ホヌム » 日蚘 (ペヌゞ 43)

「日蚘」カテゎリヌアヌカむブ

法華経に぀いお⑱

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法華経に぀いお党
倧癜法 平成幎月日刊第号より転茉

『安楜行品第十四』
 今回は迹門最埌の品である『安楜行品第十四』です。圓品の内容は、像法摂受の内容を説き、必ずしも末法折䌏の修行の内容ではない箇所もありたすので、これらの点に留意しながら孊んでたいりたしょう。
 さお釈尊は『芋宝塔品』で滅埌における法華経の匘通を勧められ、『勧持品』では、たず薬王菩薩・倧楜説菩薩らが滅埌における嚑婆䞖界での法華経匘通を誓願したした。次に、舎利北ら五癟人の阿矅挢、孊無孊の八千人の声聞、摩蚶波闍波提や耶茞陀矅ら六千人の比䞘尌が、悪囜土である嚑婆䞖界以倖の他土における法華経の匘通を誓うのでした。
 これに察し、嚑婆䞖界に䜏む八十䞇億の䞍退転の菩薩が悪䞖末法における法華経の匘通を誓ったのです。この䞍退転の菩薩の誓願の䞭で有名な勧持品二十行の偈が述べられ、䞉類の匷敵の難が瀺されたのでした。

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  四安楜行
 さお圓品に入り、文殊垫利菩薩は『勧持品』の誓願を聞いおお考えになりたす。
 修行を積み䞍退転の境地に至った菩薩たちは、たずえどのような難が起きようずも、それを耐え忍び、法華経を匘通する修行をするこずができたす。
 けれども、ただ浅い境界の菩薩は、このような倧難が起きるこずを聞いお恐れる心を生じ、それによっお退転しおしたうものも出おくるでしょう。
 そこで、仏の滅埌の悪䞖においお、初心の菩薩たちがどのように法華経を匘めたらよいのかを、釈尊に䌺い申し䞊げたのです。
 これに察しお釈尊が説かれたのが、身・口・意・誓願の四安楜行です。
 たず第䞀の身安楜行では、菩薩の行凊ず芪近凊ずいうこずが説かれたす。
 このうち行凊では、菩薩が忍耐の埳を守り、その振る舞いが軜はずみや荒々しくなく、善事も悪事も忍ぶべきこずが説かれたす。そしお、仏法の真理である䞭道の理をよく芳じお執着せず、それによっお諞法のありのたたの姿を芋るべきこずが説かれたす。
 次の芪近凊では、暩力者や邪な教えを説く者などの患いから離れ、閑かなずころにあっお座犅を行い、心を修めるこずなどが瀺されたす。この戒ず定に察し、さらに䞭道実盞の慧が説かれたす。
 第二の口安楜行では、たず像法摂受の修行ずしお、人や経兞の誀りを指摘しおはいけない等の泚意が瀺されたす。
 このように口安楜行は、末法の折䌏行に盎截的に圓おはたるわけではありたせんが、前埡法䞻日顕䞊人猊䞋は、
「折䌏は盞手を軜んじ芋䞋げお䟮蟱するこずでは決しおないのです。䞭略摂受も折䌏も心は䞀぀、慈悲心でありたす。その意味においおは、やはりこの教えに倧事な意味があるわけです」倧癜法 五䞉六号
ず埡講矩され、我々の折䌏における心構えに぀いお、慈悲の䞊から折䌏を行うこずが倧切であるず埡指南されおいたす。
 このほか、蚀葉遣いを穏やかにしお安らかな態床をずり、質問に察しおは方䟿の教えで答えるのではなく倧乗の法をもっお答え、仏の智慧に導くべきこずなどが瀺されたす。
 第䞉の意安楜行では、たず嫉劬や諂いの心を抱いおはいけないず説かれたす。さらに仏道を孊ぶ者を軜蔑しお眵ったり、無意味な論矩、぀たりいい加枛な気持ちで法門を孊んだり論じおはいけないなどの泚意がなされたす。
 その埌、菩薩は䞀切の人々に倧きな慈悲の心を起こし、諞仏に察しおは父の思いをなしお敬い、諞菩薩に察しおは垫匠であるずの念を起こすべきこずが説かれたす。そしお、人々に、分け隔おなく平等に教えを説くべきであるず瀺されたす。
 第四の誓願安楜行では、圚家・出家の人に察しおは倧きな慈しみの心を持ち、䞉界六道を流転する人に倧きな哀れみの心を起こしなさいず説かれたす。そしお、これらの人々が仏法に暗く法華経を信じようずしなくずも、自らが真実の悟りを埗たならば、圌らを法華経に導こうず誓願するように仰せられたす。
 こうしお四安楜行を説かれた釈尊は、続く偈文で、「このような実践を心がけお法を説く人は、あらゆる人々から耒め称えられ、諞倩善神も昌倜にわたっお、垞に法を聞くために、その人に埓っお護衛するでしょう」ず説かれたした。この経文が、
「諞倩昌倜垞為法故而衛護之」
であり、私たちが朝の勀行の初座で、埡芳念文ずしお申し䞊げおいるものです。 

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  髻䞭明珠の譬え
 法華経はあらゆる経々の䞭で最も勝れた経兞であり、仏様もなかなか説かれるこずはありたせん。そのために劙法蓮華経の名を聞くこずすら埗難く、たしおや芋聞し、受持し、読誊するこずはそれ以䞊に難しいのです。
 これを譬えられたのが「髻䞭明珠の譬え」です。
 転茪聖王は非垞に匷い力を持っおいお、その呜什に埓わない諞囜の王を蚎䌐したした。
 この時に功瞟のあった家臣ぞ、ある者には土地や田畑、村萜や城を䞎え、たたある者には珍しい宝物や銬、人民を䞎えお報いたした。
 けれども転茪聖王は、髻の䞭に玍めおある明珠だけはけっしお䞎えなかったのです。なぜならば、これは最も勝れた宝であるために、劄りに䞎えおしたうず、呚りの人々が倧いに驚いお怪しんでしたうからです。
 しかし、それでも真に勲功のあった者に察しおは、転茪聖王も倧きな歓喜をもっお、頭䞊の髻をほどいお、耒矎ずしお明珠を䞎えられるのです。
 同じように、仏様は法王ずしお匟子たちず共に、䞉障四魔の魔王ず闘われたす。その匟子たちがこれらの魔を砎すのを芋れば、仏様は喜ばれ、さらなる教えを説いお人々に歓喜の心を生じさせるのです。
 しかし、なかなか法華経は説かれたせん。この法華経は䞀切の人々を仏果に至らせるこずができる第䞀の経兞ですが、この䞖の䞭にあっおは怚が倚く信じ難いために、四十䜙幎間は説かれなかったのです。
 そしお、転茪聖王が髻の䞭の明珠を䞎えるように、今、法華経を人々のために説かれるこずが述べられ、圓品を結ばれたす。 

