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法華経について㉝

法華経について(全34)
33大白法 平成29年2月1日刊(第950号)より転載

『普賢菩薩勧発品第二十八』
 今回は、法華経二十八品の最後、『普賢菩薩勧発品第二十八』について学びます。
 当品は、本門流通分の付嘱流通中、自行流通の神通乗乗に位置しています。
 自行流通とは、普賢菩薩の勧発(恋慕)による自行の功徳により、法華経を後代に流布していくことを言います。また、神通乗乗とは、普賢菩薩が神通力をもって、修行する人を擁護して法華経を受持させ、その功徳を成就させることを言います。つまり神通乗乗とは、神通力をもって一仏乗の妙法に乗り、衆生を導く意です。

 当品の大意
 冒頭、遥か東方の世界より大勢の菩薩と共に娑婆世界に来至した普賢菩薩は、仏滅後に清浄な信心を持つ者は、どのようにすれば法華経を得ることができるかを釈尊に尋ねました。
 これに対し、釈尊は、
「純粋に信行する者は、次の四つの法を成就するならば、仏の滅後に、この法華経を得ることができるであろう。
 その四法とは、一には諸仏から護り念じられること、二には種々の功徳の本を植えること、三には必ず悟りに至ることが決定している者(集団)の中に入ること、四には一切衆生を救う心を起こすことである」
と告げられました。
 これを聞いた普賢菩薩は、如来滅後の悪世末法において、妙法を受持する者をあらゆる障魔より守護し、法華経を供養するために六牙の白象の王に乗って修行者の前に姿を現わし、修行者の手助けをすることを誓いました。
 そして、修行者のために陀羅尼(力のある言葉)を説くことを請い願い、「アダンダイ……」と陀羅尼を説きました。
 続いて普賢菩薩は、法華経を受持・読誦などの修行をする人は、その善行によって仏より愛でられ、ただ書写するだけの人も、来世は忉利天(欲界第二天)に生まれ、ましてや、教えの通りに受持信行する人は、兜率天(同第四天)に生まれることを申し上げました。
 そして普賢菩薩は、神通力をもって妙法を守護し、如来の滅後、この世界のうちに妙法蓮華経を広く流布して断絶しないよう誓ったのです。
 そこで釈尊は、
「善いかな、善いかな、普賢菩薩よ。汝は法華経を守護して多くの人々を安らかにし、功徳を得させることであろう。
 そなたは既に大きい功徳と慈悲を成就している。遠い昔より菩提心を起こし、よく神通の願いを立ててこの妙法を守護している」
と普賢菩薩を讃められ、さらに、
「法華経を受持・読諦し、正しく記憶して念じて如説修行する者は、直ちに仏を拝見し、法華経を聞き、この仏を供養し、仏より讃められて頭を摩でられ、仏の衣に覆われる。こうした人は世の快楽に溺れることなく、三毒や慢心等に悩まされることがなく、少欲知足で、よく普賢の行を修めるであろう。この故に、仏の滅後、後の五百歳に法華経を受持・読誦する者を見たならば、その人は、まさに仏の智慧の道場へ詣で、あらゆる魔を破り、尊い悟りを得て即身成仏を遂げて人々に妙法を説き、仏の座に着くであろう。
 普賢菩薩よ、末法においてこの妙法を修行する者は、衣食住に執着せずとも種々の願いを遂げて、現世において福報を受けるであろう」
と告げられました。
 続いて釈尊は、法華経の行者を軽んじ謗る者は、たとえそれが事実であれ、不実であれ、その罪の報いとして、現世はもちろん、何度生まれ変わっても様々な障害や病に侵され、体が不自由になるなどの謗法の罪を示されました。
 そして最後に、普賢菩薩に、この妙法を受持信行する人に対しては、遥か遠くからでも立ち上がってお迎えし、仏を敬うようにすべきことを告げられました。
 以上をもって釈尊は法華経を説き終え、菩薩や声聞、その他の聴衆は、大いに喜び、釈尊の言葉を受持して、釈尊に礼拝して霊鷲山から去ったのです。
 以上で『普賢菩薩勧発品』が終了し、法華経の会座が結ばれます。

