二十九、一念三千の妙法

日顕上人猊下御指南

 方便品の十如実相は、法界中の地獄界より仏界までの十界と、その住処のすべてが、妙法蓮華経の八字の姿であることを顕している。十如は、十界万物の存在と活動の法則を示したもので、それが差別であるとともに平等であり、差別する十界の一々に他の一切を具える。
そこで十界が百界となり、これに十如を具えるから、百界は千如となる。それに五陰世間・衆生世間・国土世間が具わるので、三千の数量となる。この三千の内容は、法界の無限の相、性・体である。この体の本質は妙法蓮華経であり、下種本門の本仏日蓮大聖人の大慈大悲によ
り御本尊と顕れ給う。御本尊に向かい題目を唱えるとき、その修行者の境遇に応じ、その念におのずから法界三千を具える自在の用きが積まれるのである。