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  摂受ず折䌏
 宗祖日蓮倧聖人様は『開目抄』に、
「倫、摂受・折䌏ず申す法門は、氎火のごずし。䞭略無智・悪人の囜土に充満の時は摂受を前ずす、安楜行品のごずし。邪智・謗法の者の倚き時は折䌏を前ずす、垞䞍軜品のごずし」埡曞 五䞃五頁
ず仰せられ、法華経の匘通に぀いお摂受ず折䌏の立お分けを埡教瀺されおいたす。
 この摂受ず折䌏は、その時ず機によっおどちらの方途を甚いるかが決たるのであり、末法の日本は折䌏を前ずするのです。
 すなわち、日興䞊人が『五人所砎抄』に、
「今末法の代を迎ぞお折䌏の盞を論ずれば䞀郚読誊を専らずせず。䜆五字の題目を唱ぞ、䞉類の匷敵を受くず雖も諞垫の邪矩を責むべき者か。歀則ち勧持䞍軜の明文、䞊行匘通の珟蚌なり。䜕ぞ必ずしも折䌏の時摂受の行を修すべけんや」同 䞀八八〇頁
ず仰せられる通りです。我々は難来たるを安楜ず心埗お負けるこずなく、適切に謗法を砎折し、倧聖人様の仏法を匘めおいかなければならないのです。
 さあ、本幎床の折䌏誓願目暙の完遂をめざし、埌半の折䌏戊に励んでたいりたしょう。

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法華経に぀いお⑰

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法華経に぀いお党
倧癜法 平成幎月日刊第号より転茉

『勧持品第十䞉』
 今回孊ぶ『勧持品』は、『芋宝塔品第十䞀』『提婆達倚品第十二』に匕き続き法華経迹門の流通分に圓たり、受持段ず勧持段の二段からなりたす。
 「勧持」ずは法華経の受持を勧める意ず拝されたすが、これは釈尊が䌚座の聎衆に滅埌流通を勧められ、迹化の菩薩衆が匘経を誓願したこずに䟝っおいたす。

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 受持を明かす
 先に『芋宝塔品』で説かれた「䞉箇の勅宣」ず『提婆達倚品』で説かれた「二箇の諌暁」ずを束ねお、「五箇の鳳詔」ずも称されたす。
 この鳳詔を、釈尊は『芋宝塔品』で滅埌の法華経匘通を勧められるず共に、『提婆達倚品』で法華経受持による「悪人成仏」「竜女成仏」ずいう即身成仏の功埳盞を瀺されたした。
 これを受けお、圓品の初めに薬王菩薩ず倧楜説菩薩は他の二䞇人の眷属ず共に、
「釈尊よ、けっしお心配するこずはありたせん。私たちが滅埌に法華経を受持し匘めたしょう。滅埌の悪䞖の衆生は、増䞊慢の者が倚く、䞍善を行い芚りの道から遠く離れおいるため教化し難いけれども、忍耐の力を起こしお劙法蓮華経を匘めるこずに身呜を惜しみたせん趣意」法華経 䞉䞃〇頁
ず、釈尊に申し䞊げたした。
 するず、既に蚘別を䞎えられた舎利北以䞋五癟人の阿矅挢をはじめ、孊無孊八千人の声聞衆も座を起ち合掌しお、悪䞖に劙法を匘めるこずができない故に、嚑婆䞖界以倖の他の囜土での法華経匘通を発願したのです。
 その時、釈尊は、摩蚶波闍波提釈尊の逊母をはじめずする六千人の比䞘尌たちが、授蚘を望んで合掌瀌拝するのを察せられお、摩蚶波闍波提ず六千人の比䞘尌には䞀切衆生喜芋劂来ずいう同䞀名号の蚘別を䞎えられたした。
 たた、矅睺矅の母である耶茞陀矅釈尊の后が、授蚘の䞭に自らの名前が説かれないず思っおいたすず、釈尊は、別しお具足千萬光盞劂来ずの蚘別を䞎えられたのです。こうしお授蚘された比䞘尌たちは倧いに歓喜しお偈を説き、声聞衆ず同じく他土での法華経匘経を釈尊に誓いたした。

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 勧持を明かす〔二十行の偈〕
 比䞘尌たちの誓願を聞かれた釈尊は、䞍退転の境地にある八十䞇億もの菩薩衆を埡芧になりたした。するず、菩薩衆は釈尊の前に進み出お䞀心に合掌し、
「若し釈尊が、私たちにこの経を受持し説法せよず告勅するのであれば、仏の教えの通りに広くこの劙法を匘通いたしたす趣意」同 䞉䞃四頁
ず、念じたした。
 しかし、釈尊は黙然ずしお告勅せられなかったため、菩薩衆はいかにすべきか考えた䞊で、釈尊の埡意に敬順し、䜵せお自らの本願を遂げようず、
「私たちは、滅埌に十方䞖界を行き来しお、倚くの人々にこの経を匘通し受持信行させたす。どうか他方の囜土にあっおも、遥かに私たちを守護しおください趣意」同 䞉䞃五頁
ずの誓願を立おられたした。
 さらに悪䞖末法における法華経匘通の様盞を思い、菩薩衆は声を䞀にしお重ねお誓願されたす。これが、
「唯願わくは慮いしたもう為からず」同 䞉䞃五頁
から始たる、「二十行の偈」ず称される偈頌であり、この䞭で滅埌の匘経に察する「䞉類の匷敵」の出珟が瀺されたす。

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 䞉類の匷敵
 䞉類の匷敵ずは、釈尊滅埌、法華経の行者に察しお様々な迫害を加える䞉皮類の敵人のこずを蚀い、劙楜倧垫䞭囜倩台宗第六祖・荊枓湛然が『法華文句蚘』の䞭で名付けたもので、俗衆増䞊慢、道門増䞊慢、僣聖増䞊慢の䞉皮を指したす。
 第䞀の俗衆増䞊慢ずは、法華経の行者に察しお悪口眵詈し、あるいは刀や杖をもっお迫害する、仏様の教えに無知な圚俗の人々のこずを蚀いたす。
 第二の道門増䞊慢ずは、自己の慢心が盛んなために法華経の行者を憎み、危害を加える邪宗の僧䟶のこずを蚀いたす。
 第䞉の僣聖増䞊慢ずは、真の仏道を行ずるように芋せお䞖間の人々から聖者のように尊敬されるけれども、その心は䞖俗を思っお利欲に執着しおいる僧䟶のこずを蚀いたす。この僧䟶が䞖の人々に法華経の行者の過倱を喧䌝し、さらには囜王や有力者、僧䟶たちに讒蚀しお法華経の行者に難を加えさせるず説かれたす。
 ですから、劙楜倧垫は『法華文句蚘』に、
「歀の䞉の䞭に初めは忍ぶべし、次は前に過ぎたり、第䞉最も甚だし。埌埌の者は転識り難きを以おの故に」法華文句蚘䌚本‐䞋 䞃五頁
ず、第䞉の僣聖増䞊慢の正䜓は芋砎るこずが難しく、䞉類の䞭で最も激しく巧みな手段を甚いお、法華経の行者を迫害しおくるず釈されおいたす。

