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依正不二の原理

日如上人猊下御指南

仏法におきましては「依正不二」の原理が説かれております。
「依正」とは依報と正報のことで、簡単に言えば、正報とは我々のことであり、依報とは我々の身心のよりどころとなる国土世間のことであります。
この二つの関係は、而二不二、二にして二ならずで、密接に関わっており、一体不二の関係にあります。
我々は、今回の大災害のように、地震や津波など、自然界からの力により様々な影響を受けていることはよく知っておりますが、しかし、自然界から一方的に影響を受けているばかりではなく、同時に正報たる我々の身心の用きが、依報たる自然界・国土世間に大きく影響を及ぼしていることを知りません。
大聖人様は『瑞相御書』に、
「人の悦びが多ければ、天にめでたいしるしが現れ、地には仏法を守る神・帝釈天の用きがある。逆に人々の悪心が盛んになれば、天には不吉な異変、すなわち旱魅や暴風雨などが起こり、地には地震、洪水等の異常現象が起きる」
(御書920ページ取意)
と仰せられております。
さらにまた『諸経と法華経と難易の事』には、
「仏法やうやく顛倒しければ世間も又濁乱せり。仏法は体のごとし、世
間はかげのごとし。体曲がれば影なゝめなり」 (同1469ページ)
と仰せであります。
すなわち、先程申し上げました地震などの様々な異常現象を含め、世の中が混乱する原因は、一にかかって仏法の乱れ、すなわち正法を信ぜず、悪法を信じているが故であると仰せであります。
つまり、悪法を信ずれば、まず人の心、人心が乱れ、人心が乱れれば、それは国土世間にまで大きく影響を及ぼすことになるのであります。この仏法の依正不二の原理が解らなければ、災害問題の真の解決は図れないのであります。

この依正不二の原理は、我々凡夫の智慧をもってしては到底、計り知ることのできない、仏様の一切を知り尽くされた偉大なる智慧であり、三世十方、すなわち無限の時間と空間をことごとく御存じあそばされた御本仏の知見であります。

したがって、妙法に照らして示されたこの依正不二の大原則を無視して、今日の如き混迷を極める惨状を救い、真の解決を図ることはできないのであります。
(平成21年9月号63ページ)

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和歌山県田辺市の在住、日蓮正宗法華講員です。
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