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鼠いるか事

 御書6  建治三年  五六歳  

 已前の御文御返事申し候ひしか。  鵞目一結、三年の古酒一筒給び了んぬ。  御文に云はく、安房国にねずみいるかとかや申し候大魚或は十七・八尋或は二十尋云云、乃至彼の大魚を鎌倉に、乃至家々にあぶらにしぼり候香たえ候べきやう候はず、くさく等云云。  扶桑記に云く「出羽国に四月八日河水泥水にして死魚浮かび、山擁塞して流れず。両の大蛇有り長さ各十丈許り、相連なり流出して海江に入る。小蛇の随ふは其の数を知らず。河に依って苗稼流れ損ずるもの多し。或は濁水に没し、草木死朽して而も生せず〇但弘仁年中〇乃至兵役之を火く。又塚墓骸骨其の山水を汚す」等云云。此の外内典に伝ふるに臭気に依って悪鬼国に入って聚まる。