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法華経について⑩

法華経について(全34)
10大白法 平成26年7月1日刊(第888号)より転載

『授記品第六』と『化城喩品第七』の前半
 『授記品第六』
 前回の『薬草喩品第五』で「三草二木の譬え」が説かれ、四大声聞の領解を納受されると共に、さらに功徳が平等で莫大であることを述べられました。そして、この『授記品第六』で、いよいよ四大声聞(迦葉・須菩提・迦旃延・目連)に未来成仏の保証をされるのです。

 四大声聞の授記
 当品の冒頭で、迦葉が光明如来の記別を授かります。
 それを見た他の三人は皆、感激しますが、声聞が成仏することに未だにわずかな疑いを抱いていました。そこで釈尊に対して、『飢えた国から来た人が、大王の食膳を出されると戸惑ってしまい、なかなかご馳走に手を付けられません。しかし、大王から召し上がれと言われれば、安心して食べることができるでしょう。自分たちも同様であり、もし未来成仏の記別を授けられれば、安楽の境界を得ることができるので与えてくださるよう、お願い申し上げます」と申し上げたのです。
 そこで釈尊は、須菩提に名相如来、迦旃延に閻浮那提金光如来、目連に多摩羅跋栴檀香如来の記別を授けられ、『授記品第六』は終了します。
 宗祖大聖人様は、この時の様子を、
「破れたる石は合ふとも、枯れ木に花はさくとも、二乗は仏になるべからずと仰せられしかば、須菩提は茫然として手の一鉢をなげ、迦葉は涕泣の声大千界を響かすと申して歎き悲しみしが、今法華経に至りて迦葉尊者は光明如来の記別を授かりしかば、目連・須菩提・摩訶迦旃延等は是を見て、我等も定めて仏になるべし、飢ゑたる国より来たりて忽ちに大王の膳にあへるが如しと喜びし文なり」(御書 四八頁)
と仰せになって、それまでの四大声聞の苦悩と記別を受ける喜びを御示しになっています。
 四大声聞は、勝れた法華経を聞いて歓喜したものの、果たして小乗の自分たちが本当に成仏できるのかを疑っていました。それほど法華経の教えは計り難いのです。しかしそれでも、釈尊より記別を与えられ、自ら未来成仏の確信を得ることができたのです。

 『化城喩品第七』の前半
 過去結縁の因縁
 続いて、『化城喩品』に入ります。今まで、『方便品』の説法の後、上根の舎利弗の授記、中根の四大声聞への譬喩の説法へ(正説)と領解、述成、授記と進んできました。当品からは下根の声聞に対する説法となります。
 さて『化城喩品』は、法華経因縁説周の中の正説段に当たります。題号の「化城喩」ですが、それは当品に法華七譬の一つである「化城宝処の譬え」が説かれていることによります。そして、他の品と異なり、最初から最後まで釈尊の説法のみとなっていることに特色があります。

 三千塵点劫の大通覆講
 まず過去三千塵点劫という過去の話が説かれます。
 この「三千塵点劫」ですが、これは遥かな過去の時間の表現です。少し判りにくいかも知れませんが、三千大千世界の土地を磨りつぶして墨にして、それを東のほうに千の国土の間隔で一微塵ずつ落としていき、すべての塵を落とした範囲を、再び粉末にして大量の塵にします。こうしてできたちりの一粒を、一劫として数え、遡った過去ということです。
 因みに後の『寿量品』には五百塵点劫という過去が説かれますが、『寿量品』のほうは〝五百千万億那由多阿僧祇の三千大千世界〟がはじめの単位であり、三千塵点劫より遥かな、思いもつかない過去となります。
 さて、三千塵点劫の過去に大通智勝仏という仏様がいらっしゃいました。大通智勝仏が成道を遂げた後、十小劫の後に説法を聴聞するために、出家以前に設けていた十六人の王子、また父である転輪聖王とその所従たちが参詣してきました。そして、十六王子をはじめとする大衆が懇ろに説法を請います。最後に梵天王たちが説法を願った後、大通智勝仏は四諦十二因縁の法を説きます。
 その後、十六王子や転輪聖王等が出家し、二万劫の後、大通智勝仏は十六沙弥(出家した十六王子)の請いによって妙法蓮華経を説かれました。この時、十六沙弥は素直に信解し悟りましたが、小乗の教えに執われた人々は疑いを生じてしまったのです。
 法華経を説いた大通智勝仏は、禅定に入られましたが、その間に十六沙弥が重ねて法華経を説きました。つまり、大通智勝仏の法華経の説法を開いて、歓喜の心を起こし、その歓喜のままに縁のある人々に法華経を説いたのです。
これを覆講(大通覆講)と言います。
 十六王子の覆講を大通智勝仏は感嘆し讃嘆され、そして、十六王子は常に法華経を説き続けた功徳をもって成仏をされたのです。
 さて、この十六王子の一人が釈尊です。そして、その法華経の説法を聴聞して退転してしまった人々は、その後、六道を輪廻し、三千塵点劫を経て釈尊の説法に巡り合ったのです。ここに釈尊と衆生の三千塵点劫以来の因縁が明かされたのです。

 化導の始終不始終の相
 中国の天台大師は、法華経が他経より勝れていることを明かすのに、
「教相に三と為す。一に根性の融不融の相、二に化導の始終不始終の相、三に師弟の遠近不遠近の相」(学林版玄義会本上 五七頁)
と説かれています。
 まず第一の「根性の融不融の相」とは爾前経では衆生の機根は未熟であり、声聞・縁覚・菩薩の三乗に分かれていました。しかし、法華経『方便品』の説法によって、この二乗を開いて一仏乗に会入されたのです。すなわち、爾前経は「不融」であり、法華経は「融」であると判じられるのです。
 第二の「化導の始終不始終の相」は、仏の化導として種熟脱の三益が明かされているか否かということです。すなわち、爾前経では仏による化導の始終が明かされていないので「不始終」であり、法華経は当品の三千塵点劫をはじめとする化導の因縁、及び迹門の記別をもって化導の成就とし、「始終」に配するのです。
 第三の「師弟の遠近不遠近の相」は、迹門と本門の相対であり、仏と衆生の久遠以来の関係が明かされているか否かということで、迹門は「不遠近」、本門は「遠近」に配されます。この内容については、本門に入ってからの開近顕遠の法門で詳しく学びましょう。
 以上は、法華経の文上の意義に基づいて述べたものですが、さらに大聖人様の文底下種の立場から言及すれば、第二の化導の始終不始終の相は、まだ本当の形の種熟脱ではありません。
 大聖人様は、『常忍抄』に、
「日蓮が法門は第三の法門なり。世間に粗夢の如く一・二をば申せども、第三をば申さず候」(御書 一二八四頁)
と仰せられています。
 すなわち、大聖人様の仏法では、天台大師の三種の教相はあくまで権実相対(第一法門)と本迹相対(第二法門)であり、第三の法門として種脱相対の法門こそが本意であることを御教示されているのです。
 この「第三の法門」とは、未だ下種を受けていない末法の人々が、下種の教主である日蓮大聖人様の仏法によって救済されることを明かされた法門なのです。
 大通智勝仏の十六人の王子が、聴聞した法華経を歓喜の心をもって、人々に説き弘めたように、私たちも御法主日如上人猊下の御指南のままに、御住職の御指南のままに、御本尊様の功徳を語り、折伏に励んでいくことが大切です。
 折伏誓願貫徹をめざして、最後まで諦めることなく、精進してまいりましょう。

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