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伝統に憧れる新興宗教ー真如苑

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諸宗教破折

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「仏教の伝統の法流を修めて真如苑を開きました」
 これは真如苑ホームページにある文章。仏教の一派と勘違いしそうだが、紛れもない新興宗教である。教祖伊藤真乗が、涅槃経に説かれる「悉有仏性 (すべての生類には仏性があり仏に成る可能性がある)」をもとに、出家せずとも誰もが悟りを開ける、として在家教団を立ち上げた。

誰でも霊能者になれる?
 一定数の新規入会者を獲得 (お救け、と呼ぶ勧誘)し講習に参加すれば、段階を経て霊能者になれ、一般信者への”接心”ができる。
 接心とは、信者が霊能者から、心のあり方を見つめるワンポイントアドバイスを受けるもので、その助言を参考に日常生活で、自分の心を整え自分と向き合うことも修行であるらしい。
 つまりは、自分の心を師とすることに他ならない。
 
驚異の接心集金
 基本は数十人の一般信者が円になって座り、霊能者が順番に回って助言を与える。所要時間二、三分で料金は千円。複雑な相談や、個別に相談を求めるほどに料金は上がり、最高ランクの「鑑定接心」は、霊位の一高い霊能者が三十分から四十分かけて行い、八千円以上かかる。 これが高いか安いかは、それぞれの感覚によるか。
 そもそも、二、三分の助言で宿業など変えられるわけもなく、結局は何度も足を運び、金銭を搾り取られる仕組みである。
 かつて、日産自動車工場跡地を約七百三十九億円で購入したり、オークションで運慶作と言われる大日如来像を十四億円で落札した、などの羽振りのよさから、素人目にも真如苑の驚異的集金力が見て取れる。

伝統への固執
 開祖の真乗は、真言宗醍醐寺で出家得度した元僧侶で、教団ホームページに、
「私は私なりの信念から、仏法の衣をぬぎ、素直に仏法を行ずる決心を固めた」
と、立開教の弁がある。
 醍醐寺といえば空海の孫弟子・聖宝が開いた古刹。
 真乗、妻・友司、娘の現教主・真聰は醍醐寺から天僧正位を受け、真如苑の行事に醍醐寺住職を招く。
 また、醍醐寺内に、真如苑が寄進した真如三昧耶堂が建立され、醍醐寺開祖百回法要で現教主の真聴が導師を務めた、などなど。権威ある寺と資を持つ新興宗教は、密接な関係をずっと維持し、相互依存関係にあるようだ。
 他にも、融和を謳い文句に、宗派を問わず活発に交流。また、伝統仏教への強い憧れが伺える華美な法衣に身を包んだ現教主が、加持祈祷と仏教の真似事をするなど、在家教団でありながら「仏教の伝統」に固執する。
 そもそも、本尊の変遷を一見れば、この新興宗教が仏教に暗いことがよく判る。
 開教当初は密教による不動明王を本尊としていた。途中、依経を真言密教から涅槃経に転換。それ以降、久遠常住釈迦牟尼如来を本尊、不動明王や十一面観音を化伝とし、これらの仏像建立で衆生の化導法が整ったと主張(ただし、涅槃経には、迦如来が久遠常住であることや、不動明王やは、説かれていない。それどころか真言密教でも、この三つの関係性は説いていない)。
 また、真言の不動明を「東密」、台密有緑の十一面観音を「台密」、釈迦如来を「真如密」と独自に位置づけ、これをもって日本三密が成就したと主張(実際には、真言密教でいう三密は「身口意」で、真如密などという教義はない)。

仏教外の外道義
 さらに、真乗が彫刻したという釈尊寝像を本尊に、真乗や友司の像まで共に思って拝ませる外道ぶりには、呆れるほかない。
 釈尊は法華経を、
「一切の諸の経法の中に一於て、最も為れ第一なり」(法華経 五三)
と言われた。また、日蓮大聖人は『聖愚問答抄』に、
「只正理を以て前とすべし」(御書四O二)
と御教示で、涅槃経にしろ密教にしろ、仏の正意ではない。
 真如苑は、道理を弁えない仏教外の妄説で人を惑わす邪教。仏性は、正しい教説によってのみ磨くことができる。
ただしよう

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