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上野殿御返事

御書6

かれは人の上とこそみしかども、今は我等がみにかゝれり。願はくは我が弟子等、大願ををこせ。去年去々年のやくびゃうに死にし人々のかずにも入らず、又当時蒙古のせめにまぬかるべしともみへず。とにかくに死は一定なり。其の時のなげきはたうじのごとし。をなじくはかりにも法華経のゆへに命をすてよ。つゆを大海にあつらへ、ちりを大地にうづむとをもへ。法華経の第三に云はく「願はくは此の功徳を以て普く一切に及ぼし、我等と衆生と皆共に仏道を成ぜん」云云。恐々謹言

    弘安二年十一月六日              日蓮花押    

   上野賢人殿御返事

    此はあつわらの事のありがたさに申す御返事なり。