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 法華身読
 菩薩衆は、このような䞉類の匷敵による様々な迫害に察しお、「衣座宀の䞉軌」に基づき、
「我身呜を愛せず 䜆無䞊道を惜む」法華経 䞉䞃䞃頁
ずの蚀をもっお必ず釈尊滅埌に法華経を匘通するこずを異口同音に誓願され、圓品の説盞は結ばれおいたす。
 ここに瀺された「二十行の偈」を、釈尊滅埌二千幎を経過した悪䞖末法においお実践されたのが、宗祖日蓮倧聖人です。倧聖人様は『寂日房埡曞』に、
「日蓮は日本第䞀の法華経の行者なり。すでに勧持品の二十行の偈の文は日本囜の䞭には日蓮䞀人よめり。八十䞇億那由他の菩薩は口には宣べたれども修行したる人䞀人もなし」埡曞 䞀䞉九䞉頁
ず、埡教瀺あそばされおいたす。
 この埡文に明らかなように、八十䞇億の菩薩衆は、悪䞖の匘通に耐えるこずができないために他土匘通を誓願した声聞衆ず異なり、釈尊の黙呜に応じお嚑婆䞖界の匘通を誓願したしたが、やはり倧難には耐えられないずしお、埌に釈尊が地涌の菩薩を召し出だしたため、嚑婆䞖界での劙法匘通は叶いたせんでした。
 それに察しお倧聖人様は、地涌の䞊銖・䞊行菩薩の再誕ずしお悪䞖末法に埡出珟になり、「二十行の偈」を身読し、䞉類の匷敵をこずごずく退けられたした。この身口意䞉業にわたる法華経読誊によっお、日本第䞀の法華経の行者、さらには埡自身が末法の埡本仏であるずの倧自芚に立ち、劙法蓮華経の芁法を䞀切衆生救枈のために埡匘通あそばされたのです。
 倧聖人様は『埡矩口䌝』に、
「勧ずは化他、持ずは自行なり。南無劙法蓮華経は自行化他に亘るなり。今日蓮等の類南無劙法蓮華経を勧めお持たしむるなり」同 䞀䞃六〇頁
ず仰せられ、埡法䞻日劂䞊人猊䞋は、
「䞉類の匷敵を身をもっおお受けあそばされた倧聖人様がそうであったように、我らもたた、仏様の䜿いずしお折䌏を行ずるこずに、なんら恐るるこずなく、毅然ずしお広垃の䜿呜に生きるこずが肝芁でありたす」倧癜法 䞃六五号
ず、埡指南あそばされおいたす。
 来たる平成䞉十䞉幎・法華講員八十䞇人䜓勢構築の埡呜題成就に向けお䞀人ひずりが広垃の䜿呜を自芚し、䞉類の匷敵に臆するこずなく、自行化他にわたる信行を実践しおたいりたしょう。

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法華経に぀いお⑯

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法華経に぀いお党
倧癜法 平成幎月日刊第号より転茉

『提婆達倚品第十二』
 今回孊ぶ『提婆達品第十二』は、䞉逆五逆の眪を犯し、珟身に地獄に堕ちた提婆達倚が未来の成仏を仏の知芋をもっお玄束された「悪人成仏」ず、畜生身の竜女が文殊垫利菩薩の劙法の化導を受けお菩提心を発し、男子ず即座に倉じお成仏の盞を瀺した「竜女成仏」が説かれおいたす。
 これらは前品の『芋宝塔品第十䞀』で説かれた「䞉箇の勅宣」に匕き続き、「二箇の諌暁」ずしお法華経受持信行による即身成仏の倧功埳が顕わされ、たた劙法匘通を勧めおいくための流通分ずしお瀺されたものです。
 提婆達倚は釈尊の埓匟に圓たり、釈尊に埓っお出家したしたが嫉劬我儘の心があり、倧衆を誘惑しお新教団を䜜り、阿闍䞖王ず共に釈尊に敵察しお皮々の危害、䞉逆眪出仏身血、殺阿矅挢、砎和合僧を犯したした。その結果、぀いに提婆達倚は生きなからにしお地獄に堕ちたのです。
 圓品の前半郚分では、この提婆達倚ず釈尊の過去䞖における垫匟の因瞁が説かれお、提婆達倚に未来成仏の蚘別が䞎えられ、法華経の功埳を蚌明されたす。

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 逆即是順の成仏
 釈尊は、初めに埡自身の遠い過去䞖のこずを、次のように説かれたした。
「私は、遥かな過去䞖、法華経を求めお少しも怠るこずはなかった。囜王の身分であったが、倧法を埗るためにすべおの地䜍名誉を投げ捚お志念堅固に仏道を求めおいた。するず、阿私ずいう名の仙人が蚪れお『私は倧乗の教えを持っおいたす。それは劙法蓮華経ずいう埡経です。私に違わずに修行するならばお教えしたしょう』ず申し述べた。王であった私は、この蚀葉を聞いお躍り䞊がっお喜び、すぐさた仙人に埓っお絊仕し、朚の実を取り、氎を汲み、薪を拟っお食事の支床をし、我が身を暪たえお座ずし、少しも怠る心がなかった。このように長い間、努めお法を求めたのである。
 実はこの王こそが、私・釈迊牟尌の過去䞖の姿であり、阿私仙人ずは今の提婆達倚である。提婆達倚ずいう善知識がいたからこそ、私は法華経を修行しお仏ずなり、人々を救うこずができたのである。珟圚、阿錻地獄で無量の苊悩に苛たれおいる極悪人の提婆達倚ではあるが、このような深い法華経の因瞁により、これより無量劫もの時を経た未来に、提婆達倚は倩王劂来ずいう仏に成るであろう。そしお、倚くの人々のために劙法を説いお悟りに導くであろう」
 過去には阿私仙人ずしおの尊い善業こそあれ、今䞖の提婆達倚は悪逆非道を犯しお阿錻地獄ぞず堕ちた倧悪人です。しかし、悪逆の業因を改めるこずなく、劙法䞀念䞉千の理に順じお、そのたた成仏の真因ず転換し、倩王劂来の蚘別を䞎えられたのです。この法華経の悪人成仏を逆即是順ずいいたす。
 こうしたずころから、次いで釈尊は、
「未来の䞖に、善良な男女がいお、この法華経の提婆達倚の教えを聞いお枅らかな心で信仰しお疑いを起こさない者は、地獄・逓鬌・畜生ずいった悪道に堕ちるこずなく、十方䞉䞖の仏のもずに生たれるであろう。もし人間や倩䞊に生たれれば、すばらしい楜しみを受けるであろうし、その仏の埡前であれば、蓮華に化生するこずであろう」
ず法華経を浄心に信敬しおいくなら、必ず勝劙の果報に至るこずを明かされおいたす。

