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8月度 広布唱題会の砌

 日如上人猊下お言葉
 本日は、総本山における広布唱題会に当たりまして、皆様には御繁忙のところ御参加いただき、まことに御苦労さまでございます。
 既に皆様方には御承知の通り、今、国の内外を問わず、依然として新型コロナウイルス感染症の蔓延によって、世情騒然とした状況を呈しておりますが、かくなる時こそ、私どもは改めて『立正安国論』の御聖意を拝し、全力を傾注して折伏を行じていかなければならないと思います。
 大聖人様は『聖愚問答抄』に、
「今の世は濁世なり、人の情もひがみゆがんで権教謗法のみ多ければ正法弘まりがたし。此の時は読誦・書写の修行も観念・工夫・修練も無用なり。只折伏を行じて力あらば威勢を以て謗法をくだき、又法門を以ても邪義を責めよとなり」(御書403)
と仰せであります。
 まさに今、私どもは「此の時は読誦・書写の修行も観念・工夫・修練も無用なり」との御金言を拝し、一意専心、断固たる決意と勇気ある行動をもって、不幸の根源である邪義邪宗の謗法を対治し、折伏を行じていかなければならない大事な時を迎えているのであります。
 大聖人様は『南条兵衛七郎殿御書』のなかで、
「いかなる大善をつくり、法華経を千万部書写し、一念三千の観道を得たる人なりとも、法華経のかたき(敵)をだにもせめざれば得道ありがたし」(御書322)
と仰せであります。
 すなわち「法華経を千万部も読み、書写し、一念三千の御法門を学び、仏法を究めたと言っている人であっても、法華経の敵、つまり大聖人様の正法正義を破壊しようとする邪義邪宗の謗法の輩がいることを知りながら、黙して戦わず、すなわち折伏しなければ、成仏は思いもよらない」と厳しく仰せられているのであります。
 されば、大聖人様は『聖愚問答抄』に、
「涅槃経第三に云はく『若し善比丘あって法を壊る者を見て、置いて呵責し駈遣し挙処せずんば、当に知るべし、是の人は仏法の中の怨なり。若し能く駈遣し呵責し挙処せば、是我が弟子、真の声聞なり』と」(御書404)
との経文を引かれ、
「この御文の意は、仏様の正法を弘めようとする者が、仏様の経教を悪しく説くことを聞きながら、自らも責めず、また国主にも申し上げないのならば、これは仏法の中の怨である」(御書404 取意)
と仰せになっているのであります。
 仏法破壊の謗法も責めず、邪義をそのままにして見過ごし、折伏をしない者は仏法のなかの敵であるとの厳しい御制誡をよくよく拝し、すべての支部が僧俗一致・異体同心して立ち上がり、敢然として折伏を行じ、大聖人様の御意にかなう信心をしていくことが今、最も大事なのであります。
 また、大聖人様は『法華初心成仏抄』のなかで、
「仏になる法華経を耳にふれぬれば、是を種として必ず仏になるなり。されば天台・妙楽も此の心を以て、強ひて法華経を説くべしとは釈し給へり。譬へば人の地に依りて倒れたる者の、返って地をおさへて起(た)つが如し。地獄には堕つれども、疾(と)く浮かんで仏になるなり。当世の人何となくとも法華経に背く失(とが)に依りて、地獄に堕ちん事疑ひなき故に、とてもかくても法華経を強ひて説き聞かすべし」(御書1316)
と仰せであります。
 この御金言を拝する時、邪義邪宗の謗法の害毒によって塗炭の苦しみに喘ぐ多くの人達に対して、私どもは広大無辺なる大御本尊様の功徳を説き、下種・折伏していくことが本宗僧俗の今、最も大事な使命であり、責務であることを自覚し、講中一結、強力な異体同心の体勢を構築して、全力を傾注して広布へ向かって折伏を行じ、前進していくことが肝要であると知るべきであります。
 されば、同じく『法華初心成仏抄』には、
「とてもかくても法華経を強ひて説き聞かすべし。信ぜん人は仏になるべし、謗ぜん者は毒鼓の縁となって仏になるべきなり」(御書1316)
と仰せであります。
 「毒鼓の縁」とは、既に皆様もよく御承知の通り、涅槃経に出てくる話でありますが、我々一切衆生には皆、仏性が具わっており、正法を聞き、発心・修行することによって成仏できるわけでありますから、末法今時では順縁の衆生はもとより、たとえ逆縁の衆生であったとしても、妙法を下種し、聞かせることによって正法と縁を結ばせ、将来、必ず救済することができるのであります。
 されば今、新型コロナウイルス感染症によって混乱を極め、世情騒然としている時、まさにかくなる時こそ、私どもは『立正安国論』の御聖意を拝し、講中一結・異体同心して一天広布を目指し、敢然として折伏を行じていくことが最も大事であることを銘記され、いよいよ強盛に自行化他の信心に励まれ、各講中ともに本年度の折伏誓願は必ず達成されますよう心から願い、本日の挨拶といたします。
(大白法 令和6年8月16日より転載)

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和歌山県田辺市の在住、日蓮正宗法華講員です。
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