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恙(つつが)ない人生を願う 五節句 文化風俗・慣習

諸宗教破折2
4/19/2017

古来、日本には、四季折々の行事がある、五節句はその代表格で、
・人目(じんじつ)(一月七日)
七草の節句
・上巳(じょうし)(三月三日)
桃の節句(ひな祭り)
・端午(たんご)(五月五日)
菖蒲(しょうぶ)の節句(こどもの日)
・七夕(七月七日)
笹(ささ)の節句
・重陽(ちょうよう)
菊の節句

のことだ。
その由来は、古代中国において、三月三日や五月五日、七月七日のように、奇数(陽)の重なる日はめでたい反面、陰(いん)に転じる日でもあり、邪気を払う行動が行われていた。
その中国の歴法と風習が日本に伝わると、日本伝統の正月行事や氏神の祭礼、農耕儀礼といった年中行事と結びつき、次第に定着していったものと考えられている。
季節の筋目に当たり、無病息災や厄除(やくよ)け、我が子の健(すこ)やかな成長などを願い、祝いの行事を催(もよお)してきたことは、古(いにしえ)より今に至るまで変わらぬ人々の自然な願いの発露と言えよう。

想う気持ちは尊くも・・・
正月の七日に七草粥を食べ、桃の節句にはひな人形を飾る。こどもの日に鯉のぼりを上げ、七夕には短冊を吊り、九月九日に
菊酒を飲む。そうした習慣は特段、謗法となるものではない。
しかし、それらの催事を神社や教会で行ったり、邪宗教を通じて祈れば、これは明確な謗法となる。
妙楽大師は『弘決』に、

「若(も)し正鏡に非ずんば、縦(たとい)妄偽無けれども亦種(またしゅ)と成らず」(摩訶止観弘決会本 上ー一七五㌻)

と、たとえ偽(いつわ)りなく信仰しても、対鏡たる本尊が正しくなければ、成仏の因にはならないと示された。
どんなに節句を尊く思おうと、間違った信仰のもとでの催事であれば、かえって悪業を積むのである。
そもそも、これらの節句の行事は、全く宗教性のない、日本の文化風俗に基づく催事のはず。
それを神社等で催すのは、邪教の「経営」上、これらの慣習が都合よく使われてきたからだ。
ついうっかりでも、気軽に参加しないよう気をつけたい。

随方毘尼(ずいほうびに)と申す戒の法門
さりとて、日本各地に存在する様々な伝統行事を、即座に非とすることも妥当ではない。
日蓮大聖人は『月水御書』に

「仏法の中に随方毘尼と申す戒の法門は是に当たれり。此の戒の心は、いたう事かけざる事をば、少々仏教にたがふとも、
其の国の風俗に違ふべからざるよし、仏一つの戒を説き給へり」(御書 三〇四㌻)

と御示しくださっている。
特に、正法正義に反せず、謗法に基づくものでもないならば、随方毘尼の上に、日本古来の文化風俗を重んじることも大切である。
しかし、もし謗法邪宗教による催事ならば、いかに歴史があろうと、また大規模であっても、それは謗法与同の所業となる。

正しい信仰で祈念しよう。
『秋元殿御返事』には、

「先づ五節供の次第を案ずるに、妙法蓮華経の五字の次第のまつ(祭)りなり。正月は妙の一字のまつり、天照太神を歳の神とす。三月三日は法の一字のまつりなり、辰(たつ)を以て神とす。五月五日は蓮の一字のまつりなり、午(うま)を以て神とす。七月七日は華の一字の祭りなり、申(さる)を以て神とす。九月九日は経の一字のまつり、戌(いぬ)を以て神とす。此くの如く心得て、南無妙法蓮華経と唱へさせ給へ。「現世安穏後生善処」(げんせあんのんごしょうぜんしょ)疑ひなかるべし」
(同 三三四㌻)

と仰せられている。
この意義に則(のっと)り、日蓮正宗においても、世間の風習に因(ちなん)で七草や節分、七五三祝いなどを行うが正法正義に基づいて祝うからこそ、伝統行事も、その元来の意義が具(そな)わるのである。
正しい筋道をもって、心穏やかに日本らしい四季折々の催事を楽しむのも、ときには大切。でも、その中心は、正鏡たる本門戒壇の大御本尊と、唯授一人の御法主上人に信伏随従する信心にあることを、けっして踏み違えてはならない。

(大白法 第九五五号 平成二十九年四月十六日)

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