『立正安国論』正義顕揚七百五十年を間近に控えて、私を含め、すべての宗門の僧侶の方々、また在家の方々が、この機に巡り値えることの因縁をしっかりと自分の命のなかに刻んでいっていただきたいと、このように思う次第であります。
因縁を知るということは、まことに大事なことであります・「宿縁深厚」という語があります。
また、迹門のなかに三周説法がありますが、その一番最後は、下根下機のために因縁を説いたということがあります。
そこに、我々一人ひとりが今日、この宗門に在ることを喜びとしてしっかりと捉えていくことが大切です。
そして、その歓喜のなかから本当の闘いができるのではないかと思います。歓喜のない闘い、これでは全く意味がありません。
一人ひとりが今日在ることの因縁を認識して御奉公していくことが大事ではないかと思います。
〔平成十八年十二月号51ページ〕