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7月度 広布唱題会の砌


日如上人猊下お言葉
(令和6年7月7日 於 総本山客殿)

 本日は、皆様方には七月度の広布唱題会に当たりまして、コロナ禍のなか、また諸事御繁忙のところ、信心強盛に出席され、まことに御苦労さまでございます。
 既に皆様も御承知の通り、今月は『立正安国論』上呈の月であります。すなわち、今を去る764年前、文応元(1260)年7月16日、宗祖日蓮大聖人御年39歳の時、当時、寺社奉行であった宿屋左衛門入道を介して、時の最高権力者・北条時頼に『立正安国論』を上呈された月であります。
 つまり、大聖人様は日本国の上下万民が謗法の重科によって、今生には天変地夭・飢饉・疫癘等、遍く天下に満ち、混沌とした末法濁悪の世相を深く憂えられ、その根本原因は、世の中の人々が正しい法に背き、不幸と混乱の元凶たる邪義邪宗の謗法を信じているからであると断じられ、邪義邪宗の謗法への帰依をやめなければ、自界叛逆難・他国侵逼難の二難をはじめ、様々な難が必ず競い起こると予言されたのであります。こうした災難を防ぐためには、
「汝早く信仰の寸心を改めて速やかに実乗の一善に帰せよ」(御書 250㌻)
と仰せられて、安穏なる仏国土を実現するためには一刻も早く謗法の念慮を断ち、「実乗の一善」に帰することであるとお諌めあそばされているのであります。
 この「実乗の一善」とは、大聖人様の元意は文上の法華経ではなく、法華経本門寿量品文底独一本門の妙法蓮華経のことであり、三大秘法の随一、大御本尊のことであります。すなわち、この大御本尊に帰依することが、国を安んずる最善の方途であると仰せられているのであります。
 よって、総本山第二十六世日寛上人は「立正」の両字について、
「立正の両字は三箇の秘法を含むなり」(御書文段 6㌻)
と仰せであります。
 すなわち「立正」の「正を立てる」とは、末法万年の闇を照らし、弘通するところの本門の本尊と戒壇と題目の三大秘法を立つることであり、国土安穏のためには、この三大秘法の正法を立つることこそ、最も肝要であると仰せられているのであります。
 また「安国」の両字については、
「文は唯日本及び現在に在り、意は閻浮及び未来に通ずべし」(同 5㌻)
と仰せられています。つまり「国」とは、一往は日本国を指しますが、再往は全世界、一閻浮提を指しているのであります。
 また『立正安国論』の対告衆は北条時頼であり、予言の大要は自界叛逆難・他国侵逼難の二難でありますが、実には一切衆生に与えられたところの諌言書であります。さらに、一往付文の辺は専ら法然の謗法を破折しておりますが、再往元意の辺は広く諸宗の謗法を破折されているのであります。
 されば今、悪世末法の世相そのままに人心が乱れ、世情騒然とし、ウクライナとロシアの情勢など、いつ世界的な大きな戦争に発展しかねない、極めて危険な状況を見る時、さらにまた、新型コロナウイルス感染症によって世の中が騒然としている時、まさしくかくなる時こそ、私どもは本年「折伏前進の年」にふさわしく、各講中ともに異体同心・一致団結して一人でも多くの人々に、そして一日でも早く妙法を下種し、折伏をしていかなければならないことを一人ひとりがしっかりと認識され、真の世界平和実現と全人類の幸せを願い、一天広布へ向けて勇躍として前進されますよう心から願い、一言もって本日の挨拶といたします。

(大白法 令和6年7月16日 より転載)

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和歌山県田辺市の在住、日蓮正宗法華講員です。
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