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徳勝の真心の供養

仏教説話

徳勝の真心の供養

釈尊在世の時、阿難をはじめ沢山の比丘が如来を国繞(いじょう)して王舎城の中に入り、乞食(こつじき)をしていた。

 一行は市中に二人の小児を見た。一人は名を徳勝といい、他の一人は無勝といった。土いじりをして遊んでいた。土を擁して城舎や屋敷、倉儲(「そうちょ」米蔵に貯蔵する糧米)を作ったり、また土を麦粉(こむぎこ)として蔵の中に置いて遊んでいた。

 その時、この二児が仏の相好が金色で、光明が遍く城内を照らすのを見て、徳勝が歓喜して蔵の中の土を手ですくい、「土の麦粉」を釈尊に奉上して願を発した。

 「われ将来、天地を蓋(おお)うほど広く供養申し上げる。」

 この善根が縁となって願の功徳を発し、釈尊涅槃の百年後に転輪聖王となり、閻浮提第一の王となって華氏城に住した。

 そして正法をもって世を治め、阿育王と号した。王は仏舎利を分かちて八万四千の仏塔を造立し、仏法流布に努めたのである。

 これは「阿育王経」に説かれている。経典によっては「土の餅」とするものもあるが、ここでは「土の●(麦粉)」を献じて阿育王になった故事が説かれている。仏様への真心の供養が功徳となった。たとえ、それが食べられないものであっても。

(歴代法主全書八巻)

(高橋粛道)

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