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まやかしの手かざしー真光系教団


諸宗教破折2
「病院に行かせてくれない」
 新宗教、新興宗教と呼ばれるものが出てきて百年にもなる。詐欺まがいの実態が指摘され続けても、一向になくならない。したがって、これらのせいで不幸になる人も減らない。
 冒頭の言葉は、宗教による医療ネグレクト(対処放棄)を扱った、二年前の国際ニュース週刊誌の特集記
事にあった。
 体験として「手かざしによる健康改善を教義としている宗教だった」「全身に広がるアトピー性皮膚炎を手かざしで治すと言われたがまったく治らず、苦しい思いをした」と、手かざしによる治癒を信じる親の元で育った子が、正しい医療を受けられず苦しんだことも語られている。
 手かざしを教義とするのは真光系の教団で、岡田光玉が昭和三十四年に立教した「L・H陽光子友乃会」を始まりとする複数の教団がある。立教から三年後の昭和三十七年に「世界真光文明教団」と名を改め、翌三十八年に法人化した。
 昭和四十九年、初代光玉の逝去後に後継者争いがあり、教団は崇教局長であった関口榮が二代となった。光玉の養女であった岡田恵珠は分派して「崇教眞光」を設立した。現在、この二派が真光系教団の主流であり、ともに岡田光玉を初代教え主とし、その教義はほとんど同じである。
手かざしとは
 手かざしによる「真光の業」で、
「手をかざし、手のひらから高次元の光を放射しから高次元の光を放射して、一切を浄め、あらゆる悩みや問題を解決していく業です」(崇教眞光ホームページ)
と謳う。さらには、
「手をかざすことによって、死にかけた動物が蘇ったり、動かなくなった機械が動き出したり、作物がぐんぐん生長したり、常識では考えられない力を発揮するという。このような教義を真に受けてしまうために、不幸な体験談が生まれる。
 そして、業の習得には、
「特別な修行は不要であ三日間の研修を受講するだけでよい(趣意)」(同)
 なお、世界真光文明教団は、より具体的に、
「十歳以上の方であれば三日間の研修会を受講していただくと、どなたでも手かざしができるよう
になります」(世界真光文明教団ホームページ)
と、年齢制限まで明示している。奇跡の力が、自動車運転免許より短時間で、小学生でも簡単確実に習得できるとは驚きである。ご丁寧に、
「※手かざしは『病気を治す』などの治療行為ではありません。」(同)
との注意書きまである。
天変地異は地球を掃除
 真光系教団では、神は手かざしの業と光によって魂を浄め、その教えを世界中に広げて地上天国を造ることをめざすとし、
「いま、時を選ばず起きている天変地異は、神様が、地球規模の大クリーニングを開始されたことを示しています」 (崇教眞光ホームページ)
と説く。
 日蓮大聖人は、『立正安国論』に
「世正に背き人悉く悪に帰す。故に善神国を捨て相去り、聖人所を辞して還らず。是を以て魔来たり鬼来たり、災起こり難起こる」(御書二三四ページ)
と人々が正に背き悪に帰する故に災難が起こる原理て を説示せられる。断じて、汚染された地球環境を神が小クリーニングするのが天変地異の理由ではない。
 この一例をもってしても、真光系教団が因果の道理を無視した外道義を説くことが明らかだ。
 また、二代目教え主を巡って裁判沙汰で争った教団が、
「『健』と『和』 と 『富』。三つ揃った、崩れることのない、真の幸福。 手をかざして魂を浄める眞光の業は、その実現のために、人類に与えられた最良の方法です」(崇教眞光ホームページ)
との美辞麗句を並べても、空虚に響くだけである。
 まやかしの手かざしにひっかかる家庭をなくすためには、道理である正法を弘めることが大事である。
(大白法令和6年11月16日号より転載)

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