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五月度の広布唱題会

日如上人猊下お言葉
 本日は、五月度の広布唱題会に当たり、通常であれば御信徒の方々も参加されるところ、今回の新型コロナウイルス感染症対策のため、山内僧侶のみの参加となりましたが、かかる時こそ、私どもは一日も早い回復を願い、立正安国の御聖意を拝し、この苦難を乗り越えていかなければならないと思います。
『安国論御勘由来』を拝しますと、「正嘉元年太歳丁己八月廿三日戌亥の時、
前代に超えたる大地震。同二年牛戌八月一日大風。同三年午己飢饉。正元元年
大疫病。同二年四季に亘りて大疫已まず。万民既に大半に超えて死を招き了んぬ。而る間、国主之に驚き、内外典に仰せ付けて種々の御祈祷有り。爾りと雖も一分の験も無く、還りて飢疫等を増長す。日蓮世間の体を見て粗一切経を勘ふるに、御祈請験無く還りて凶悪を増長するの由、道理文証之を得了んぬ。終に止むこと無く勘文一通を造り作し其の名を立正安国論と号す。
文応元年七月十六日 、屋戸野入道に付し故最明寺入道殿に奏進し了んぬ。
此偏に国土の恩を報ぜんが為なり」(御書三六七ページ)
と仰せられています。
 すなわち、大聖人は『立正安国論』御述作の所以について、かくの如く仰せで
ありますが、まさしく『立正安国論』は、正嘉元(一二五七)年八月二十三日の前代に超えたる大地震、同二年八月一日の大風、同三年の大飢饉、そして同じ年の正元元(ご五九)年および同二年と続いた大疫病、つまり今日の新型コロナウイルス感染症の如き疫病によって、万民が苦悩に喘いでいる惨状を見て、これら窮状を救わんとして著わされた国主への諌暁書であります。
 大聖人は近年頻発する天変地夭ならびに飢饉疫れいによる惨憺たる状況を見て、その原因は、世の中の人々が皆、正法に背き、悪法を信じていることにより、国土万民を守護すべきところの諸天善神が去って、悪鬼・魔神が便りを得て住み着いているためであるとし、金光明経・大集国経等を引かれて、正法を信ぜず、謗法を犯すことによって、三災七難等の災難が起こると、経証を挙げてその理由を述べれ、こうした災難を防ぐためには、天早く信仰の寸心を改めて速やかに実乗の一善に帰せよ。然れば則ち三界は皆仏国なり、仏国其れ衰へんや。十方は悉く宝土り、宝土何ぞ壌れんや・国に衰微なく土に破壊ねければ身は心安全にして心は是禅定ならん。此の詞此の言信ずべく崇むべし」(同二五〇ページ)
と仰せられて、一刻も早く謗法の念慮を断ち、「実乗の一善」に帰するよう諌め
られているのであります。
 御文中「寸心を改めて」とは破邪であり、「実乗の一善に帰せよ」とは立正で
あり、「然れば則ち三界は皆仏国なり」の下は安国を表しているのであります。「寸心」とは、わずかばかりの気持ちということで、小さくわずかな信仰という意昧であります。その小さな信仰を改めて「速やかに実乗の一善に帰せよと仰せでありますが、「実乗の一善」の実乗」とは実大乗のことで、すなわち法華経であります。「一善」とは、唯一最高の善のことでありますが、『上野殿御事』、
 「今、末法に入りぬれば余経も法華経もかなし。但南無妙法蓮華経なるべし」(同 一二I九や)と仰せのように、末法今時においては、法華経本門寿量品文底下種の南無妙法蓮華経のことであります。すなわち、本門戒壇の大御本尊に帰依することが「実乗の一善に帰」することであります。
 次いで「然れば則ち三界は皆仏国なり、仏国其れ衰へんや。十方は悉く宝土なり、宝土何ぞ壊れんや」と仰せでありますが、「三界は皆仏国なり」の「三界」とは欲界・色界・無色界のことで、生死の迷いを流転する六道の凡夫の境界・住処を三種に分けたものであります。この迷いと苦し世界が「実乗の一善」すなわち本門戒壇の大御本尊に帰依することによって、直ちに仏国になると仰せられているのであります。
 続いて「国に衰微無く土に破壊無べば、身は是安全にして心は是禅定ならん。此の詞此の言信ずべく崇むべし」と仰せでありますが、この御文は、国土と身の上に衰えや破壊がなければ「身はこれ安全」すなわち現世安穏となり、「心は禅定」すなわち心の散乱を静め、深く真理を思惟する境地に入ることができると仰せられ、この立正の言葉、安国の言葉、すなわち正を立てて国を安んずることが
できるということは、まさしく仏様の金口、不妄語の言葉なればこそ、これを固く信じて、厚く崇拝しなければならないと仰せられているのであります。
 されば今、新型コロナウイルスによって、日本をはじめ世界中が騒然としてい時、我々は改めて『立正安国論』の御聖意を拝し、異体同心一致団結して、一人でも多くの人に妙法の広大無辺なる功徳を説き、折伏を行じて、もって今日の難局を乗りきり、仏祖三宝尊の御照覧を仰がれますよう心から念じ、本日の話といたします。

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