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唱題行(7月1日の砌)

日如上人猊下お言葉  (令和4年7月1日 於総本山客殿)
 本日は、本年七月度の唱題行の初日に当た正りまして、皆様には新型コロナウイルス感染症のため、諸事何かと御不便のところ、信心強盛に参加され、まことに御苦労さまでございます。
 さて、大聖人様は『南条兵衛七郎殿御書』に、
「いかなる大善をつくり、 法華経を千万部書写し、一念三千の観道を得たる人なりと法華経のかたきたにもめされば得道ありがたし。たとへば朝につかふる人の十年二十年の奉公れども、君の敵をしりながら奏しもせず、私にもあだまずば、奉公せて還ってとがに行なはれんが如当世の人々は謗法の者としろしめすべし」(御書 三二二ページ)
と仰せであります。
 この御文は、皆様もよく御承知の御指南でありますが、私どもの信心において、いかに折伏が大事であるか。 邪義邪宗の謗法を折伏もせず、自分のためだけに信心しているのは、まさしく「法華経のかたきをだにもせめされば得道ありがたし」と厳しく仰せのように、利己的信心に陥りやすく、自行化他にわたる正しい信心の姿とは言えません。
されば『聖愚問答抄』には、
 「今の世は濁世なり、人の情もひがみゆがんで権教謗法のみ多ければ正法弘まりがたし。此の時は読誦・書写の修行も観念・工夫・修練も無用なり。只折伏を行じて力あらば威勢を以て謗法をくだき、又法門を以ても邪義を責めよとなり。取捨其の旨を得て一向に執する事なかれと書けり。 今の世を見るに正法一純に弘まる国か、邪法の興盛する国か勘ふべし」(同四〇三ページ)
と仰せられ、五濁乱とした末法今時においては、破邪顕正の折伏をもって正規とすることを明かされているのであります。
 特に今日の如き、謗法が国内外に充満し、混沌とした様相を呈している時、私どもは一日も早く、また一人でも多くの人々に末法の御本仏宗祖日蓮大聖人の本因下種の妙法を下種し、折伏を行じ、もって一天広布を目指した戦いを果敢に展開していかなければなりません。
 そのためには異体同心の団結こそ、肝要であります。
 大聖人様は『異体同心事』に、
「異体同心なれば万事を成じ、同体異心なれば諸事叶ふ事なしと申す事は外典三千余巻に定まりて候。殷の紂王は七十万騎なれども同体異心なればいくさにまけぬ。 周の武王は八百人なれども異体同心なればかちぬ。一人の心なれども二つの心あれば、其の心たがいて成ずる事なし。 百人千人なれども一つ心なれば必ず事を成ず。日本国の人々は多人なれども、同体異心なれば諸事成ぜん事かたし。日蓮が一類は異体同心なれば、 人々すくなく候へども大事を成じて、一定法華経ひろまりなんと覚へ候」(同一三八九ページ)
と仰せであります。
 されば、私どもは「日蓮が一類は異体同心なれば、人々すくなく候へども大事を成じて、一定法華経ひろまりなんと覚へ候」との御金言を拝し、一人ひとりがしっかりと唱題を行じ、その功徳と歓喜をもって講中一結・異体同心して折伏に励み、もってそれぞれが地涌の菩薩の眷属として妙法広布に精励されまよう心からお祈りし、本日の挨拶といたします。

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