大白法 平成27年11月16日付
広宣流布とは、正しい教えを広く世間に宣べ布教することを言います。また、略して広布とも言います。
『法華経薬王菩薩本事品第二十三』には、
「我が滅度の後、後の五百歳の中に、閻浮提に広宣流布して、断絶せしむること無けん」(法華経539)
と、釈尊が亡くなった後の末法という濁悪の時代に、正法が全世界に流布(広まり伝わること)すると説かれています。
日蓮大聖人様は『如説修行抄』に広宣流布の様相について、
「妙法独りはむ昌せん時、万民一同に南無妙法蓮華経と唱へ奉らば、吹く風枝をならさず、雨土くれをくだかず、代はぎのうの世となりて、今生には不祥の災難を払ひて長生の術を得、人法共に不老不死の理顕はれん時を各々御らんぜよ、現世安穏の証文疑ひ有るべからざる者なり」(御書671)
と、南無妙法蓮華経の教えが広宣流布したときは、自然界の用きが平穏なものとなり、個人においても災いを払い、長寿を保つことができ、社会においても真の平和を築くことができると説かれています。
大聖人様は、この南無妙法蓮華経の教えを広宣流布するために、御生涯を通して折伏弘通をなされたのです。
『諸法実相抄』には、
「広宣流布の時は日本一同に南無妙法蓮華経と唱へん事は大地を的とするなるべし」(同666)
と、大地を的として矢を射て外すことがないように、大聖人様の教えは必ず日本乃至全世界に流布すると示されています。
このような御指南から、私たちは広宣流布を大聖人様の御遺命であると拝すのです。
御法主日如上人猊下は、
「広宣流布は我々の努力なしでは達成することはできません。そこに今、我々が大聖人様の弟子檀那として、一切衆生救済の慈悲行である折伏をなすべき大事な使命があり、責務が存していることを知らなければなりません。そして、その使命と責務を果たしていくところに、我ら自身もまた広大なる御仏智を被り、計り知れない大きな功徳を享受することができるのであります」(大白897号)
と御指南されています。
大聖人様の教えを正しく受け継ぐ私たち日蓮正宗僧俗は、大聖人様の御遺命である広宣流布の実現に向かい、日々、勤行・唱題に励み、折伏弘通に邁進することが大切なのです。
★ポイント
第二祖日興上人様は、
「未だ広宣流布せざる間は身命を捨てゝ随力弘道を致すべき事」(御書1884)
と、不惜身命の折伏弘通を厳命されています。以前このコーナーで、「折伏」について勉強しました。この折伏の実践こそ、広宣流布への道であり、私たちの折伏なくして広宣流布は成就できないのです。