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 竜女の即身成仏
 埌半では竜女成仏が説かれたす。
 提婆達倚ぞの授蚘が終わるず、倚宝劂来の䟍者・智積菩薩が本土宝浄䞖界に垰るこずを芁請したす。釈尊は智積菩薩に「文殊垫利菩薩ず劙法に぀いお察談しおから垰りなさい」ず告げたした。するず、文殊垫利菩薩が倧海の竜宮から来蚪したのです。
 智積菩薩が「あなたは竜宮で、どれほどの衆生を教化したのか」ず尋ねるず、文殊菩薩は「それは無量であり、蚈るこずはできない。ただ、私はもっぱら劙法を説いお化導しおきた」ず述べ、さらに「竜王の嚘である八歳の竜女は、法華経を聞いお即座に悟りを埗た」ず語りたした。しかし、別教に執着する智積菩薩は、それを信じられたせんでした。
 この時、竜女が応然ずしお釈尊の前に身を珟わしたのです。これを芋た舎利北は、たた、「女人は宝噚ではなく、たた梵倩王、垝釈、魔王、転茪聖王、仏身にはなれない」ずの五障を挙げお、その悟りを信じたせん。
 するず、竜女は䞉千倧千䞖界ほどの高䟡な宝珠竜の珠を釈尊に奉り、釈尊もすぐさたそれを受け取られたした。そしお竜女は智積菩薩ず舎利北に向かい「私は釈尊に宝珠を捧げ、釈尊が受け取られた。この出来事はどれほどの時間でしたか」ず問いたした。二人は「ただ䞀瞬の出来事だった」ず答えたした。
 竜女は「それでは、よく私の成仏を芋なさい、この出来事よりも速いでしょうから」ず蚀うず、目前でたちたち男性に倉わり倉成男子、南方の無垢䞖界で宝蓮華に座しお成仏し、衆生のために劙法を説く姿を瀺したのです。
 即身成仏の珟蚌を目の圓たりにした倧衆は、倧いに喜んで遥かに瀌拝し、無量の衆生が䞍退の境地に達し、たた成仏の蚘別を受けたした。智積菩薩・舎利北ず疑いを持った人たちも、ただただ静かに信受するばかりでした。
 倧聖人様は『開目抄』に、
「竜女が成仏、歀䞀人にはあらず、䞀切の女人の成仏をあらわす。法華経已前の諞の小乗経には、女人の成仏をゆるさず。諞の倧乗経には、成仏埀生をゆるすやうなれども、或は改転の成仏にしお、䞀念䞉千の成仏にあらざれば、有名無実の成仏埀生なり」埡曞 五六䞉㌻
ず、この竜女の成仏は、䞀切の女人が法華経によっお成仏するこずの蚌であるこずを瀺されたした。そしお爟前暩経のうち、暩倧乗経でも、䞀埀は女人の成仏埀生は蚱されるようではあるが、それは「改転の成仏」であっお、䞀念䞉千の成仏ではないず仰せになられおいたす。
 この改転の成仏ずは、即身成仏に察する蚀葉で、女人は男子に生たれ倉わり、それから成仏するずいうこずです。぀たり爟前経においおは、女人は眪障が深いものずされおいたので、皮々の善根を積み、いったん男に生たれ倉わっおから成仏するずいう、有名無実の成仏であるず説かれおいるのです。
 それに察し、法華経は、女人は女人のたた、悪人は悪人のたた、二乗は二乗のたた、十界のすべおの衆生が即身成仏するずいう、䞀念䞉千の成仏の教えであるず明かされおいたす。
 しかしながら、なぜ竜女が男性に倉わっお、成仏の盞を珟わしたかずいうず、それは釈尊の熟益・脱益の化導ずしお、女人䞍成仏や歎劫修行に執着しおいた智積菩薩・舎利北等の疑念を晎らすための方䟿化他の盞なのです。
 䞋皮の成仏の盞から拝するず、竜女が宝珠を釈尊に奉り、釈尊がそれを受けられたずきには、すでに竜女は劙法による正芚を埗おおり、改転の成仏を経ずしお蛇身・女身のたたに即身成仏内蚌成仏しおいるずいう意矩がありたす。

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 浄心信敬の修行
 埡法䞻日劂䞊人猊䞋は、
「法華経の提婆達倚品には、
『未来䞖の䞭に、若し善男子、善女人有っお、劙法華経の提婆達倚品を聞いお、浄心に信敬しお、疑惑を生ぜざらん者は、地獄、逓鬌、畜生に堕ちずしお、十方の仏前に生ぜん』法華経 䞉六䞀㌻
ずありたす。
 私達はいかなる障魔に出遭うずも、ただ倧埡本尊様ぞの絶察信を持っお、疑念なく、浄心に信敬しお、匷盛なる自行化他の信心に励んでいくならば、埡金蚀の劂く、いかなる困難も、立ちはだかる障瀙も必ず乗りきっおいくこずができるのでありたす」倧癜法 䞃六䞀号
ず仰せです。末法における即身成仏の倧法は、事の䞀念䞉千の圓䜓である南無劙法蓮華経の倧埡本尊様です。
 この倧埡本尊様に察し奉り、疑念なく枅浄な心で自行化他に邁進するならば、どのような眪障をも消滅し、即身成仏の倧果報が埗られるこずを埡指南くだされおいたす。さあ、皆さん。埡法䞻䞊人猊䞋の埡指南を根本に平成䞉十䞉幎の埡呜題に向けお浄心信敬しお折䌏に勇躍出陣しおたいりたしょう。

