教学ノート
三国四師とは、インド、中国、日本の三つの国で法華経を正しく弘められたインドの釈尊、中国の天台大師、日本の伝教大師、そして、日蓮大聖人の四人の師のことです。
日蓮大聖人様は御書の「顕仏未来記』の中で、「伝教大師は「法華秀句」に次のように述べています。
釈尊は、成仏のために、浅い教えである爾前経を捨てて、深い教えである法華経を信じるように説かれました。
釈尊を信じて、天台大師は法華経を中国に弘めました。天台大師から相承を受けた、比叡山の伝教大師は法華経
を日本に弘めました、と。
そして安房の国に生まれた日蓮は、釈尊、天台、伝教の三師の教えを相承して、法華経を末法に弘めるのです(趣意)」(御書679ページ)
と説かれています。
釈尊が出世の本懐として顕わされた法華経を、天台大師、伝教大師が正しく受け継がれ、それを大聖人様が受けて末法に弘められたという意味です。
ただし、これは法華経の伝来について説かれた、一応の立場に過ぎません。
大聖人様は、『三大秘法抄』に、「此の三大秘法は二千余年の当初、地涌千界の上首として、日蓮造かに教主大覚世尊より口決せし相承なり」(同 1595ページ)
と説かれています。これは大聖人様が、法華経の会座で釈尊から直接に付嘱を受けた上行菩薩の再誕であることを明かされている御文です。
しかし、これも末法に法華経を弘められる立場を表わされた、仮の姿です。
大聖人様の真実の御姿は、「百六箇抄』に、
「久遠名字已来本因本果の主、本地自受用報身の垂迹上行菩薩の再誕、本門の大師日蓮」(同1685ページ)
と仰せのように、久遠の本法を御所持された末法の御本仏でらせられるのです。
御本仏であられる大聖人様は、釈尊、天台、伝教の三師の教えのすべてを収める、根源の本因下種仏法を顕わされました。
そして、第二祖日興上入以来、代々の御歴代上人による唯接一人の血脈相承により、正しく受け継がれているのです。
ポイント
大聖人様御在世当時の天台宗は、法華経を用いていましたが、伝教大師以降、慈覚・智証らが真言宗の密教を取り入れたことにより、法華経を中心とした正しい仏法は完全に失われました。
そこで、大聖人様は当時の天台宗を厳しく破折し、天台、伝教の跡を継ぎ法華経の正統を証 明するためにも、三国四師を表わされたのです。