ーお盆には正しい追善供養をー
お盆の季節を迎えると、まず最初に思い浮かぶのが先祖への供養であると思います。自分にとって縁の深い、または生前お世話になった先祖に対して、真心からの供養をしていく、これはとても大切なことです。
皆さんはどのように先祖を供養していますか。一般的には、家族そろってお墓へ出向き、そこで線香を上げ、手を合わせて帰ってくる、これで供養ができたと思っている人が多いのではないでしょうか。
◆お盆の由来
お盆という行事は、釈尊の弟子である目連が、亡き母親を餓鬼道という苦しみから救った故事に由来します。
あるとき目連は、亡くなった母の様子を知りたいものと、阿羅漢の悟りによって得た神通力をもって三千大千世界を見渡しかとごろ、母は餓鬼道というところ見るも無惨な姿で苦しんでいたのです。驚いた驚いた目連は、神通力を使母を救おうと何度も試みたものの、自分の力の及ばぬことを悟り釈尊のとへ駆け付け、母を救う道を乞いました。すると釈尊は「お前の母は生前、自分の欲に目がくらみ、他に施すことを知らなかった。だから死んだ後までも欲心に縛られて苦しまなければならないのである。よって7月15日に、百味の飲食を供えて、十方の聖僧を招いて供養しなさい。そうすれば、母を餓鬼道から救い出すことができよう」と教えたのです。
目連は釈尊の教え通りに供養したところ、母を餓鬼道の苦しみから救うことができたということです。
◆真の成仏
このことについて末法の御本仏日蓮大聖人は「真の成仏は、後に目連が法華経を信じて南無妙法蓮華経と唱えた時に、初めて自分自身が仏に成り、その功徳によって父母を成仏に導くことができたのである」と説かれています。
要するにたのは、目連が母を救う要因となったのは神通力でもなく、百味の飲食を供えたことでもなく、目連自身が法華経を信じて御題目を唱えたことによるのです。末法の今日における真の供養とは、大聖人が顕された御本尊に向かって南無妙法蓮華経の題目を唱え、ご先祖の塔婆を建立して廻向をすることなのです。