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3月度 広布唱題会の砌

 日如上人猊下お言葉
 本日は、月度の広布唱題会に当たり、皆様には新型コロナウイルス感染症の勢いが止まず、各方面で様々な障害が出ているなか、信心強盛に参加され、まことに御苦労さまでございます。
 さて、本年「報恩躍進の年」は、記念局の本年度のポスターに「今こそ折伏の時」と明示されているように、私ども一人ひとりが断固たる決意と勇気を持って立ち上がり、一天広布へ向けて全力を傾注して折伏を行じ、御奉公の誠を尽くしていかなければなりません。
 特に今、新型コロナウイルス感染症が世界的に蔓延している時、私どもは改めて大聖人様の『立正安国論』の御聖意を拝し、一人ひとりが身軽法重・死身弘法の御聖訓を胸に、決然として折伏を行じ、この難局を乗り越えていかなければなりません。
 大聖人様は『立正安国論』に、
「倩微管を傾け聊 経文を披きたるに、世皆正に背き人 悉く悪に帰す。 故に善神国を捨てゝ相去り、聖人所を辞して還らず。是を以て魔来たり鬼来たり、災起こり難起こる。言はずんばあるべからず。 恐れずんばあるべからず」(御書 二三四ページ)
と仰せられ、今日の如き惨状は、まさしく「世皆正に背き人悉く悪に帰す」故であると仰せあそばされているのであります
さらに、
「嗟呼悲しいかな如来 誠諦の禁言に背くこと。哀れなるかな愚侶迷惑の麁語に随ふこと。早く天下の静謐を思は、 く国中の謗法を断つべし」(同 二四七ページ)
と仰せられ、今日の如き難局を乗りきるためには、不幸の根源たる謗法を破し、一人でも多くの人に妙法を下種し、破邪顕正の折伏を行していくことが最も肝要であると仰せであります。
 されば『教機時国抄』に
「謗法の者に向かっては一向に法華経を説くべし。毒鼓の縁と成さんが為なり。例せば不軽菩薩の如し」(同 二七〇ページ)
と仰せられているのであります。
「毒鼓の縁」とは、既に皆様も承知のように、涅槃経に説かれている話で、毒を塗った太鼓を打つと、その音を聞く者はすべて死ぬと言われており、仏さま教の教えは、たとえ法を信受せずに反対したとしても、やがて煩悩を断じて得道できることを毒鼓、つまり毒を塗った太鼓を打つことに譬えているのであります。
 すなわち、謗法の衆生に妙法を説き聞かせることは、たとえその時は反対されたとしても、妙法に縁したことが因となり、やがて成仏に至ることを言い、逆縁とも言うのであります。
 すなわち、末法今時では順縁の衆生はもとより、たとえ逆縁の衆生であっても、三大秘法の南無妙法蓮華経を説き聞かせることによって、正法と縁を結ばせ、将来、必ず救済することができることを言うのであります。
 また「不軽菩薩」については、これも既に皆様もよく御承知のことと思いますが、威音王仏の滅後、像法時代に出現し、一切衆生に仏性があるとして「二十四字の法華経」を説いて、衆生を礼拝し軽ん
じなかったので不軽菩薩と言われたのであります。 しかし、人々は不軽菩薩を軽蔑し、杖木瓦石をもって迫害しましたが、それでも不軽菩薩は礼拝行をやめなかったのであります。この時、不軽菩薩を軽んじた人々は、一度は地獄に堕ちましたが、法華経を聞いた縁によって救われたのであります。釈尊はこの不軽菩薩の修行を通して、滅後の弘教の方軌と逆縁の功徳を説かれているのであります。
 されば、今日、邪宗の謗法がはびこり、ために世情が混乱し、戦争、飢餓、疫病、異常気象等によって様々な悪現象を現している時、まさにこのような時こそ、我々は不軽菩薩の行いを軌範として、一人でも多くの人々に妙法を下種し、折伏を行じていかなければならないのであります。まさに「今こそ 折伏の時」であります。大聖人様は『一念三千法門』に、「此の経は専ら聞を以て本と為す。凡そ此の経は悪人・女人・一乗・闡提。故に皆成仏道とも云ひ、又平等大慧とも云ふ。善悪不二・邪正一如と聞く処にやがて内証成仏す。故に即身成仏と申し、一生に証得するが故に一生妙覚と云ふ。義を知らざる人なれども唱ふれば唯仏と仏と悦び給ふ。『我即歓喜諸仏亦然』云云。 百千合はせたる薬も口にのまざれば病も愈えず。蔵に宝を持てども開く事を知らずしてかつへ、懐に薬を持ちても飲まん事を知らずして死するが如し」(同 一二〇ページ)
と仰せであります。
 信心とは、すなわち実践であり、体験であります。
 どうぞ皆様方には、この御金言を拝し、いよいよ信心強盛に自行化他の信心に励み、一生成仏の境界を築かれますよう心から願い、本日の挨拶といたします 。

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