寺院の興隆発展は、その国、その地域における正法弘通が進み、一歩一歩、力強く、かつ確実に広宣流布に向かっている証であります。(中略)
日蓮大聖人『撰時抄』に
「一渧あつまりて大海となる。微塵つもりて須弥山となれり。日蓮が法華経を信じ始めしは日本国には一渧一微塵のごとし。法華経を二人・三人・十人・百千万億人唱え伝うるほどならば。妙覚の須弥山ともなり、大涅槃の大海ともなるべし。仏になる道は此れよりほかに又求むる事なかれ」(御書868ページ)
と仰せであります。
広宣流布への道のりは、大聖人様の御化導がそうであったように、二人・三人・百人と次第に伝え、下種折伏していくことが肝要であります。特に末法本未有善の衆生は、自ら法を求めてくる方はほとんどありません。
折伏は、たとえ相手が反対したとしても、妙法を下種したことによって縁を結び、その縁によってやがて入信し、即身成仏の本懐を果たすことができるるのであります。
故に『一念三千法門』には、
「妙法蓮華経と唱ふる時心性の如来顕はる。耳にふれし類は無量阿僧祇劫の罪を滅す。一念も随喜する時即身成仏す。縦ひ信ぜずとも種と成り熟と成り必ず成仏す」(同109ページ)
と仰せであります。
(妙照院移転落慶法要・平成24年9月号14ページ)