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四十六、無量の戒徳を収める

日顕上人猊下御指南

妙法蓮華経を受持するとき、おのずからその身は、戒において無量の功徳を収める。戒とは防非止悪の誠めで、不殺生・不偸盗・不邪淫・不妄語・不飲酒の五戒をはじめとして、あらゆる悪を誡め、善を行うことであり、人間道徳の基本である。ただし、この戒の相に根幹と枝葉があり、時代と機根と国土環境によって、教えの大小の変わり方は一様ではない。特に末法の現代は、枝葉繁雑な小乗の二百五十戒、五百戒等は、かえって有害無益となる。本来の戒・定・慧の教法を、その浅深より見るとき、時代的順序とは逆に、大乗は小乗より深く、実大乗の法華経は権大乗より深く、法華経中、本門は述門より深く、寿量品文底の本因妙は文上本果の本門より深いのである。
そして仏教伝道の表れ方は、まず華厳経の高次なあてがい(擬宜)の法義が開かれたのち、浅い法が化導上に表れ、その後、次第に従浅至深して仏法の正意が開かれたのである。したがって戒も、それぞれの教えの高低に基づいて能開、所開の関係がある。小乗の戒は大乗より開かれ、大乗の戒は法華経より開かれ、法華経の戒はは本門より、本門の戒は文底本因妙の根本戒より開かれる意義を持つ。
末法は、根本の寿量文底本因妙の妙法が出現し弘まる時期であるから、戒も枝葉の大小の諸戒を持つことは有害無益であり、本因の妙戒のみが根幹である。この根本戒に一切の諸戒は含まれているので、社会の常識である人倫道徳の諸或は、おのずから踏み行う意味がある。本門文底の妙法蓮華経は一切の諸仏の万行万善を総括し、一切の戒の徳が収まっているので、これを受持する防非止悪の徳は無量である。この一切具足の妙戒は、行者が浄心をもって受持を誓うとき、その者に永劫不変の戒徳の体を生じ、自ら破ろうとしても破れることはない。
ただし、この妙法の法体に背く者は、その罪業によって無量の法罰、仏罰を生じ、長く地獄乃至、三悪道に苦しむが、長劫ののち、その罪を滅して、初めに受けた戒体の功徳によって成仏する。
三世の諸仏はすべて、妙法の戒を如実に持つことにより仏と成られたのである。この根本の戒は妙法の受持と謗法を厳誠することであり、すなわち入信して戒を受ける時の文義がそれである。

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