諸宗教破折
4/22/2020
刑事事件の非難(ひなん)をかわすため教団名を変更!?
あげく所依(しょえ)の経典(きょうてん)から本尊までも無定見(むていけん)に変更
教祖・伊藤真乗(いとうしんじょう
真如苑とは、「だれにでも霊能者になれる」と豪語して教祖·伊藤真乗(しんじょう)と妻の友司(ともじ)が設立した、真言系の在家教団である。
創価学会をはじめ新宗教各派が近年、信徒の減少傾向にあるなか、真如苑は、一九九五年に約七十三万人だった国内の公称信徒数が二十年間で九十三万人(海外を含めると百万人)に増加していることから、新宗教のなかで「勝ち組」とも言われる教団である。
主な教団施設には、東京都千代田区にある巨大施設の友心院や、東京都立川市にある伊藤真乗が私財を投じて建立した総本山真澄寺(しんちょうじ)などがある。 特に真澄寺のある立川市の一画を真如苑発祥の地として、信徒たちは敬意を込めて「親苑(おやその)」と呼称し、ここには、真如苑総本部や二つの修行所、三つの布教会館、総合道場である応現院などの多くの施設が密集しており、まさに創価学会の信濃町のごとくに”真如苑の都市”化を進めている。
「真如苑」の成り立ちは犯罪の目眩(めくら)まし
真如苑の以前の教団名は「まこと教団」という名称であった。
そのまこと教団がある時期から教団名を真如苑に変更したのが、そこには伊藤真乗の姑息なやり口が垣間(かいま)見られる。
真乗は、一九四六年に真言宗から独立して「まこと教団」という宗教団体を設立したが、その数年後、教団を辞めた元幹部から
「教団内で修行を名目にリンチが行なわれている」
と告訴され、真乗は逮捕される。
一審において東京地方裁判所八王子支部では有罪と認定し、真乗に傷害罪で懲役一年の実刑判決を下した。 東京高等裁判所の控訴審判決では、一審の判決を
変更して無罪となるが、その後、教団の監督者としての責任を問われ、真乗は傷害罪で懲役七ヶ月・執行猶予三年の有罪判決を受けた。
これが当時、マスコミをも賑(にぎ)わせた「まこと教団事件」である。
この事件による打撃は大きく、教団は危機的状態に陥(おちい)った。
真乗はこの危機を切り抜けるために、教団名を 「真如苑」と改称して立て直しを図った。つまり、宗教団体にあるまじき犯罪の痕跡を払拭(ふっしょく)しイメージチェンジを図るべく、教団名を変更したのである。
教団の拠(よ)り所である経典や本尊を改変
開祖の真乗は、教団名の変更にともない、自教団の所依の経典まで変更するという、あり得ない行為に出る。
もともと真言宗の僧籍を持ち、真言系の在家仏教として教団を立ち上げた真乗は、当然、真言宗で定める『大日経』『金剛頂経』『蘇悉地経』を所依の経典としていたが、教団名の改称とともに突然、所依の経典を「大般涅槃経』に変更したのである。
所依の経典とは、その宗派の本尊、教義の拠(よ)り所(根拠)となるものである。 その拠り所を安易に変更してしまうのであるから、真乗の立てる本尊,教義に確固た意義付けがないのは明らかである。
その証拠に真乗は、それまで本尊としてきた不動明王に加えて、自らが彫刻した釈迦涅槃像と、十一面観音を立てたばかりか、立川総本部の敷地内には、
地蔵菩薩や、稲荷、弁財天などを配(まつ)った。
そもそも、 真如苑が所依の経典と定めた涅槃経のなかには、不動明王や十一面観音を本尊とせよとはまったく説かれておらず、これらを本尊とするのは経旨に背(そむ) くものであり、真乗の無定見ぶりを露呈(ろてい) している。
また、釈尊は涅槃経のなかで
「法華の中の八千の声聞の記効(きべつ)を授かる事を得て大菓実を成ずるが如きは、秋収冬蔵して、更に所作無きが如し」(『涅槃経如来性品』)
と説き、法華経こそが釈尊究極の教えであることを明かしている。 それに背いて涅槃経を最高の教えとする真如苑は、釈尊に背く邪教団であることは明白である。
真如苑の成り立ちや所依の経典、本尊の改変を知れば、いかに真乗とその教えがいい加減で、仏法的意義も存しない邪師邪説であるかがお分かりいただけるだろう。
(慧妙 令和二年四月一日)