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阿輸柯(あしょか)

仏教説話

阿輸柯(あしょか)

阿育王宮には常に六万の羅漢が住んでいた。阿輸柯は阿育王の弟で、阿輸柯は毎日毎日、衆僧が王の供養を受けるのを見て、如何いかなる徳があって供養を受けるのかと疑問に思っていた。兄の阿育王が「僧は供養を受けても常に無常を観じているから貪欲とんよくに染まることがない」と説明しても、弟はその説明を信じることができなかった。

 王は弟の気持ちを正そうと思い、ひそかに人を遣わして閻浮提の王位に登らしめた。王は弟の所に行き「国に二にの主があろうはずがない。おまえを誅滅ちゅうめつするであろう。七日間だけ王位に就つくことを許すが、七日後には殺してしまうから、その間、五欲を恣ほしいままにするがよい」と言った。

 一日過ぎ終わると栴陀羅せんだらが鈴を振って「一日が過ぎた。六日後に死すべし」と告げた。このようにして、いよいよ七日目になると鈴を振って「七日が過ぎた。今日死すべし」と告げるのであった。

 阿育王は弟の所に行き、閻浮提の主として快楽を得たか、どうかを尋ねた。阿輸柯は「すべて見ず、聞かず、覚えず」と答え、さらに「栴陀羅が日々、鈴を振って高声に死の日を告げるので、閻浮提の主となり五欲を恣にできる立場にありながら、深い憂いのために楽への執着はほとんどなくなった。例えば、人が全身に楽を受けても、一針体に刺されば楽は消え、苦痛のみを感じるようなものである」と言った。

 これを聞いた阿育王は「比丘もまたそのように、ただ無常・苦空・無我を観じているので、他のほうに心が移ることもなく、貪着して供養を受けようなどと思わないものである」と述べたのである

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