本門『劂来寿量品第十六』に至り釈尊の久遠実成が顕わされお埌は、他方の菩薩方も抌し䞊べお釈尊の匟子ずなり、その䞀切の力甚も法華経に摂たりたすから、芳䞖音菩薩もその䟋倖ではありたせん。
 そもそも圓品の䞭で、「芳䞖音菩薩が無尜意菩薩からの䟛逊を盎ちに釈尊ず倚宝塔に奉る」ずいう姿が顕わされおいたす。このこずに぀いお、前埡法䞻日顕䞊人猊䞋が、
「自分芳䞖音菩薩は今このように䟛逊を受けたけれども、これも自分の埗た功埳の元であるずころの法華経に䟛逊すべきである、たた法華経を説かれた釈尊に䟛逊すべきである䞭略芳䞖音菩薩だけが尊いのではなく、その元に劙法蓮華経の功埳があるずいうこずを知らねばなりたせん」倧癜法 五八四号
ず仰せのように、劙法蓮華経の法䜓にこそ真の功埳が存するこずは明らかです。䞉十䞉身の普門瀺珟ずいう劙甚も、劙法受持によっお顕われおくるのです。
 たしおや、今の䞖は、圚䞖・正法時代・像法時代を過ぎた悪䞖末法の時代です。
 日蓮倧聖人は『高橋入道殿埡返事』に、
「末法に入りなば迊葉・阿難等、文殊・匥勒菩薩等、薬王・芳音等のゆづられしずころの小乗経・倧乗経䞊びに法華経は、文字はありずも衆生の病の薬ずはなるべからず。所謂病は重し薬はあさし。其の時䞊行菩薩出珟しお劙法蓮華経の五字を䞀閻浮提の䞀切衆生にさづくべし」埡曞 八八䞃㌻
ず仰せられ、たた『埡矩口䌝』には、
「今末法に入っお日蓮等の類南無劙法蓮華経ず唱ぞ奉る事、芳音の利益より倩地雲泥せり䞭略芳音既に法華経を頂受せり。然れば歀の経の持者は芳䞖音の利益より勝れたり」同 䞀䞃八九㌻
ず、明確に埡教瀺あそばされおいたす。
 日本でも叀くから芳音信仰が行われおきたしたが、法華経に説かれおいるからず蚀っお芳䞖音菩薩の名号を称えおも、それは末法の正行ずはならず、かえっお仏様の教えに背くこずになりたす。むしろ、釈尊圚䞖に称える芳䞖音菩薩の名号にすら様々な功埳があるのですから、その根本の久遠元初即末法の埡本仏が唱え出された本因䞋皮の劙法蓮華経を、末法圓今に唱える功埳がいかに広倧無蟺であるかは、蚈り知るこずができたせん。
 埡法䞻日劂䞊人猊䞋は、
「その時々によっお匘めるべき論垫・人垫、そしおたた匘められるべき法ずいうものが、仏法では決たっおいる䞭略末法はたさに倧聖人様の仏法、いわゆる倖甚䞊行菩薩、内蚌久遠元初の埡本仏が埡出珟せられお、劙法蓮華経ずいう薬を䞀切衆生に授ける。䞀切衆生はその薬をいただいお成仏をしおいくずいうこずが、明らかに説かれおいるのでありたす」倧癜法 䞃九䞉号
ず埡指南あそばされおいたす。
 私たちは、「時」を正しく知り、本門戒壇の倧埡本尊を信受し劙法唱題に励むずき、真の良薬・功埳が戎けるこずに確信を持たなければなりた
 末法ずいう時を違えお苊しむ倚くの人々を救うためにも、怠りなく自行化他の唱題・折䌏を実践しおたいりたしょう。

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法華経に぀いお㉙

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法華経に぀いお党
倧癜法 平成幎月日刊第号より転茉

『劙音菩薩品第二十四』
 今回は、『劙音菩薩品第二十四』に぀いお孊んでいきたしょう。
 圓品は、本門流通分の付嘱流通䞭、化他流通の䞉昧乗乗に䜍眮しおいたす。
 䞉昧乗乗ずは、䞉昧粟神を集䞭させお安定した状態ずいう境界に入っお法華経をもっお衆生を導くこずを蚀いたす。
 前回の『薬王菩薩本事品』では、薬王菩薩が過去䞖においお、長い幎月の間、自分自身を灯しお法華経ず法華経を説いた日月浄明埳仏を䟛逊しお、劙法の悟りを埗た故事が説かれたした。
 今回の『劙音菩薩品』では、遥か東方にある浄光荘厳䞖界の浄華宿王智劂来の匟子である劙音菩薩に぀いお説かれたす。

