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52三車火宅の譬


教学ノート

大白法 令和元年5月16日付

 三車火宅の譬えとは、法華経『譬喩品第三』に説かれる譬え話です。法華経には7つの譬えが説かれていて、法華七譬とも法華七喩とも言いますが、その第1番目の譬えです。
 今回から毎回1つずつ学んでいきます。
 昔、ある国に1人の大長者がいました。たくさんの財産を持っていて、たくさんの召使いを抱えていました。
 お屋敷はとても広かったのですが、出入り口は、狭くて小さな門が1つあるだけでした。中には500人の人々と、長者の子供たち30人が住んでいました。
 ある時、長者が出かけて留守にしていた日のこと。火事が起きて、炎は瞬く間に屋敷に広がってしまいました。
 子供たちはまだ幼くて、夢中で選んでいたので、火事に気がつきません。帰ってきた長者が、「早く外へ逃げなさい。炎で焼け死んでしまうぞ」と声をかけましたが、聞こえないのか、子供たちは、まだ遊んでいます。
 長者は、子供たち全員を無事に外に出して助けるために「お前たちの好きな羊の引く車、鹿の引く車、牛の引く車が門の外にある。早く外に出てくれば、あげるよ」と告げたのです。
 これを聞いて、今度は子供たちが一斉に、外へ走り出てきました。こうして子供たちは安全な所へ避難でき、長者は安心して喜んだのです。
 門から出た子供たちは、父に向かって早く3つの車が欲しいと願いました。
 そこで長者は、3つの車より、もっとずっと立派で、形もよく、能力も優れた大白牛が引く大きな車を、子供たちに平等に与えました、というお話です。
 この譬え話の中の、長者は仏様のことです。火事になった屋敷は、煩悩などが原因となって起こる苦しみの世界(地獄界・餓鬼界・畜生界)の譬えです。子供たちは一切衆生のことで、声聞乗、縁覚乗、菩薩乗の三乗の教えを羊車・鹿車・牛車の三車に、一乗真実の教えを大白牛車に譬えています。
 日蓮大聖人様は、『大白牛車御消息』という御書に、
「抑法華経の大白牛車と申すは、我も人も法華経の行者の乗るべき車にて候なり。(中略)我より後に来たり給はん人々は、此の車にめされて霊山へ御出で有るべく候。日蓮も同じ車に乗りて御迎ひにまかり向かふべく候」(御書1582㌻)
と、大聖人様の教えを信じ修行に励む人を、臨終の際に大白牛車で迎えにきてくだきると仰せです。

★ポイント
法華経には、
1、譬喩品第三(三車火宅の譬)
2、信解品第四(長者窮子の譬)
3、薬草喩品第五(三草二木の譬)
4、化城喩品第七(化城宝処の譬)
5、五百弟子受記品第八(貧人繋珠の譬)
6、安楽行品第十四(髻中明珠の譬)
7、如来寿量品第十六(良医病子の譬)
の七品に、7つの譬えが説かれています。

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和歌山県田辺市の在住、日蓮正宗法華講員です。
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