大白法 平成27年9月16日付
僧宝とは、仏が説かれた教えを自らも学び行じ、後世に誤りなく正しく護り伝える僧侶のことを言います。
日蓮大聖人様は『四恩抄』に、
「仏宝・法宝は必ず僧によて住す。譬へば薪なければ火無く、大地無ければ草木生ずべからず。仏法有りといへども僧有りて習ひ伝へずんば、正法・像法二千年過ぎて末法へも伝はるべからず」(御書268)
と、例えば薪がなければ火は消え、大地がなければ草木は生えてこないように、仏宝と法宝は僧侶が習い伝えなければ、未来には伝わらないと仰せられています。
このように、僧侶には仏宝と法宝を正しく伝持するという極めて大きな役割があるため宝として敬うのです。
総本山第26世日寛上人は『当流行事抄』に、
「僧宝とは、即ち是れ開山上人なり」(六巻抄197)
と僧宝とは、第二祖日興上人であると仰せられています。
これは『日蓮一期弘法付嘱書』に、
「日蓮一期の弘法、白蓮阿闍梨日興に之を付嘱す、本門弘通の大導師たるべきなり」(御書1675)
と仰せのように、日興上人は、大聖人様から血脈相承(師から一人の弟子だけに伝え授けられること)された御方である故に、僧宝と立てられるのです。
また日寛上人は『三宝抄』に、
「吾が日興上人、嫡々写瓶の御弟子なる事分明なり。故に末法下種の僧宝と仰ぐなり。爾来、日目・日道代々咸く是れ僧宝なり」(歴代法主全書)
と、大聖人様より血脈を相承された日興上人と、日興上人以来代々法を受け継がれた御歴代上人も僧宝であると示されています。
さらに、日興上人は『日興跡条々事』に、
「(大聖人様から)日興が身に宛て給はる所の弘安二年の大御本尊は、日目に之を相伝す」(御書1888)
と仰せられています。
つまり、日興上人以来、歴代の御法主上人猊下が、大聖人様からの血脈を相承され、本門戒壇の大御本尊様(法宝)を相伝されていることによって、日蓮正宗には現在に至るまで正しく仏法と法宝が伝えられているのです。
私たちは、日興上人をはじめとする御歴代上人を僧宝と拝信することが大切であり、その上で日々の仏道修行に励んでいくことが肝要です。
★ポイント
日興上人は、
「なをなをこのほうもんは、しでしをたゞしてほとけになり候。しでしだにもちがい候へば、おなじほくゑをたもちまいらせて候へども、むけんちごくにおち候也」(歴代法主全書)
と仰せられ、師弟の筋目を正すことの大切さと、血脈付法の御去主上人猊下に随順してこそ成仏が叶うことを御指南されています。