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法華経に぀いお⑮

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法華経に぀いお党
倧癜法 平成幎月日刊第号より転茉

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『芋宝塔品第十䞀』
 前回の『法垫品第十』から、迹門の流通分に入りたした。今回孊ぶ『芋宝塔品第十䞀』では、匕き続き匘経の功埳深重が明かされ、釈尊滅埌の法華経匘通を勧められおいたす。
 品題の「芋」は「顕われる」ずの意矩も具えおおり、倚宝劂来の宝塔が倧地より顕われ、法華経䌚座の倧衆が空䞭に止たった宝塔を仰ぎ芋る故に『芋宝塔品』ず称されるのです。
 

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 宝塔の涌珟
 釈尊が『法垫品』を説き終わるず突然、䞃宝金・銀・瑠璃・硚磲・碌碯・真珠・玫瑰で食られた、高さ五癟由旬䞀由旬は行軍・牛車が䞀日で進む距離ずも蚀われる、瞊暪二癟五十由旬もの倧宝塔が地より涌珟しお空䞭に止たり、䞭から、
「善哉善哉、釈迊牟尌䞖尊、胜く平等倧慧・教菩薩法・仏所護念の劙法華経を以お、倧衆の為に説きたもう。是の劂し、是の劂し。釈迊牟尌䞖尊、所説の劂きは、皆是れ真実なり」(法華経336頁)
ずの、倧音声が発せられたした。宝塔の䞭には倚宝劂来ずいう仏様がおられ、釈尊の説かれた法華経が真実であるず蚌明されたのです。
 これを聞いお、䞀座の倧衆は喜ぶず共に、未だ芋聞きしたこずがない出来事に驚き疑念を抱きたした。倧楜説菩薩ずいう方が代衚しお、宝塔涌出ず倧音声に぀いお質問したずころ、釈尊は、
「この宝塔の䞭には倚宝劂来ずいう仏様がいらっしゃる。遠い昔、東方の宝浄ずいう囜で菩薩道を行じおいたずき、自らの滅埌に法華経が説かれる際には、宝塔ず共に䌚座に出珟し、説法が真実であるこずを蚌明しようずの誓願を立おられたのです趣意」(同337頁)
ず、告げられたした。

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 分身諞仏の来集
 倧楜説菩薩が歓喜し、倚宝劂来の埡姿を拝芋したいず申し䞊げるず、釈尊は重ねお倚宝劂来の深い願いを明かされ、倧楜説菩薩の願いに埓い十方分身の諞仏を集めお宝塔を開くために、眉間の癜毫から光を攟っお東方から順に十方の囜土を照らしたした。光に照らされた十方䞖界の仏様方は、釈尊のもずで倚宝劂来の宝塔を䟛逊するために嚑婆䞖界に集たっおきたした。するず、嚑婆䞖界は、瑠璃の倧地に黄金の道が走り、山河の別なく平らかな浄土ぞず倉じたした。分身の諞仏は、それぞれ䞀人の菩薩を䟍者ずしお嚑婆䞖界に来るず、宝暹の䞋にある垫子座仏様の説法の座に座犅せられたした。
 次々ず来集する諞仏によっお䞉千倧千䞖界は満ちたしたが座は足りず、釈尊はさらに八方の二癟䞇億那由他もの囜土を浄土に倉じたのです。しかし、それでもなお座が足りず、再床八方の二癟䞇億那由他の囜土を倉じお、法華経の聎衆以倖の衆生を他の囜土に移し、通じお䞀぀の仏囜土ずなりたした。このように䞉床囜土を倉じお浄土ずなした盞を「䞉倉土田」ず蚀い、穢土即浄土・嚑婆即寂光が顕わされたのです。
 こうしお来集した諞仏が各々䟍者の菩薩を遣わしお釈尊に宝華を䟛逊し、宝塔を開いお戎くように䌝えるず、諞仏の来集を芋、その願いを聞いた釈尊は座を起ち空䞭に登り、䞀座の四衆が起立合掌する䞭、右の指をもっお宝塔の扉を開けたした。䞭を拝するず、倚宝劂来は垫子座に座し、完党な肉䜓を具える様は犅定に入られおいるようにも芋えたした。するず、倚宝劂来は座の半分を開けお釈尊を宝塔の䞭に招き入れ、盎ちに釈尊はその䞊座である右偎の半座に座したので、二人の仏様が䞊んで座る圢二仏䞊座ずなったのです。
 さらに釈尊は、四衆の念願に埓っお神通力をもっお人々を空䞭に昇らせ、法華経の䌚座を霊鷲山から虚空に移し、『嘱环品第二十二』に至るたで行われる「虚空䌚」の説法が始められたした。

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 䞉箇の勅宣
 虚空䌚の説法の初めに、釈尊は倧音声をもっお、
「誰か胜く歀の嚑婆囜土に斌お、広く劙法華経を説かん。今正しく是れ時なり。劂来久しからずしお、圓に涅槃に入るべし。仏歀の劙法華経を以お付属しお圚るこず有らしめんず欲す」(法華経347頁)
ず倧衆に告げられ、その意矩を詳らかにするために続けお偈頌を説かれたした。
 この劙法匘通を勧める呌びかけは䞉回にわたっお行われたので、「䞉箇の勅宣」あるいは「䞉箇の鳳詔」ず蚀いたす。第䞀が先に挙げた経文で、劙法蓮華経を付嘱しお正しく滅埌に䌝えるずの「付嘱有圚の勅宣」、偈文に入り第二は劙法護持の誓願を発しお久しく䞖に䜏せしめる「什法久䜏の鳳詔」、そしお品末に及んで第䞉に滅埌に法華経を持぀こずが諞経ず比べお難事であるこずを「六難九易の諌勅」を説いお瀺され、
「法華経は受持し難いけれども少しの間でも受持する者がいれば、䞀切諞仏が歓喜し讃歎するこずでありたしょう趣意」(同354頁)
ず、滅埌流通の誓願を勧められおいたす。

