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法華経について⑨

法華経について(全34)
9大白法 平成26年6月1日刊(第886号)より転載

『薬草喩品第五』
 今回は『薬草喩品第五』について学びます。
 「薬草喩」とは、当品に説かれる譬喩に由来しており、特に声聞・縁覚の二乗を救済するための妙法という真の薬を説く意味が拝されます。
 

 譬説周述成段
 『薬草喩品』は、迹門正宗分で広開三顕一が明かされる三周の説法中、『譬喩品第三』の後半から始まる譬説周のうち、述成段(対告衆による領解の正しさを認め仏様がさらに説き示す部分)に当たります。
 『譬喩品』後半の譬説周正説段(仏様が正法を説かれる部分)において、釈尊は「三車火宅の譬え」を説き、これを聞いて中根の須菩提・迦旃延・迦葉・目連の四大声聞は、三乗方便・一乗真実という開三顕一の法理を覚知します。四大声聞は領解段(説法を聴聞した衆生が仏様に理解した内容を述べる部分)である次の『信解品』において、その理解した旨を「長者窮子の譬え」をもって釈尊に申し上げました。
 これを受けて『薬草喩品』では、釈尊が「長者窮子の譬え」は真実の功徳を顕わしているとして一応四大声聞の領解を納受して讃歎すると共に、功徳の甚大なることをさらに深く理解させるために「三草二木の譬え」を説かれるのです。

 三草二木の譬え
 この譬えは、仏様の実相は本来一味ですが、衆生の境界に差別があるために受ける功徳が異なることを示された上で、一仏乗によって、すべての衆生が平等に利益されることを説かれたものです。

『薬草喩品』より三草二木の譬え
 「世界中の山や川、谷や大地には、様々な草木が生い茂っており、名前も形も異なっています。
 雨雲が遍く空を覆い、雨が一時に等しく降り注ぐと、その雨は、一切の草木に行き渡り、高木、低木、大・中・小の薬草それぞれに応じた潤いをもたらします。草木は、それぞれの持つ特性に従って、雨による潤いを受け、生長して花果を結びます。草木は、同一の大地に生じ、同一の雨に潤されますが、名前や生長していく姿には、それぞれ差があり違いがあるのです。
 仏様の教えもまた同じです。仏様が世の中に出現されるのは、大きな雨雲が涌き起こるごとく、説法が一切の人々に行き渡るのは、雨雲が遍く空を覆い尽くすごとくであります。
 そして、『私は仏であり、未だ仏道に至らない者を導き、未だ解了しない者を解了せしめ、未だ仏道に安んじない者を安んぜしめ、未だ涅槃に至らない者を至らしめます。私は今世・来世を見通した一切を知る者、一切を見る者にして、仏の道を知り、仏の道を開き、仏の道を説く者であります。皆この法華経を聴聞するためにここに集まりなさい』と説かれました。
 仏様は、集まり来たった十界の衆生に機根の差があることを観ぜられて、それぞれに相応して種々に法を説いて衆生を歓喜せしめ、善根を修めさせます。説法を聴聞した衆生は、今世は安穏にして後生は善所に生まれ、ようやく仏道に入ることができるのです。
 それはあたかも大きな雨雲が、一切の草木に雨を降らし、それぞれの草木に応じた潤いを与えて平等に生長させるようなものです。
 仏様の説法は、一地・一雨と同じく、ただ一乗真実の教えを、一切衆生に平等に説くことにあります。
 しかし、聴聞した人間・天上・声聞・縁覚・菩薩の衆生は、仏様の教えの通りに受持・読誦の修行をしても、各々が功徳を別々に受け止め、仏様の教えが一相一味であることを知りません。種々の草木が自らの上中下の特性を知らないように、五乗七方便のそれぞれの衆生もまた自身の種・相・体・性を知らず、ただ仏様のみが五乗の因果と差別相を知り、衆生の心相も諸仏の教法も一相一味無差別であることを覚知されているのです(趣意)」(法華経 二一五頁)
 譬えの中に示されるように、大きな雨雲は仏様、雨とはその教え、草木は一切衆生のことです。雨雲が平等に潤いの雨を降らせるとは、一切衆生を仏様の悟りの境界へ導く一仏乗たる法華経に譬えられたものです。
 また種々の草木は、天台大師の『法華文句』に依れば五乗のそれぞれに当たり、小さな薬草が人間・天上、中くらいの薬草が声聞・縁覚の二乗、大きな薬草が蔵教の菩薩、低木が通教の菩薩、高木は別教の菩薩を譬えています。これら五乗の衆生は、草木が等しく大地より生ずるのと同様に、各々が本来等しく仏性を具えています。ですから、機根に応じて一仏乗の法を様々に聞いたとしても、草木の性質に関わらず潤すところの雨が一味であるように、衆生の機根に五乗七方便の相違があったとしても、仏様は大慈悲の上から実相一味の法を施し平等の利益を与え無差別の義を示され、究竟して一切衆生を仏様の境界へと至らしめるのです。

 現世安穏 後生善処
 日蓮大聖人が『御講聞書』に、
「今末法に入りて日蓮等の類の弘通する題目は等雨法雨の法体なり。此の法雨、地獄の衆生・餓鬼の衆生等に至るまで同時にふりたる法雨なり。日本国の一切衆生の為に付嘱し給ふ法雨は題目の五字なり。所謂日蓮建立の御本尊、南無妙法蓮華経是なり」(御書 一八四一頁)
と御示しのように、末法の一切衆生に等しく降り注ぐ法雨とは、本門戒壇の大御本尊を信じ、南無妙法蓮華経と唱え奉ることによって戴ける大功徳に他なりません。
 御法主日如上人猊下は、妙法受持による三世に亘る功徳を説かれた当品の、
「現世安穏。後生善処(現世安穏にして後に善処に生ず)」(法華経 二一七頁)
との経文について、次のように御指南あそばされています。
「我らにとって『現世安穏後生善処』の妙法を受持信行することこそ今生の名聞であり、現世に妙法弘通に励んだ因によって後生には必ず成仏に至ることができるのであります。
 よって我らは『須く心を一にして南無妙法蓮華経と我も唱へ、他をも勧めんのみこそ、今生人界の思出なるべき』との御金言を心肝に染め、一意専心、自行化他の信心に励んでいくことが肝要となるのであります」(大白法 七三三号)
 この御指南に副い奉り、誓願貫徹に向けて精進してまいりましょう。

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和歌山県田辺市の在住、日蓮正宗法華講員です。
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