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法華経について②

法華経について(全34)
2大白法 平成25年7月1日刊(第864号)より転載

 前回から、法華経について、様々な面から学ぶことになりました。
 今回は、前回に引き続き、釈尊の説かれた八万四千という膨大な教えの中でも、法華経こそが最第一の教えであることを学んでいきたいと思います。

 八教について
 釈尊は、三十二歳で成道した後、四十二年間、御自身が悟られた難信難解の法である妙法蓮華経に導くために、衆生の機根に応じて様々な教えを説かれました。
 この一代説教つまり、五時説教の内容を、天台大師は、化法の四教として分類されました。薬で譬えるならば、薬の内容成分を四つの種類に分類するようなものです。
 また、釈尊が用いられた説法の形式・方法を、化儀の四教として分類されました。化儀の四教とは、薬を処方する方法のようなものです。
 これらの化法の四教と化儀の四教を合わせて、八教と言いますが、これに前回説明した、五時を加えると五時八教になります。これらは天台大師が釈尊一代の説教を判りやすく、教相判釈したものです。

 化法の四教
 まず、化法の四教は、蔵教、通教、別教、円教の四つの教えの内容に分類されています。

 蔵教
 蔵教とは三蔵教の略称で、三蔵とは経(経典)・律(戒律)・論(解説)のことです。蔵教は声聞・縁覚の二乗を正機とし、菩薩を傍機として説かれた教えです。教えの内容は、三界六道に生死流転する苦しみの原因は、煩悩(見思惑)と、そこから生じる業(行い)によるもので、この煩悩を断ずるためには、空理を悟るべきことを説いています。蔵教の空理観は、あらゆるものを概念的に分析し、一切の諸法は、因縁が尽きれば本来「空」になると観る「折空観」を説いています。この空理観に基づき、声聞には四諦、縁覚には十二因縁、菩薩には六度を修行し、煩悩(見思惑)をすべて断尽すれば、三界六道の苦界に生を受けることがなくなることを教えられ、これを蔵教の悟り(涅槃)としています。
 このような蔵教の空理観は、すべての実体をただ空の一辺のみと見るところから「但空の理」と言われます。

 通教
 次に通教とは、ここで説かれる空理が前の蔵教にも、後の別教・円教にも通じる故に通教と言います。
 蔵教の析空観に対し、因縁によって生じた諸法の当体はもともと存在せず、直ちに空と観る「体空観」(当体即空)を説いています。利根の菩薩たちは、「当体即空」の法門を聞いて、かえってその反面である「仮有」の肯定や、「非有非空」という中道の妙理「不但空」の理をも悟り、次の別教や円教の修行に進むことができました。

 別教
 そして別教とは、先の蔵通二教や後の円教とも異なり、菩薩のために別して説かれた教えで、空仮中の三諦の法理を明かしています。しかし、別教で説かれる空仮中の三諦は、互いに融合することなく、それぞれが隔たっていることから「隔歴の三諦」と言われます。ここで説かれる中道の理は、空仮の二辺を離れた但なる中道であるため、これを「但中の理」と言います。
 また、修行方法としては、空仮中の三諦を別々に次第して、観法するために「次第の三観」とも呼ばれます。

 円教
 最後の円教とは、偏りのない円満な教えを説いているので円教と言い、空仮中の三諦の一々に三諦を具え、諸法は常に互具互融の当体であると明かす「円融の三諦」を説く教えのことです。
 真如中道の理が空仮中の三諦円融した中に明かされるところから、別教の「但中」に対して、「不但中」と言います。
 円教の理は、華厳時、方等時、般若時の教えの中にも含まれていますが、それらは蔵通別の方便を雑えた教えであり、法華経だけが純粋に円教のみを説いた教えです。華厳時、方等時、般若時に説かれた円教を「爾前の円」と呼ぶのに対し、法華経の円教は純粋な円融円満の教義が明かされているので、「純円一実」や「純円独妙」とも言います。

 化儀の四教
 次に、化儀の四教とは、頓教、漸教、秘密教、不定教の四つに分類されます。

 頓教
 頓教の頓とは「ただちに」の意で、衆生の機根にかかわらず、直ちに仏の高広な理を説くこと。華厳時では、この説法形式が用いられました。

 漸教
 漸教の漸とは「漸く」と読み、「物事が徐々に進むこと」の意で、仏が衆生の機根に応じて、低い教えから高い教えへと漸々に説いて、衆生の機根を調え、誘引することを言います。この説法形式は、阿含時・方等時・般若時に用いられました。

 秘密教
 秘密教とは、正確には秘密不定教と言います。仏の説法を聴聞する衆生が互いにその存在を知らず(秘密)、同じ教えを聴きながらもそれぞれの機根に応じて聴き方が異なり(同聴異聞)、そして衆生の得益が一定ではない(不定)化導法です。この説法の方法は華厳経の一部や阿含時・方等時・般若時が当たります。

 不定教
 不定教とは、正確には顕露不定教と言います。仏の説法を聴聞する衆生が、互いにその存在を知り(顕露)ながらも、秘密教と同じく、同聴異聞であったため、衆生の得益が一定ではない(不定)化導法です。この説法の方法は秘密教と同じく、華厳経の一部や阿含時・方等時・般若時が当たります。

 「超八醍醐」の法華経
 以上のように仏が様々な手段・方法をもって説法されたのは、衆生の機根を徐々に調えて、真実最高の教えである法華経に導き、すべての衆生を一仏乗に入らしめるためでした。
 この法華経は、仏の悟られた法そのままの純粋な円教であり、先に説明した化法の四教や化儀の四教のような様々な機根の衆生を導くために用いられた方便の教え・化導法を超過していることから「超八醍醐」と言います。
 この醍醐とは、牛乳から精製して最後に醍醐味として完成する色香味のすべてに勝れた妙味の食物を言い、涅槃経には一切の病を消滅する妙薬と説かれています。つまり仏を牛に譬え、仏の説法を牛から出る乳に譬えます。その牛乳を精製すると酪味になり、それがさらに生酥味、熟酥味となり、最後に醍醐味の妙味・妙薬になるように、仏の教法も華厳から阿含、方等、般若を経て最後の法華涅槃の経が極説の醍醐味となるのです。
 したがって、法華経『安楽行品第十四』に、
「此の法華経は、諸仏如来の秘密の蔵なり。諸経の中に於て、最も其の上に在り」(法華経 三九九㌻)
と説かれるように、法華経こそ諸経の中で最も優れ、最上位にある教えなのです。
 御法主日如上人猊下は、
「法華経が諸経中王、諸経のなかで王様のお経であるということはどこにあるのかというと、これは皆さん方も御存じの『三大秘法抄』のなかに、
『法華経を諸仏出世の一大事と説かせ給ひて候は、此の三大秘法を含めたる経にて渡らせ給へばなり。秘すべし秘すべし』(同 一五九五㌻)
と、甚深の御教示を仰せあそばされているのであります。すなわち、法華経本門寿量品の文底に三大秘法が秘沈せられているが故に、法華経が尊いということになるのであります」(大白法 八二○号)
と仰せられています。私たちは、幸いにもこの法華経本門『寿量品』に文底秘沈された大法である三大秘法を受持しております。この諸経中王の妙法を受持している誇りと感謝をもって、御命題達成に向けて、いよいよ折伏に精進してまいりましょう。

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