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 劙音菩薩の来至
 圓品ではたず、釈尊は肉髻頭の盛り䞊がっおいる郚分ず眉間の癜毫から光を攟ち、東方にある無数の仏の囜を照らしたした。
 その光は遥か浄光荘厳䞖界に及び、その䞖界を芋たずころ、そこでは、浄華宿王智劂来が、倧勢の菩薩たちに囲たれお説法されおいる姿が芋えたした。
 その䞭に劙音菩薩ずいう䞀人の菩薩がいたした。この劙音菩薩は、長い間、数々の埳を積み、倚くの仏様にお仕えしお、深い智慧を埗お、法華䞉昧をはじめ、様々な䞉昧を埗おいたした。釈尊の攟぀光が劙音菩薩を照らすず、劙音菩薩は浄華宿王智劂来の前に進み出お、
「私は嚑婆䞖界ぞ赎いお釈迊劂来を䟛逊申し䞊げ、たた文殊菩薩や薬王菩薩たちにお䌚いしたいず存じたす」
ず願い出たのです。
 するず浄華宿王智劂来は、
「劙音菩薩よ、嚑婆䞖界をけっしお軜んじお䞋劣の思いを起こしおはならない。嚑婆䞖界は、様々な汚れで満ちおいる。釈迊劂来や菩薩たちの䜓も非垞に小さい。察しおお前も私も、䜓は非垞に倧きい。たたお前の䜓は端正で犏埳で光り茝いおいる。だからず蚀っお、嚑婆䞖界ぞ行っお、仏や菩薩、囜土をけっしお軜蔑しおはいけない」
ず誡められたした。
 これに察しお、劙音菩薩は、
「よく承知しおおりたす。嚑婆䞖界ぞ行くこずは、皆劂来の力、劂来の功埳や智慧によるものでありたす」
ず答えたした。そしお、その堎で身を動かすこずなく䞉昧に入り、䞉昧の力をもっお、嚑婆䞖界の霊鷲山の呚りに、八䞇四千もの宝で出来た蓮華を出珟させたした。
 霊鷲山では、これらの宝の蓮華を芋た文殊菩薩が、
「どのような因瞁によっお、このような瑞盞が珟われたのでしょうか」
ず釈尊にお䌺いしたした。釈尊は、
「これは劙音菩薩が浄光荘厳䞖界から、八䞇四千のお䌎の菩薩たちずこの嚑婆䞖界ぞたいり、私ず法華経を䟛逊しようず願っお珟われた瑞盞である」
ず答えられたした。さらに文殊菩薩は、
「その劙音菩薩ずいう方は、どのような修行をしお、どのような功埳を積んで、この倧神力を埗られたのでしょうか。どうかその䞉昧の名前を教えおください。勀めお修行をしたいず思いたす。たた、神通力をお䜿いいただき、劙音菩薩が来られたずき、その姿、振る舞いを私共が拝芋できるようにしおいただけたすでしょうか」
ずお願いしたした。
 釈尊は、
「その願いは倚宝劂来が叶えるであろう」
ず仰せになり、倚宝劂来が劙音菩薩に呌びかけられるず、劙音菩薩はお䌎の菩薩ず共にこの嚑婆䞖界にやっお来られたした。途䞭で通過した囜々は六皮に振動し、䞃宝の蓮華が降り、倩の音楜が自然に鳎り響きたした。この菩薩の目は倧きな青蓮華のようで、癟千䞇もの月を合わせおも、その端正な顔には及びたせん。身は金色に茝き、䞉十二盞が具足し、堂々ずした䜓栌です。
 劙音菩薩は、釈尊の足元に進み出お、お持ちになった宝物を釈尊に献䞊し、次のように申し䞊げたした。
「浄華宿王智劂来より、釈迊劂来にお䌺いするよう蚀われたした。釈迊劂来はご機嫌麗しくお元気におお過ごしでしょうか。䞖間はいかがでしょうか。たた倚宝劂来もお元気にお、長く嚑婆䞖界に留たられるでしょうか。私もぜひ、倚宝劂来にお䌚いしたいず思いたす」
するず釈尊はこの旚を倚宝劂来に䌝えるず、倚宝劂来は劙音菩薩を愛でお、釈尊ず法華経を䟛逊するために来たこずを耒め称えたした。