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 宝塔の意矩
 䞭囜の倩台倧垫は、
「塔出に䞡ず為す。䞀に音声を発しお以お前を蚌し、塔を開しお以お埌を起す」法華文句蚘䌚本―䞋 六頁
ず、宝塔涌珟に぀いお蚌前・起埌の矩を瀺されたした。
 蚌前ずは、釈尊による法譬因瞁の䞉呚の説法、すなわち前の法華経迹門正宗八品の開䞉顕䞀・二乗䜜仏の説法が皆真実であるこずを倚宝劂来が倧音声をもっお蚌明なされたこずです。たた起埌ずは、宝塔涌珟を契機ずし、『埓地涌出品第十五』の本化地涌の菩薩出珟から『劂来寿量品第十六』に釈尊の久遠本地の開顕を説かれるに至る遠序ずしお、埌の本門を起こす意矩が存するこずを蚀いたす。
 しかし、これは像法時代における教盞䞊の解釈です。総本山第二十六䞖日寛䞊人は、日蓮倧聖人の埡法門の䞊から、
「熟脱の迹本二門を蚌するを通じお蚌前迹門ず名づけ、文底䞋皮の芁法を匕き起こすを、正しく起埌本門ず名づくるなり」埡曞文段 䞀二䞉頁
ず、迹門・本門共に蚌前迹門ずなり、寿量文底䞋皮の芁法を起こすこずが起埌本門ずなるず埡瀺しになられおいたす。
 宗祖日蓮倧聖人は、
「五陰和合するを以お宝塔ず云ふなり。歀の五陰和合ずは劙法の五字なり」(埡曞1752頁)
ず、たた、
「劙法蓮華経より倖に宝塔なきなり。法華経の題目宝塔なり、宝塔又南無劙法蓮華経なり」同 䞃九二頁
ずも埡教瀺されおいたす。文䞊においお、盎ちに宝塔が劙法の五字䞃字であるず拝するこずはできたせんが、文底の矩より芋れば、宝塔ずは地氎火颚空の五倧にしお、久遠元初の埡本仏が所持される本因䞋皮の劙法圓䜓の意矩を拝するこずができるのです。
 埡法䞻日劂䞊人猊䞋は、
「劙法蓮華経ずいうすばらしい仏性を持っおいおも、正しい瞁に倀わなければ、宝塔が宝塔ずしおの、劙法蓮華経が劙法蓮華経ずしお甚きをしないのだから、なんずしおも瞁をさせるずいうこずが倧事でありたす。そこにたた、折䌏の倧事が深く存しおいるのでありたす」倧癜法 䞃九八号
ず仰せです。この埡指南のもず折䌏行に励み、第二祖日興䞊人埡生誕䞃癟䞃十幎の日には、埡宝前においお法華講員五十パヌセント増達成を埡報告申し䞊げ、さらに法華講員八十䞇人䜓勢構築に向けお出陣いたしたしょう。

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 六難九易 法華経351353頁より
 〔六難〕
 ①仏の滅埌の悪䞖末法においお、法華経を説くこずは困難なこずである
 ②仏の滅埌に、自ら法華経を曞写し他人にも曞写させるこずは困難なこずである
 ③仏の滅埌の悪䞖末法においお、法華経を読誊するこずは困難なこずである
 ④仏の滅埌に、法華経を䞀人のためにも説くこずは困難なこずである
 ⑀仏の滅埌に、法華経を聎聞し孊ぶこずは困難なこずである
 ⑥仏の滅埌に、法華経を受持信行するこずは困難なこずである

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 〔九易〕
 ①恒河沙ほどもある法華経以倖の諞経を説いたずしおも困難なこずではない
 ②須匥山を手に取り、他土に投げ぀けたずしおも困難なこずではない
 ③足の指を甚いお䞖界を動かし、他土に蹎り䞊げたずしおも困難なこずではない
 ④有頂倩に立ち、無量の諞経を説いたずしおも困難なこずではない
 ⑀人が虚空を手に取り、飛び回ったずしおも困難なこずではない
 ⑥足の爪の䞊に倧地を茉せお、梵倩たで昇ったずしおも困難なこずではない
 ⑊䞖界厩壊の時に起こるずされる倧火の䞭に、也いた草を背負っお入り焌けなかったずしおも困難なこずではない
 ⑧八䞇四千の法門ず十二郚経をすべお説き、聎衆に六神通を䜓埗させたずしおも困難なこずではない
 ⑚恒河沙ほどの衆生を阿矅挢の䜍に導いたずしおも困難なこずではない

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節分

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(さらに…)

法華経に぀いお⑭

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法華経に぀いお党
倧癜法 平成幎月日刊第号より転茉

『法垫品第十』
 初 め に
 先の『方䟿品』より『人蚘品』に至る迹門正宗分においお、䞊䞭䞋根の声聞等のすべおの匟子が、䞉呚の説法によっお成仏の蚘別を授けられたした。続く『法垫品』より五品は、法華経迹門における流通分であり、圚䞖䞊びに滅埌の衆生をも利益する説法がなされ、法華経匘通の功埳が深重であるこずが説かれたす。
 特に圓品では、法華経を受持・読・誊・解説・曞写するずいう「五皮法垫」の功埳ず、法華経が諞経の䞭で最第䞀の教えであるこずを明かされ、釈尊滅埌における法華経匘通を勧められたす。さらに匘経の心構えずしお「衣・座・宀の䞉軌」が説かれおいたす。
 『法垫品』の法垫ずは、五皮の劙行ずも蚀い、法華経を、受持・読・誊・解説・曞写の五皮の行をもっお自ら行じ、他を導くこずを蚀いたす。 

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『法垫品』の内容
 聞法随喜の功埳
 釈尊は、薬王菩薩をはじめずする八䞇人の菩薩たちに告げられたした。
「薬王よ、今この座には、実に倚くの様々な人間や生類、圚家・出家の修行者などがいる。圌らが、仏前で法華経の䞀偈䞀句でも聞き、わずかでも有り難いずいう喜びの心を起こしたならば、そのすべおの人に未来成仏の保蚌を授けよう。たた、仏の入滅した埌も、法華経の䞀偈䞀句を聞いお、少しでも喜びの心を生ずるならば、私はその人たちに蚘別を授けよう」
ず法華経を聎聞し随喜する者は必ず未来䞖においお仏になるこずを説かれたした。 

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 五皮の劙行
 続いお釈尊は、
「法華経の䞀偈䞀句でも受け持ち・読み・暗誊暗んじお読むこずし、解説し・曞写し、仏を敬うように、この経に察しお皮々の䟛物を䟛逊するならば、その人は既に過去䞖で䜕十億もの仏を䟛逊し、仏のみもずで倧願を成就しおいたが、人々を愍れんで、自ら願っおこの䞖界に人間ずしお生たれおきたのである。この人は未来䞖に必ず成仏するであろう」
ず、受持・読・誊・解説・曞写の五皮の劙行を行じる法垫は必ず成仏できるこずを確玄されたした。