 四法成就について
 当品では、四法成就が示されていますが、この四法について、御法主日如上人猊下は、
「四法とは、解りやすく言えば、
一、常に仏の大慈大悲によって護られていることを認識すること。
二、いつも功徳の元となる善い行いを心掛けること。
三、正定聚に入る、すなわち必ず仏に成るべく決定されている者になること。
四、常に一切衆生を救う心を起こすこと。
この四法を成就すれば、如来の滅後においても必ずこの経、すなわち妙法蓮華経を得る、つまり成仏することができると説かれているのであります」(大白法 九一三号)
と御指南されています。
 すなわち、この四法成就を私たちの信心に当てて拝すると、一には絶対なる信心をもって御本尊の御加護を確信すること、二には弛まぬ勤行・唱題、そして御供養による功徳善根を積んでいくこと、三には成仏が定まっている人(集団)つまり支部講中において異体同心の団結を図ること、四には折伏弘通の誓願をもって広宣流布に大前進していくこと、の大事を示されています。
 また、同御指南で、
「この四法のなかで『一切衆生を救う心を起こす』と説かれていますが、滅後末法において一切衆生を救うということは、たとえ好悪、愛憎、好き嫌い、選り好みすることが一切なく、悪人であっても、間違った教えを信じている者であっても、正しい信仰を誹謗する者であっても、文字通り、いかなる者であっても、すべての衆生を救っていくという大乗の精神をもって、折伏を行じていくことが肝要であります」(同)
と、四法の中でも最後の「一切衆生を救う心を起こす」ことの大事を仰せられています。
 すなわち、この御指南は、御本尊に対する絶対の信心をもととした、自行たる勤行・唱題と化他行たる折伏・育成の実践の重要性を示されています。
 しかし、この自行化他の実践には、障魔が競い起こることも必定です。大聖人様は、当品の題号である『普賢菩薩勧発品』の「勧発」について『御義口伝』に、
「勧発とは、勧は化他、発は自行なり。(中略)所詮今日蓮等の類南無妙法蓮華経と唱へ奉る者は普賢菩薩の守護なり云云」(御書 一七九三㌻)
と仰せのように、いかなる障魔が競い起ころうとも、御本尊様への絶対なる確信を持ち自行化他の信心を貫くところ、普賢菩薩の誓願のように、必ず諸天善神の守護があることを知らなければなりません。

 当如敬仏
 また大聖人様は、当品に示される「当如敬仏=当に仏を敬うが如くすべし」について、『松野殿御返事』に、
「法華経の一偈一句をも説かん者をば『当起遠迎当如敬仏』の道理なれば仏の如く互ひに敬ふべし」(同 一〇四七㌻)
と仰せられています。
 すなわち、私たちは、御本尊様のもと異体同心し、互いに尊敬し合うことが大事であり、そこに信心の団結が構築されます。
 ややもすると、同じ広宣流布を思いつつも、やり方や見解の相違から講員同士が対立したり、嫉みを生じるときがあるかも知れません。しかし、そのような時は、この御金言を拝し、指導教師である御住職・御主管の御指導を受けて問題を解消していくことが大切です。
 私たちは、指導教師の御指導のもとで、常日頃から自己の信心を見つめ直すことを心がけ、信心をもとに互いを尊敬し合い、異体同心の団結のもと、講中一丸となって自行化他の信心に励むことが肝要なのです。
 また、御法主上人猊下は、
「我々はいかなる難事も、障魔も、大御本尊様への絶対の確信をもって題目を唱え、自行化他の信心に徹して乗り越えていくことが大事であり、これが我々の一生成仏につながるのであります」(大白法 七六五号)
と御指南されております。
 私たちは、この御指南のままに、いかなる障魔が競い起ころうとも、自行化他の信心に徹することで、成仏の大道を歩むことができるのです。

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