富木殿御書 文永十一年五月十七日 五三歳
けかち申すばかりなし。
米一合もうらず。
がししぬべし。
此の御房たちもみなかへして但一人候べし。
このよしを御房たちにもかたらせ給へ。
十二日さかわ、十三日たけのした、十四日くるまがへし、十五日をゝみや、十六日なんぶ、十七日このところ。
いまださだまらずといえども、たいしはこの山中心中に叶ひて候へば、しばらくは候はんずらむ。
結句は一人になて日本国に流浪すべきみにて候。
又たちとゞまるみならばげざんに入り候べし。
恐々謹言。
十七日 日 蓮 花押
と き ど の