大白法 平成28年9月16日付
三障四魔とは、仏道修行を妨げ、私たちを悪道に至らしめる3種の障害と4種の魔を言います。
まず三障とは、煩悩障、業障、報陣のことを言います。
「煩悩障」とは、貪・瞋・癡の三毒などの煩悩によって仏道修行を妨げられる障り、「業障」とは、五逆や十悪などの重罪を犯すことによって仏道修行を妨げられる障り、「報障」とは、過去の悪業の報いによる障りで、地獄・餓鬼・畜生などとして生まれ、善業を積むことができない状態を言います。
次に四魔とは、煩悩魔、陰魔、死魔、天子魔のことを言います。
「煩悩魔」とは、煩悩を盛んにさせ、仏道を行ずる者の智慧を奪う魔、「陰魔」とは、五陰魔とも言い、人間の肉体と精神を構成する調和を乱し、仏道に障害を起こす魔、「死魔」とは、自らの死により仏道修行を続けられなくなることや、身近な人の死によって疑いを起こさせる魔、「天子魔」とは、食欲や睡眠欲などの本能的な欲望に支配された欲界・第六天の他化自在天に住む魔王のことで、第六天の魔王とも言います。
この第六天の魔王は、仏道を成就することを妨害して精気を奪うなど、あらゆる障魔の根源です。
これらの障魔が様々な姿形に変じて、私たちの仏道修行を妨げるのです。
大聖人様は、三障四魔について『兄弟抄』に、
「此の法門を申すには必ず魔出来すべし。魔競はずば正法と知るべからず。第五の巻に云はく『行解既に勤めぬれば三障四魔紛然として競ひ起こる、乃至随ふべからず畏るべからず。之に随へば将に人をして悪道に向かはしむ、之を畏れば正法を修することを妨ぐ』等云云。此の釈は日蓮が身に当たるのみならず、門家の明鏡なり。謹んで習ひ伝へて未来の資糧とせよ」(御書 986)
と仰せられています。
このように、正法を信仰して折伏に励む者には、必ず三障四魔が起こり仏道修行を妨げられるのです。
しかし、大聖人様は『聖人御難事』に、
「月々日々につより給へ」(同 1397)
と仰せられています。
私たちは、障魔に負けることのないよう、日々の勤行・唱題・折伏に一生懸命邁進することによって自分自身の罪障を消滅し、即身成仏することができるのです。
★ポイント
御法主日如上人猊下は、
「あらゆる障魔は、正しい仏法の教えを守り、幸せを築こうとすると、影が身に添うように、紛然として競い起こってきます。魔の力は強く、その影響力から逃れることは大変でありますが、しかし、この魔との戦いのなかにこそ、仏法の修行の要諦があり、しっかりと題目を唱え、正法広布に身を捧げ進んでいけば、魔を魔と見破り、未来を萌るく開いていくことが必ずできるのであります」(大日蓮836)
と仰せられています。