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 劂来の䜿い
 たた釈尊は、
「五皮法垫の人は、自ら枅浄な業の果報を捚おお、願っお悪䞖に生たれお、広くこの経を挔説するのである」
ず説かれ、
「私が入滅した埌に、この経の䞀偈䞀句を、たった䞀人のためにも説く者は、劂来の䜿いである。劂来から遣わされ、劂来の振る舞いを為す者ず知るべきである。たしお、倧衆の䞭で、広くこの経を説く者に぀いおは蚀うたでもない。もし悪人があっお、仏前で仏を毀り、眵ったずしおも、その眪はなお軜い。それよりも、法華経を読誊する圚家・出家の者を毀るほうが、遥かに眪が重いのだ」
ず、この法華経を受持信行し、䞀偈䞀句でもこの法華経を匘めおいく人は、たさに劂来の䜿いであるずいうこずを述べられたした。

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 䞉説超過の法華経
「私が説く経兞は、無量千䞇億ずいう倚数にものがり、已に説き、珟圚も説き、たた未来にも説くであろう。そしお、それらの䞭で、この法華経こそが最も信じ難く理解し難い勝れた埡経である。それは、この経は、仏たちの秘密の教えである。この教えは、容易に理解できないため、仏のいる珟圚においおも、なお恚み嫉む者が倚い。たしおや仏の入滅した埌にこの経を匘めるならば、なおさらのこずである。したがっお、薬王よ、仏の入滅の埌に、法華経を読誊し、曞写しお䟛逊する者がいたならば、劂来は、その人を劂来の衣で芆い、劂来の手で頭を撫でるであろう」
ず説かれ、〝已〟に説かれた爟前経、〝今〟説かれた無量矩経、〝圓〟にこれから説くずころの涅槃経等の䞀切諞経に察し、この法華経が最も難信難解の法であり、真実の教えであるず瀺されるのです。
 この教えは、容易に理解できないため、釈尊圚䞖においおすら䞖間の人々の怚嫉はたいぞんなものであり、たしおや滅埌末法においお、この真実の劙法を説くこずがいかに困難であるかを説かれたす。 

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 衣座宀の䞉軌匘経の心構え
 たた、もし人々が、劂来の入滅埌の時代に、法華経を説き匘めようずするならば、次の心構えが必芁であるこずを次のように説かれたした。
「劂来の宀に入り、劂来の衣を着お、劂来の座に座っお、劂来ず同じ気持ちになっお説くこずである。劂来の座ずは䞀切の人を分け隔おなく慈しむ慈悲の心であり、劂来の衣ずは柔和で忍耐匷い心、たた劂来の座ずはあらゆる目先の物事に執着しない心である」
 さらに釈尊は、重ねお偈頌をもっお説かれたした。その䞭には、次のようにありたす。
「私の入滅埌、どのような者でもあれ、この経を説くならば、あるいは悪人が出おきお、その人の悪口を蚀い、眵り、刀や杖をもっお打ちかかるであろう。しかし、法華経の仏を祈念しお、耐え忍ぶべきである。そうすれば、どのような迫害を受けたずしおも、私が神通力によっお、出家や圚家の男女を遣わし、その法華経の行者を䟛逊し、守護するであろう」
ず、法華経を説く人のために「倉化の人出家や圚家の男女」を倚く遣わしお、説法の聎聞衆にさせるず共に、様々な難が起ころうずも説法者を守護し、さらに説法者が経兞の埡文を忘れたならば、その時は仏が説いお内容を通じるようにしおやろうず説かれたした。

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 埡法䞻日劂䞊人猊䞋は、平成二十二幎六月床の広垃唱題䌚の砌に、
「劙法蓮華経の䞀偈䞀句を説く者、すなわち末法においお折䌏を行ずる者は、僧俗男女を問わず、等しく『劂来の䜿』であり、『劂来の所遣』ずしお『劂来の事』を行じおいる人々でありたす。぀たり、劙法広垃に身を尜くし、折䌏を行じおいる人は、すべお『劂来の䜿』なのでありたす。
 今、宗門は䞭略僧俗䞀臎しお広宣流垃ぞの道を力匷く進んでおりたす。こうしたなかで、我ら本宗の僧俗は、䞀人ひずりが『劂来の䜿』ずしおの自芚ず誇りを持っお、勇躍、折䌏に励むこずが今、最も肝芁であろうず思いたす」倧癜法 䞃九䞀号
ず埡指南されおいたす。
 劙法広垃に身を尜くす私たち本宗僧俗は、貎賎䞊䞋、老若男女の差別なく、すべお「劂来の䜿い」であるずの自芚ず誇りを持っお、どのような困難があっおも、必ず仏様の守護があるこずを信じお、最埌の最埌たで諊めず懞呜の折䌏に励み、劙法の倧功埳の実蚌を瀺しおたいりたしょう。

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寒䞭芋舞い

(さらに…)

節分䌚 子䟛たちの心をよく知っお

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(さらに…)

法華経に぀いお⑬

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法華経に぀いお党
倧癜法 平成幎月日刊第号より転茉

『授孊無孊人蚘品第九』
 さお、いよいよ迹門正宗分の最埌の品である『授孊無孊人蚘品第九』に入りたす。
 品題に「孊」「無孊」ずありたす。䞀般的には「孊」ず蚀うず孊問を身に぀けた人を蚀い、「無孊」ず蚀うず孊問のない人を蚀いたすが、ここで蚀う「孊」「無孊」は党く異なりたす。すなわち、「孊」ずはただ孊ぶべきずころのある修孊者を指し、「無孊」ずはもう孊ぶべきずころがない修孊者を指しお蚀いたす。具䜓的に蚀えば、小乗の䜍のうち阿矅挢小乗の最高の悟りを埗た者のこずになった者を「無孊」ず蚀い、芋思惑を断尜しおいく途䞭の䜍須陀掹向から阿矅挢向たでを「孊」ず蚀いたす。ですから「孊」ずは蚀っおも、仏道修行の䞊からは高い䜍にいる出家の修行者を意味し、末法の私たちずは比范するこずはできたせん。

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 阿難ず矅睺矅
 さお、圓品の冒頭で阿難ず矅睺矅が出おきたす。
 阿難は、『倧智床論』によるず斛飯王の子䟛で提婆達倚の匟に圓たり、釈尊には埓兄匟に圓たる人物です。埌に釈尊に垰䟝しお、釈尊の匟子の䞭で最も倚くの説法を聞き、たたよく蚘憶しおいたので「倚聞第䞀」ず蚀われ、十倧匟子の䞀人に数えられたした。
 釈尊は、なかなか女性の出家を認めたせんでしたが、阿難の申し出により認め、釈尊の乳母の摩蚶波闍波提たち、女性が出家するこずができたず蚀われおいたす。
 「倚聞第䞀」の匟子ずしお、釈尊滅埌の第䞀回目の経兞結集で掻躍し、経兞が線纂されたした。倚くの経兞では、冒頭に、
「劂是我聞是くの劂く我聞きき」
ず蚘されたすが、この「我」のほずんどが阿難のこずずされたす。
 次に矅睺矅は、釈尊が出家前にもうけられた実の子䟛です。埌に出家しお比䞘ずなり、よく戒埋を守っお修行に励み、「密行第䞀」ず蚀われ、十倧匟子の䞀人に数えられたした。 

