ー氏神神社と崇敬神社

　諸宗教破折２
　朝礼で、社員一同が神棚に向かう。先頭の社長に倣い社員も、二礼二拍一礼をして商売繁盛を願うー。
　というのは、テレビドラマで見たシーンである。
　この神棚に向かう所作は、ドラマでなくとも見かけることがよくある。が、どのような神が祀られているかを気にする人は、少ないかも知れない。
　神とひと口に言っても、『古事記』などに神話として出てくる神、実在した人物への恋慕から祀った神、怨念を恐れ鎮める目的でられた神など、様々である。
　そんな神々が祀られてる神社も、皇祖 天照大神を祀る伊勢神宮を別格とし、一族に縁が深かったり
居住区に縁のある氏神神社と、自分が尊敬し頼りたくて崇める崇敬神社の二種類に分けられるようだ。
多様化する神棚とお守り
　全国八万社の神社を包括する神社本庁のサイトによれば、
「お神札とお守りはどちらも神さまのお力を戴くものですが、お神札は自分の家の神棚でお祀りして家をお守り戴くもの、お守りは常に身に付けて神さまのご加護を戴くものです」
と、両方持つことが推奨されている。
　そして神棚もお守りも、生活スタイルの変化によって多様化している。
　まずは神棚だが、近年は、気軽におしゃれに、インテリアになじむデザインでと、 「モダン神棚」 「おしゃれ神棚」が売られている。
　また、「神棚マイスター」を名乗り「神棚ガール」なる存在を作り出して、 神を会社や家庭に置こうと、普及活動をする人もある。
　次いでお守りだが、前に本欄で干支をアレンジしたお守りや人気キャラクターとのコラボレーションによるものを取り上げた。
　それが進化して、近頃では、神社とレコード会社が販売している「神席祈願」なるお守りがある。 この中に入っているのは、芸能人が多く訪れることを宣伝に利用し、応援活動に御利益があると、その神社で祈祷された御神体らしい。
　目的は、ライブやコンサートでよい席を得たいから「神席(入手が困難で、一番望んでいる席が当た
りますように」と願って買い、神頼みするためのお守りである。
　あるいは、ホームセンターなどで、写真やアニメキャラクター、その他好きな物を飾る「推し活神棚」さいせんに、「推し活賽銭箱」なる貯金箱も売られている。
　人々の、あくまでもファン活動に過ぎない「推し活」に、神との関わりを見いだそうとするのだから、そこに御加護など、あるはずがない。
　強い憧れや尊敬の感情を利用するのはもってのほかであるが、信仰に正邪があることを知り、安易に、何でも彼でも神として祀り上げることは、やめるべきである。
お札やお守りは謗法です
　日蓮正宗では、入信に当たり、神棚を外させる。
　それは、日蓮大聖人が、
「世皆正に背き人悉く悪に帰す。故に善神国を捨てゝ相去り、聖人所を辞して還らず。 是を以て魔来たり鬼来たり、災起こり難起こる」(御書二三四ページ)
と教示されているからである。
　人々がよく知る天照太神、日天月天、八幡大菩薩、鬼子母神等々は皆、法華経守護の諸天善神であり、妙法を法味として、民衆を守護する力を増す神々である。
　ところが、末法の今は、正法に背き邪法を信ずる人が多いため、 法味に飢えた諸天善神は生を捨てて天に上ってしまっている。
　空になった神社や、冒頭の会社の神棚に、神の代りに何が棲んでいるかといえば、悪鬼・魔神である。
　故に、神社参詣はもちろんのこと、お札やお守りは謗法で、人々の不安や欲望につけ込んで自己満足させるための手段に過ぎない。
　棲みついている悪鬼・魔神は、人々の命を濁らせ、生活に悪影響を及ぼし、ひいては先祖をも苦しめる。氏神と言えば地域を守ると人々は思っているが、地域が浄化することなど、断じてない。
　まさに「百害あって一利なし」の、不幸の温床でしかなく、諸天善神は御本尊の中にのみおられることを教え、折伏を進めよう。