光明
宗祖日蓮大聖人御聖誕八百大聖人の年の意義深き年も歳末を迎えた。
各位には、本年を振り返って、どのような感慨があろうか。
それぞれに、精魂込めて唱題に努め、勇猛果敢に折伏と励んだであろうが、時に、厳しい障碍も味わったのでは、はなかろうか。
なかなか思い通りに進まぬへこそ、現実を前に、ややもすると、人は三毒に染まりやすいもの。貪瞋癡の言が口をついて出てくれば、なおのことに命は濁ってしまう。
故に大聖人は、
「わざわいは口より出でて 身をやぶる。さいわいは心よりいでて我をかざる」(御書 1551ページ)
と誠められておられる。
世界中を不安と恐怖に陥れた新型コロナ感染症の本性第六天魔王が、本宗僧俗の勇猛精進を阻害せんと企み、姿を変えて現われたものである。
この大悪は大善の先駆け、
「大悪をこれば大善きたる。(乃至) 各々なにをか様々な制約を余儀なくされた
なげかせ給ふべき」(同796ページ)
の現実の姿に他ならない。
御本仏大聖人が、大善の到来を断言され激励くださっている。何も恐れることはない。
また、大聖人は、
「三世の諸仏の成道は、うしのをはりとらのきざみの成道なり」(同1361ページ)
とも仰せである。
コロナは、昨年・子年から本年・丑年に猛威を奮い、「ねうしのをはり」にかけて様々な制約を余儀なくされたが、ようやく沈静化し始め、そして「とらのきざみ」を迎えようとしている。
これは、法華講員八十万人体勢構築の功徳を基とし、確かな成道の実証が顕現される大善到来の時と、堅く信ずる
のである。
真実の幸福を得て成仏を果たすため、さらなる広布前進のため、まことに大事な流れの中にあることを共々に記
したい。
本年も残り二週間。画竜点睛を欠くことなく、力強い自行化他の実践をもって、大佳節の年を締め括ろうではな
いか。