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唱題行(7月1日)の砌

日如上人猊下お言葉
 皆様、おはようございます。本年七月度の唱題行の初日に当たりまして、皆様には日本中が新型コロナウイルス
感染症によって騒然としているなか、信心強盛に参加され、まことに御苦労さまでございます。
 さて『太田左衛門尉御返事』を拝しますと
「法華経と申す御経は身心の諸病の良薬なり。されば経に芸はく『此の経は則ち為れ閻浮提の人の病の良薬なり。若し人病有らんに是の経を聞くことを得ば病即消滅して不老不死ならん』等云云」(御書一二三)
と仰せであります。
 まさに今、コロナ感染症によって日本国のみならず世界中が騒然としていますが、かくなる時こそ、私どもは改めて大御本尊様の広大無辺なる功徳を拝信し、いかなる病魔も降伏すべく強盛に自行化他の信心に励み、なお一層の精進をもって病苦と対峙していくことが肝要であります。
 大聖人様は『富木尼御前御書』に、
「阿闍世王は法華経を持ちて四十年の命をのべ、陳臣は十年の命をのべたり。尼ごぜん又法華経の行者なり。御信心は月のまさるがごとく、しをのみつがごとし。 いかでか病も失せ、寿ものびざるベきと強盛にをぼしめし、身をし、心に物をなげかざれ」(同 九五五頁)
と仰せであります。
 承知の通り、阿闍世王は、古代インドのマカダ国の王である父の頻婆娑羅王を監禁し、獄死させて王位に即いたのでありますが、のちに釈尊の教えに帰会し、仏教の熱心な保護者となって、四十年も寿命を延べたとあります。
 また陳臣は、ある仙人から「あなたは一カ月後に死ぬ」と予言されましたが、天台大師の教えを受け、修行することによって、十五年間も寿命を延ばしたと言われておりす。
 これらの御文を拝し、いかなる病魔も大御本尊様に対する強盛なる信心によって対治できることを確信し、それぞれがコロナ感染症に負けず、なお一層の精進をもって題目を唱え、いよいよ強盛に自行化他の信心に励んでいくことが、今、最も肝要であります。
 大聖人様は『唱法華題目抄』に、
「末代には善無き者は多く善有る者は少なし。故に悪道に堕せん事疑ひ無し。同じくは法華経を強ひて説き聞かせて毒鼓の縁と成すべきか。然れば法華経を説いて謗緑を結ぶべき時節なる事 評ひ無き者をや」(同二三二)
と仰せであります。
 「毒鼓の縁」とは、既に皆様もよく御承知のことと思いますが、毒を塗った太鼓を打てば、聞こうとしない者の耳にも届き、聞いた者は皆、死ぬと言われており、たとえ逆縁の者であっても、大聖人の仏法に緑した功徳によって救われると仰せられているのであります。つまり、末法の御本仏日蓮大聖人の教えは順逆二、共に救っていける教えでありますから、本因下種の妙法を聞かせることによって正法と緑を結ばせ、将来、必ず救済することができるのであります。
 これらの文を拝する時、コロナ染症によって、混迷を極めている今こそ、私ども同心・一致団結して折伏に立ち上
がいなければなりません。
 大聖人様は、『如説修行抄』に、
「今の時は権教即実教の敵と成る。一乗流布の代の時は権教有って敵と成る。まぎらはしくは実教より之を責むべし。」(672ページ)
と仰せであります。
されば私どもは異体同心・一致団結して、コロナ感染症によって世情が混迷を極めている今こそ全力を傾注して折伏を行じ、一天広布を目指して、いよいよ精進されますことを心から念じ、本日の挨拶といたします。

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和歌山県田辺市の在住、日蓮正宗法華講員です。
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