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霊言に惑わされないようにー幸福の科学

 諸宗教破折
 幸福の科学の総裁・大川隆法が死去してから二年が経過した。
 大川は「エル・カンターレ」という宇宙の最高神を創作し、自らをその化身と称して信仰の対象とさせていた。その「神」が亡くなったのだから、教団をあげて盛大な葬儀が行われたのかと思いきや、教団からは一切の公式発表がなく、大川は今なお総裁の立場にあるとされ、後継者の存在も明らかにされないまま今日に至っている。
 一方で、大川名義の書籍は今も多数出版され続けており、今年五月には彼が総指揮を務めたという映画まで公開された。もはや教団の存在は、大川の名なしには成り立たない状況だ。
 こうした書籍や映画の元になっているのが、大川自身が考える世界観である。
恐るべき霊言
 彼の霊言には、イエス・キリスト、孔子、プラトン、アインシュタイン、坂本龍馬、野口英世、夏目漱石、さらには天照大神や天使ガブリエルなど歴史的・宗教的著名人が登場し、ことごとく大川を絶賛するという。
 驚くべきは、存命中の人物の霊言までもが行われ、あたかも本人が大川を支持しているかのような言葉を語らせるという、極めて不自然で不誠実な演出がなされていることだ。
 霊言には数々の疑問がつきまとう。
 例えば外国人の霊が流暢に日本語を話している点について、教団は「霊を呼び出す大川が日本語を使っているため、外国の霊も日本語を話せる」と説明する。
 あるジャーナリストが「坂本龍馬の霊言で、自衛隊を廃止して宇宙戦艦ヤマトを造れ”と言っていたが、龍馬の時代にはそのどちらも存在しない」と質問したところ、教団の広報は「龍馬先生は霊となって現代日本を見ておられるので、ヤマトをご覧になったのでしょう」と回答したという。これには言葉も出ない。
 また、存命中の人物の霊言については「人には守護霊がついており、その守護霊が本人の本音や潜在意識を語るため、本人の認識とは異なる発言をすることがある」と教団は説明する。
・・・子供の空想話を聞かされているようで、あまりにも幼稚である。
 しかし、こうした荒唐無稽な霊言によって、実際に被害を受ける人もいる。
 香港のある民主活動家のことを語った霊言では、 彼女の命を危険に晒すような内容が語られ、社会からも強い非難を受けたことは記憶に新しい。これに対し教団は、
「これはその人の守護霊の発言であり、本人の言葉という意味ではない」(趣意)」(教団ホームページより)
と、責任を回避する態度に終始した。
 このような言葉遊びで人を陥れる宗教は、極めて無責任であり、教団の危険性を如実に物語っている。
正しい信仰に導く
 この馬鹿げた霊言も、大川の死去とともに終わるかと胸を撫で下ろしたが、残念ながらそうではなかった。
 最近では、インターネット上で大川を〝主〟と仰ぐ二人組が行う霊言の動画配信が行われ、過去の偉人の名を騙って好き勝手な発言を繰り返している。
 極めつけは、最高神であるはずの大川隆法自身が霊として呼び出され、霊言に利用されているありさまである。
 宗教史を顧みても、 異端的な思想を引き継ぐ教団が分派的に生まれることは珍しくない。今後もまた、大川と同様に妄言を喧伝する「新たな教祖」が現われないとは限らない。
 現在もなお、そのような妄言に心酔し、そこに救いを求める人々が少なからず存在する。
  日蓮大聖人が『唱法華題目抄』に、
「魔にたぼらかされて通を現するか。但し法門をもて邪正をたべすべし。利根と通力とにはよるべからず」(御書 二三三ページ)
と御教示されるとおり、人々が邪説に囚われる姿は魔縁に蕩かされた苦しみの現われに他ならない。
 今日の世上には、霊言宗教に限らず、人々を誑惑する邪宗教があふれている。
 私たち法華講員は正しい信仰を伝えるべく、確信を持って折伏を行じてまいろ。
(大白法令和7年8月16日号より転載)