ホーム » 仏教説話 » 戯れに衣を着て比丘尼となった芸子

戯れに衣を着て比丘尼となった芸子

仏教説話

戯れに衣を着て比丘尼となった芸子

仏の在世に鬱鉢(うはつ)比丘尼がいて既に阿羅漢を得、六神通を具していた。

 比丘尼は貴人の家を訪問すると、いつも出家を賛嘆し、貴婦人に出家を勧めていた。すると彼女達は、

「私は年少の上、容色も美しいので途中で戒を破って還俗(げんぞく)してしまいます」

と言った。比丘尼は、

「城を破ろうとするから破れるのです」

と答えた。また彼女達は、

「戒を破れば地獄に堕ちてしまうでしょう」

と問うと、比丘尼は、

「堕ちようとするから堕ちるのです」

と答えた。彼女達は笑って、

「地獄に堕ちれば苦を受けることになる」

と言った。

それを諭(さと)すように比丘尼は、

「実は、私の過去の姿を言うと、私は芸子でありました。色々な衣服を着ましたが、ある日、比丘尼の衣を着て戯笑(けしょう)したことがあります。この僧尼の衣を着た縁により、迦葉仏の出世の時、比丘尼となりました。私は高性(こうせい)で、顔貌(かお)も端正でありましたので、心に驕慢(きょうまん)を起こし、禁誡を破ってしまいました。

 この破戒の罪により地獄に堕ちて多くの苦を受けました。けれども罪を受け終わって人間界に生を生(う)けましたら釈尊に遇い、再び出家得度し、阿羅漢を得、六通が自在になりました。故に出家受戒は初めによるのです」

と答えたのである。

 これは『本生経』に説かれていて、日寛上人は『法衣供養談義』のなかに「戯れに衣を着ても功徳があるのだから、真実から出家して衣を着るにおいては、その功徳は広大無辺である」と仰せであり、出家の功徳を説いたものである。

(歴代法主全書八巻)

(高橋粛道)

RSS 宝日記

  • 聞け創価学会! 2024年12月13日
    山本太郎氏によるYouTubeページ。創価学会、公明党は、社会を惑わし貶めることになるのではないだろうか。自民 […]
    kirimoto3

RSS 掲示板

  • 残暑見舞い 2024年9月8日
    残暑お見舞い申し上げます。 立秋は過ぎましたが暑い日が続きます。 お体をご自愛ください。

管理人

和歌山県田辺市の在住、日蓮正宗法華講員です。
宝相寺支部所属。宝相寺は日蓮正宗総本山大石寺の末寺です。人生の悩みなど正しい仏法で乗り越えていきましょう。
お問い合わせは、ホームページのメールフォームから
電話でも受け付けております。
携帯090-3656-1453

アクセスカウンター