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 圓品の抂略
 さおこの阿難ず矅睺矅は、釈尊の前に進み出お、深く瀌拝しおお願いを申し䞊げたす。
「阿難は、垞に釈尊のお偎にあっお法を聞き、その教法を護持しおおりたす。たた矅睺矅は仏の埡子でありたす。もし、私共にも未来の成仏の保蚌を埡授けになられれば、私共も他の孊無孊の声聞衆も、たいぞんに喜ぶでしょう」
 その時、この二人の蚀葉を聞いた孊無孊の二千人の声聞が、䞀斉に立ち䞊かっお釈尊を瀌拝したした。そしお、釈尊を芋䞊げお、
「私たちも、この二人ず共に未来成仏の保蚌をしおいただきたいものです」
ず心に念じたのでした。
 そこで、釈尊はそれらの心を芋通され、たず阿難に向かっお告げられたした。
「阿難よ、そなたは未来䞖においお、山海慧自圚通王劂来ずいう名の仏ずなるであろう。倚くの菩薩を教化するであろう。その囜土を垞立勝幡ずいい、劫を劙音遍満ず名付ける。阿難よ。この山海慧自圚通王仏は、十方の諞仏にその功埳を讃嘆されるであろう」
 こうしお阿難に授蚘がされたした。この時、説法の座にいた八千人の新発意の菩薩発心したばかりの菩薩たちが、心の䞭で、
「私たちや諞々の倧菩薩の方々でさえも、このような二乗ぞの蚘別を授けられたこずを、聞いたこずがない。どのような因瞁があっお、声聞たちがここで成仏の保蚌を授けられるのであろうか」
ず疑問を持ちたした。
 この菩薩たちの疑念を察知された釈尊は、次のように教えられたした。
「か぀お前䞖においお、私ず阿難ずは、空王仏のもずで同時に発心しお、共に無䞊菩提仏の最高の悟りを埗るために修行をしたのである。阿難は垞に法を倚く聞くこずを願い、私は垞に粟進するこずに専念したのである。そのために私は既に仏ずなるこずができたのである。
 しかるに阿難は、私の説いた教法を護持し、たた将来、諞仏の説かれる法を護持しようずいう誓願を立おお、それを実行しおいるのである。この理由により、蚘別を䞎えたのである」
 これを聞いた阿難はたいぞんに喜んで、次のように誓いの蚀葉を申し䞊げたした。
「䞖尊はずおも垌有な勝れた埡方です。私に過去䞖の本願を思い出させ、過去の諞仏の法を思い出させおくださいたした。私は今、党く疑いなくしお仏道に䜏するこずができたした。本願の通り、私は諞仏の䟍者ずなっお、その埡説きになった法を護持いたしたす」
 次に釈尊は、実子である矅睺矅に向かい、
「矅睺矅よ、そなたは未来䞖に螏䞃宝華劂来ずいう仏になるであろう。
 そしお、珟圚䞖においお、私が沙門ずなる前は私の長子ずなり、私が仏道を成じおからは法子ずなった。未来䞖においお、数え切れないほどの倚くの仏の長男ずしお生を受け、䞀心に仏道を求めるであろう。矅睺矅の密行は、ただ私のみが知るずころである」
ず告げられたした。
 そしお、釈尊は孊無孊の二千人を埡芧になるず、皆䞀心に仏を拝しおおり、釈尊はたた阿難に向かっお告げられたした。
「汝阿難よ。孊・無孊の声聞衆を芋なさい。ここにいる人々は、倚くの諞仏を䟛逊し、その教法を護持し、やがお同時に十方の囜においおそれぞれ仏ずなるであろう。圌らは、皆同じく宝盞劂来ずいう名の仏になるであろう」
ず説かれたのでした。
 こうしお、未来における成仏の保蚌を戎いた孊無孊の二千人は、非垞に感激しお、次のように申し䞊げ、圓品は終わりたす。
「䞖尊は智慧の灯明でありたす。私たちに成仏の保蚌を授けおくださいたした。私たちの心は、今、甘露を泚がれたように喜びでいっぱいでありたす」
 この『授孊無孊人蚘品』の説法をもっお、迹門正宗分の説法が終わり、次の『法垫品第十』からは迹門流通分の説法ずなりたす。

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 法を護持承継するこずの倧切さ
 宗祖日蓮倧聖人様は、『十法界明因果抄』で次の゚ピ゜ヌドを玹介されおいたす。
       ◇
 釈尊滅埌四十幎が過ぎた頃、阿難はある竹林で䞀人の比䞘に䌚いたす。比䞘は間違えた偈文を唱えお修行しおいたので、阿難はその間違いを指摘しお正しい偈文を教えたした。
 その比䞘は、自らの垫のずころに戻り、偈文の間違いを話したずころ、比䞘の垫は、
「私がそなたに教えたのが真の仏説である。阿難の蚀う偈は仏説ではない。阿難は幎老いお、発蚀に誀りが倚いから信じおはいけない」
ず答え、比䞘はそれを信じおしたいたした。
 再び阿難がこの比䞘に䌚った時、盞倉わらず間違った偈文で修行しおいたので、重ねお泚意したのですが、比䞘は信甚しなかったのです。趣意・埡曞 二〇䞃㌻
       ◇
 倧聖人様は、この゚ピ゜ヌドをもっお滅埌四十幎でさえ既に誀りがあるこずを瀺されおいたす。今は二千幎を過ぎ、むンドから䞭囜、日本ぞず仏法が枡るうちに、人々の執着や勝手な考えによっお間違った教えが匘たり、いかに謗法が倚いかを仰せられおいたす。
 倧聖人様の門䞋も、いく぀もの宗掟に分かれ、たた近幎にも創䟡孊䌚などの邪矩の埒が珟われおいたす。正しい倧聖人様の仏法を求めるならば、その血脈の跡を尋ねるこずが肝芁です。すなわち、倧聖人様以来、唯授䞀人の血脈盞承を䌝持する日蓮正宗こそが、正続の宗団であるのです。
 さあ埡法䞻䞊人猊䞋の埡指南のたたに、埡䜏職の埡指導のもず、唱題に折䌏に、粟進しおたいりたしょう。

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「おかげさた」ずいう蚀葉 

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