大白法 平成29年9月16日付
受持というのは、正しい教えを受けて、深く信じ、持つことを言います。
『法華経』に5種類の修行法が説かれていますが、そのうちの1つです。
受持の他の4つの修行法は、読(読み上げる)・誦(暗誦する)・解説(解釈して他人に説く)・書写(書き写す)があります。
日蓮大聖人様の教えでは、受持するということは、本門戒壇の大御本尊様を固く信じて、南無妙法蓮華経と唱えることです。
大聖人様の御書の『日女御前御返事』に、
「法華経を受け持ちて南無妙法蓮華経と唱ふる、即ち五種の修行を具足するなり」(御書1389㌻)
という御金言があります。これは、「私たちが『南無妙法蓮華経』と唱えて信心をしていくことは、5種類の修行法すべてが含まれています」ということを仰せになっています。
また、『観心本尊抄』という御書には、
「釈導の因行果徳の二法は妙法蓮華経の五字に具足す。我等此の五字を受持すれば自然に彼の因果の功徳を譲り与へたまふ」(御書 653)
という御金言があります。
これは、釈尊が仏に成るために積んだ修行の功徳(因行)と成仏の功徳(果徳)は、すべて妙法蓮華経の五字に納まっていますから、この妙法を受持信行する人は成仏することができると説かれているのです。
ですから、私たちが毎日、朝夕に勤行をすること、お仏壇のお掃除をしたりお水をお供えすること、総本山に登山すること、寺院に参詣すること、御供養申し上げること、折伏をすること、など、日頃の信心活動が、そのまま成仏のための修行なのです。
このように、御本尊様を信じて妙法を唱える受持の修行に具わっている広大な功徳について、御法主日如上人猊下は、
「妙法受持の功徳をおのれ一人だけに留めず、謗法の害毒によっていまだ塗炭の苦しみにあえぐ多くの人々に下種結縁し、折伏逆化の闘いを進めていくことが肝要なのであります」(大白法695号)
と御指南くださっています。
私たちは、日蓮正宗の教えを受持できる喜びと功徳を、一人でも多くの人に伝えていきましょう。
★ポイント
総本山第26世日寛上人は、妙法受持の広大なる功徳について『法華取要抄文段』に、
「此の本尊を受持する則んば祈りとして叶わざること無く、福として来たらざること無く、罪として滅せざること無く、理として顕われざること無し。故に此の本尊信受の輩は但受持の一行のみにして尚成仏すべし」(御書文段 5393)
と御指南されています。