日如上人猊下お言葉
本日は、本年十二月度の広布唱題会に当たりまして、皆様には新型コロナウイルス感染症により、何かと支障をきたすなか、わざわざ出席され、まことに御苦労さまでございます。
さて、既に本年も十二月に入り、残りあと一月となりましたが、皆様には本年度の折伏誓願達成に向かって御奮闘のことと思います。
申すまでもなく、折伏誓願の達成は御宝前に固く誓った約束であり、私どもは何があっても達成しなければなりません。
大聖人様は『南条 兵衛七郎殿御書』に
「信心ふかき者も法華経のかたきをばせめず。いかなる大善をつくり、法華経を千万部書写し、一念三千の観道を得たる人なりとも、法華経のかたきをだにもせめざれば得道ありがたし。 たとへば朝につかふる人の十年二十年の奉公あれども、君の敵をしりながら奏しもせず、私にもあだまずば、奉公皆うせて還ってとがに行なはれんが如し。世の人々は謗法の者としろしめすべし」(御書322ページ)
と仰せであります。
この御教示を拝す時、一生成仏を志向する私どもの信心にとって、折伏は何を差し置いても成し遂げていかなければならない、極めて大事な仏道修行であることを知らなければなりません。
すなわち「いかなる大善をつくり、法華経を千万部書写し、一念三千の観道を得たる人なりとも、法華経のかたきをだにもせめざれば得道ありがたし」と、いかに信心が強盛であっても、折伏を怠る者は「得道ありがたし」と厳しく御教示あそばされているのであります。
いよいよ明年、宗祖日蓮大聖人御聖誕八百年の大慶事を迎えるに当たり、本宗僧俗は法華講員八十万人体勢構築の誓願を達成すべく、全力を傾注して折伏を行じていかなければなりません。
どうぞ、皆様には本年も残りあと一月、全講中が異体同心し、必ず折伏誓願を達成されますよう心から願い、本日の挨拶といたします。