諸宗教破折2
幸福の科学は、創始者で総裁の大川隆法が次々に出する書籍を、教団信徒が大量に購入して経営を支えているようだ。
またホームページには、「出家」した広告塔の女優を起用した大川原作の映画が大々的に宣伝されており、こちらも書籍と共に貴重な収入源と思われる。
すべての上に君臨したい欲望
幸福の科学は、「エル・カンターレ」を名乗る大川隆法を崇める教団だ。
「エル・カンターレ」という造語の出現は、昭和五十六年七月のことらしい。
「再誕の仏陀」「釈迦の魂グループの中核で、エル・カーンターレという霊存在」と
著書で自己紹介している。現在は地球の至高神で、大川がその本体意識だという。仏教で説く「久遠実成の仏陀」、キリスト教で言うイエスが父と呼んだ「主なる神」、古代エジプトの神やユダヤ教の神、イスラム教の神、儒教の創始者らを幅広くカバーし、「魂の一部、分身」としている。
これなど、信仰に高深、正邪に無知だからこそ、できる所業である。
疑わしいところが山ほどある中、霊言という名の妄言が、その最たるものではないだろうか。神や守護霊、生霊や悪魔、宇宙人などの霊が大川を介して考えを述べるもので、千回を突破したとか霊言集は五百五十冊もあるとか、自慢げだ。
しかし、その真実性は、家族として幼少期から大川を見てきた実の息子に斬られている。事前にその人のことを下調べし、大川が著名人になりきり(勝手になり代わり、扮して) 本人の意志はお構いなし。自分が言いたいことを好き勝手に並べているらしい。
言いたい放題の妄言に実害も
これがまるで恐山のイタコの真似事だというところから、「イタコ芸人」とも呼ばれている。
このように世の多くの人一からばかばかしいと一笑に付されている霊言であるから、名前を使われた著名人の遺族が抗議の声を上げたなどという話は聞かない。
なお、過去に「父のペンネームを表に出し、私の名は共著でとどめて『日蓮聖人の霊言」を行った(趣意)とか「イイシラセ、イイシラセ」「ニッコウ」と日興上人の自動書記を行ったという法螺も吹いている。
最近では、新型コロナウイルス感染症で騒がれる中、大川が早速この真相を霊査したら、「R・A・ゴール」と名乗る宇宙的生命体が現われたという。笑って済ませられない実害もある。 中国政府と香港とに緊張が走る中、大川は、香港民主活動家の周庭 (アグネス・チョウ)氏の守護を呼び出したと霊言を行い、その中で、
「自衛隊を送っていただきたい。 邦人保護の名目で、自衛隊を送ってください(趣意)」と発言。周氏本人が、
「私はこのようなことは言っていませんし、このような主張はしていませんと、香港から削除と訂正を求めたが、教団の政党は、守護霊による言葉であるとして削除せず、本人の意思を無視して霊言集を発行。
これは著しく名誉を毀損するばかりでなく、相手の命を危険にさらす可能性もある。
妄言に惑わされるな
法華講諸氏に知っていただきたいのが、他にも実害があることである。
「こんなものを信じる人がいるのか」と訝しく思うのも無理はない。
しかし現実に、「親の代からの信者」だ。言う人大川の書籍を詰めた重たいカバンを持ち歩く若者がいたり、日蓮大聖人を唯一絶対の存在から遣わされたうちの一人」と大川の神性を真顔でいえる信者がいる、ということ。
大聖人は、
「魔にたぼらかされて通を現するか。但し法門をもって邪正をただすべし。利根と通力にはよるべからず」(御書233ページ)
と仰せられ、仮に「本物の霊言」があったとしても、それは通力であって、そん
なものに依ってはならないと、固く戒められている。
大川は仏罰を恐れて直ちに教団をたたむべきだし、私たちは信者に遭遇したら捨て置かず、慈悲の破折をしていこう。