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22宿業

教学ノート 

 大白法 平成28年7月16日付
22ページ 宿  業
 宿業とは、過去世からの善悪の行いによって、現世や未来世に苦楽の結果を招くことを言います。
 私たちは、一人ひとり生まれながらにして容姿や能力などが異なります。
 それは、因果の道理において、過去世からの一切の行為・言動・思考のすべてが、善悪の行為として命に積み重なり、現世や未来世に結果としてその報いを体や心に受けるからです。
 この宿業の相には、業因(原因)と業果(結果)があります。
 業因とは、身・口・意の三業です。身業とは身体で行動すること、口業とは口から言葉を発すること、意業とは、心で思うことです。
 この身・口・意に、人のすべての行為が含まれます。
 次に、業果には、共業と不共業、定業と不定業が挙げられます。
 共業とは、国土の災害や社会の問題など、誰もが共通して受ける業のことです。
 不共業とは、病気などの個人的に受ける業のことです。
 また、定業とは、過去世からの行いによって既に定まって変えることのできない業のことを言い、不定業とは、善悪の行いによって改められる業のことを言います。
 さらに宿業を受ける時は、順現受業(現世ですぐに報いを受ける)、順次受業(未来世で報いを受ける)、順後受業(未来世の次の世以降で報いを受ける)の3種があります。
 大聖人様は、『可延定業御書』に、
「定業すら能く能く懺悔すれば必ず消滅す。何に況んや不定業をや」(御書 760)
と仰せられ、『佐渡御書』に、
「宿業はかりがたし。(中略)偏に先業の重罪を今生に消して、後生の三悪を脱れんずるなるべし」(同 580)
と仰せられております。
 私たちは、大聖人様の仏法を信じ、三大秘法の御本尊様に御題目を唱え、一人でも多くの人にこの妙法を弘めていくことが大切です。
 その信行によって、過去世からのあらゆる謗法罪障を消滅し、すべての人が幸せな生活を送ることができるのです。

★ポイント

総本山第26世日寛上人は、
「常に心に折伏を忘れて四箇の名言を思わずんば、心が謗法になるなり。口に折伏を言わずんば、口が謗法に同ずるなり。手に珠数を持ちて本尊に向かわずんば、身が謗法に同ずるなり。故に法華本門の本尊を念じ、本門寿量の本尊に向かい、口に法華本門寿量文底下種・事の一念三千の南無妙法蓮華経と唱うる時は、身口意の三業に折伏を行ずるなり。是れ則ち身口意三業に法華を信ずる人なり」(御書文段 608)
と、身口意の三業の上に、破邪顕正の精神を常に忘れず、折伏を行じていくことが肝要であると御指南されています。

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