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 䞉十四身普門瀺珟
 劙音菩薩たちの荘厳な姿ず振る舞いを芋た華埳菩薩は、釈尊に、
「劙音菩薩はどのような修行をしお、功埳を積み、このような神力を埗たのでしょうか」
ずお䌺いしたので、釈尊は次のように答えられたした。
「遠い昔、雲雷音王仏が珟䞀切䞖間囜ずいう囜に出珟された。その時、劙音菩薩はこの仏に、䞀䞇二千幎もの長きにわたっお皮々の音楜を奏でお䟛逊し、さらに八䞇四千の䞃宝の鉢を䟛逊申し䞊げたのである。この因瞁によっお、浄華宿王智劂来の囜に生たれ、この神力を埗たのである。
 華埳菩薩よ、劙音菩薩は仏に仕え、久しく功埳を積んだので、梵倩王・垝釈などの善神、たた囜王や長者、修行者や信埒、子䟛の姿、竜や阿修矅、さらには地獄に䜏む者の姿など、䞉十四の自圚の身を珟わしお法華経を説き、様々な囜土で人々を救枈するのである。さらに、声聞・瞁芚・菩薩・仏等の圢を珟わし、人々のために法を説くのである」
このように説明を受けた華埳菩薩は、重ねお、
「それでは、劙音菩薩は䜕ずいう䞉昧に入ったこずにより、このような自由自圚の身を珟わしお人を導くのでしょうか」
ずお䌺いしたした。そこで、釈尊は教えられたした。
「それは珟䞀切色身䞉昧ず蚀う。この䞉昧に入っお、䞀切の人々を利益するのである」
 このように劙音菩薩に぀いお説かれたずき、嚑婆䞖界の無量の菩薩は、珟䞀切色身䞉昧を埗お、華埳菩薩は法華䞉昧をも埗るこずができたした。
 劙音菩薩は、釈尊ず倚宝仏塔の䟛逊を終えお元の囜土に垰られ、浄華宿王智劂来に、嚑婆䞖界で䟛逊したこず、たたお䌎の八䞇四千の菩薩ず嚑婆䞖界の菩薩たちに珟䞀切色身䞉昧を䜓埗させるこずができたこずをご報告したした。
 以䞊で『劙音菩薩品』は終了したす。

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 利根ず通力ずにはよるべからず
 劙音菩薩たちが䜓埗した珟䞀切色身䞉昧ずは、䞀切衆生の色身を珟わす䞉昧を蚀いたす。぀たり、盞手に応じお䞉十四身ずいう自由自圚の身を珟わし、劙法を匘通しお導くこずを蚀いたす。
 ここで倧切なこずは、いかに優れた神通力や䞉昧を埗たずしおも、その根本には必ず劙法が存するずいうこずです。いかに超胜力を謳ったずしおも、仏法の根本は寿量文底の劙法にあるのですから、ここから離れた神通力や超胜力を基ずしたなら、それは邪道であり、魔の通力に堕すこずになるのです。
 したがっお、倧聖人様は『唱法華題目抄』に、
「䜆し法門をもお邪正をたゞすべし。利根ず通力ずにはよるべからず」埡曞 二䞉䞉㌻
ず明確に法の邪正によっお刀断すべきであり、通力などに頌っおはならないず誡められおおりたす。
 たた、倧聖人様は『埡矩口䌝』に、
「劙音ずは今日蓮等の類南無劙法蓮華経ず唱ぞ奉る事、末法圓今の䞍思議音声なり」同 䞀䞃八䞃㌻
ず仰せでありたす。
 すなわち、劙音菩薩が䞀䞇二千幎にわたり、劙音の挔奏をもっお埡䟛逊申し䞊げお積んで埗た功埳ず力甚も、寿量文底の倧法たる南無劙法蓮華経に収たるのです。
 故に私たちが、䞉秘総圚の埡本尊を堅く受持し、自行化他にわたる劙法の信行に励むずころに、劙音菩薩の功埳ず力甚が珟われるこずを知り、唱題に唱題を重ね、さらなる折䌏に邁進し、本幎の誓願を必ず達成すべく、粟進しおたいりたしょう。

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