大白法 平成28年11月16日付
釈尊は自らの入滅後、仏法が流布していく順序を、「正法時代」の千年、「像法時代」の千年、「末法時代」を万年と3つの段階(時)に分けられました。
また、大集経では、500年ごとに区切って「五箇の五百歳」としてその特長を説いています。
三時に、この五箇の五百年を当てはめると、まず、釈尊入滅後、最初の五百年は「解脱堅固」と言い、衆生の根性が素直であったことから、仏の智慧を得て悟りを開く者が多い時代です。
次の五百年は「禅定堅固」と言い、悟りを得るために心を一つに定めて深く思惟する修行が広く行われる時代です。
この千年は、仏の教えが正しく伝わる時代という意味から正法時代と言い、迦葉・阿難・竜樹・天親等の大師論師(仏法を習い極めた人)が、小乗教や権大乗教を弘めました。
三番目の五百年は「読誦多聞堅固」と言い、お経を読誦し聴聞することが広く行われる時代です。
四番目の五百年は「多造塔寺堅固」と言い、寺院や仏塔の建立が広く行われる時代です。
この千年は、教えや修行の形のみが、正法時代に像ているという意味から像法時代と言い、天台大師・伝教大師等が法華経迹門の教えを弘めました。
そして、五箇の五百歳の最後、第五の五百年は「闘諍言訟・白法隠没・損滅堅固」と言い、釈尊の仏法が衰え、人々の心が荒廃し争い合う時代になって、仏法を修行しない者が充満することから末法時代と言うのです。また「第五の五百年」は五百年間ではなく、「万年」という未来永劫を指します。
釈尊は、『法華経神力品第二十一』に、
「日月の光明の 能く諸の幽冥を除くが如く 斯の人世間に行じて 能く衆生の闇を滅し」(法華経 516)
と説かれたように、釈尊の教えが隠没(衰えてなくなってしまう)する末法には、「斯の人」が出現して、衆生を救う大白法を説かれるとされています。この方こそ、末法に妙法蓮華経を弘通された御本仏日蓮大聖人様なのです。
天台大師は、
「後の五百歳、遠く妙道に沾わん」
と、後の五百歳、つまり遠く未来にわたって妙法が流布することを予証されています。
私たちは、末法の今こそ妙法広布の時代であることを知り、広宣流布に向かって日々折伏行に邁進することが大切です。
★ポイント
大聖人様は、『種々御振舞御書』に、
「今日蓮は末法に生まれて妙法蓮華経の五字を弘めてかゝるせめにあへり。仏滅度後二千二百余年が間、恐らくは天台智者大師も『一切世間多怨難信』の経文をば行じ給はず。『数々見擯出』の明文は但日蓮一人なり」(御書1062)
と仰せのように、大聖人様こそ、妙法五字の弘通によって、法華経の経文に説かれる数々の法難を、身をもって拝読された真の法華経の行者、末法の御本仏であらせられるのです。