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本已有善・本未有善(ほんいうぜん・ほんみうぜん)

教学用語

本已有善・本未有善(ほんいうぜん・ほんみうぜん)

衆生の機根には、「本已有善」「本未有善」の二種があります。本已有善とは「本(もと)已(すで)に善(ぜん)有り」と読むとおり、已に善根を有(ゆう)する機根(きこん)をいい、本未有善とは「本(もと)未(いま)だ善有らず」で、いまだ善根を有さない機根をいいます。

この「善」とは、久遠元初(がんじょ)本因(ほんにん)下種の妙法という根本の仏乗種(ぶつじょうしゅ)を意味しますから、両者は、文底(もんてい)本因妙の聞法(もんぽう)下種を受けているか否(いな)かによって立て分けられるのです。

すなわち、久遠元初において、名字(みょうじ)凡夫(ぼんぷ)の本仏(ほんぶつ)釈尊は、文底本因妙の妙法をもって、一切衆生に下種されました。この時、衆生に順縁(じゅんえん)と逆縁(ぎゃくえん)があらわれ、下種の教法を信受した順縁不退(ふたい)の衆生は、凡夫即極(そくごく)の即身(そくしん)成仏の本懐(ほんがい)を遂(と)げたましたが、下種の妙法に背(そむ)いた逆縁の衆生や、一旦(いったん)順縁となっても退転した衆生などは、妙法誹謗(ひぼう)の悪業により、無量劫(むりょうこう)という永(なが)い間、悪道に堕(お)ちて様々な苦しみを受けることになったのです。

しかし、一度植(う)えられた妙法の仏乗種は、必ず生命の奥底(おうでい)に宿(やど)ります。この順逆二縁(にえん)の下種の宿善が本(ほん)となり、彼らは本已有善の機根として、やがて熟脱(じゅくだつ)の仏法により化導(けどう)を受けることとなるのです。このため、久遠元初の本仏は、五百塵点劫(じんでんごう)の本果(ほんが)以来、色相(しきそう)荘厳(しょうごん)の垂迹仏(すいじゃくぶつ)として世々(番々せせ)んばん)に出現し、熟脱の教法をもって次第に機根を調(ととの)えられました。そして、本已有善の衆生は、インド出現の釈尊による脱(益だつやく)寿量品で久遠下種を覚知し、ようやく即身成仏の本懐を遂げることができたのです。また、これに漏(も)れた者も 熟脱の教法により、正像(しょうぞう)二千年までの間にことごとく得脱(とくだつ)し終わったのです。

日寛(にちかん)上人は、『依義判文抄(えぎはんもんしょう)』に

「釈尊の御化導は久遠元初に初まり、正像二千年に終るなり」(六巻抄 二五四)

として、これら久遠元初に下種された本已有善の衆生に対する化導が、釈尊滅後の正像二千年までに完結(かんけつ)したことを決判(けっぱん)されるとともに、「末法の衆生は皆(みな)是(こ)れ本未有善にして最初下種の直機(じっき)なり」(同)

と、末法の衆生は、すべて文底本因(ほんにん)下種の妙法を植えられていない本未有善の機根であることを御教示(ごきょうじ)されています。

したがって、末法の衆生が、いかに釈尊在世や正像ニ千年のような熟脱の教法を行じても、何の利益(りやく)もありません。何よりも、まず久遠元初と同様に、名字夫の本仏によって、本因下種の妙法が植えられなければ、即身成仏の本懐を得ることはできないのです。

ここに、御本仏日蓮大聖人が、末法に御出現あそばされ、末法の本未有善の一切衆生に妙法下種の折伏を行ぜられた所以(ゆえん)があるのです。『法華初心成仏抄』に、

「法華経を耳にふれぬれば、是を種(しゅ)として必ず仏になるなり(中略)地獄には堕つれども、疾(と)く浮かんで仏になるなり。当世の人何(なに)となくとも法華経に背(そむ)く失(とが)に依(よ)りて、地獄に堕ちん事疑ひなき故(ゆえ)に、とてもかくても法華経を強(し)ひて説ききかすべし。信ぜん人は仏になるべし、謗(ぼう)ぜん者は毒鼓(どっく)の縁となって仏になるべきなり」(平成新編 御書 一三一六)

とあるように、私たちは生涯、不退の信行を貫(つらぬ)くとともに、御本仏大聖人の弟子檀那として、信謗(しんぼう)ともに下種となる本因下種の妙法をもって、日々夜々(よよ)折伏行に精進することが肝要です。

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