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慶祝の年にも仲違いー浄土真宗 本願寺派

諸宗教破折
 京都では「お西さん」と呼ばれる浄土真宗本願寺派。
 戦国時代の内部分裂で東西に分かれて以降、東本願寺は真宗大谷派、西本願寺は浄土真宗本願寺派として、現在まで存立してきた。
 本年は、宗祖と仰ぐ親鸞の誕生八百五十年並びに立教開宗八百年とのことで、慶讃法要が両派共に営まれた。
 しかし、西の本願寺派は、その慶祝すべき年にもかかわらず、新しい「領解文」をめぐって内部紛争の真っただ中のようである。
領解文をめぐる内部紛争
 事の発端は本年一月、本願寺派のトップである大谷光淳門主によって、新しい領解文が発表されたこと。
 領解文とは、浄土真宗で法話聴聞後に唱和する文言で、室町時代の蓮如の時から数百年間にわたり、門徒が教えの受容の発露として唱え継いできたという。
 それが今般、
「真実信心を正しく、わかりやすく伝える」(令和五年一月十六日付大谷門主消息)
ことを目的に改訂された。
 新領解文が発布されるや、内容への異論が噴出し、僧侶らから、教義が損なわれるのではないか等と
問題点の指摘が相次いだ。新領解文に、もやもやしていた信徒たちも多数おり、仏教学者が見解を一般紙で論じるなどといったことが起こった。
 これが未だ収まらないのに加え、内容を審議したはずの「勧学寮」(本願寺派の教学諮問機関)の議事録が開示されなかったことで、疑念は広がった模様である。
 この結果、新領解文の制定に際し、浄土真宗本願寺派勧学・司教有志の会記者会見で、「宗務総局の不当な干渉があったと考えられる」と、多数の高僧を含む僧侶有志が猛抗議。
 新領解文の撤廃を求めて、制定を推進した門主・宗務総局側と、反対派僧侶との対立構図が出来上がった。
 本願寺派では、騒動を収束させるべく、まず諮問機関の勧学寮のトップが引責辞任した。
 それで収まらず、領解文改訂を主導したとされる宗務総局の総長までもが、職を退く事態となった。
 混乱は現在も続き、解決の目途は立っていない。
念仏は無間の業
 反対派が指摘する問題点の一つに、新領解文の「私の煩悩と仏のさとりは本来一つ」という文言がある。
 これが「迷いの煩悩と悟りの菩提が一体不二とする『煩悩即菩提』の考えであり、阿弥陀如来の救済を説く浄土真宗にふさわしくない(趣意)」のだという。
 もともと浄土真宗では、私たち凡夫は貪瞋癡の三毒の煩悩が強盛な悪人で、現世の娑婆世界での幸せなぞありえない。ゆえに、ひたすら南無阿弥陀仏と唱えて阿弥陀如来の救済にすがり、西方極楽浄土に往生する以外にない、と説く。
 しかし、この念仏の厭世的教えに従った結果、浄土真宗でも七高僧に掲げられる善導が自殺するに至ったのは、日蓮大聖人がお認めの『念仏無間地獄抄』等に記される通り。
 柳の木から首を吊ろうとしたものの、堅い地面に落ちて腰骨を骨折。七日七夜もの間、痛みにもだえ、呻き叫びながら事切れたというから、恐ろしい限りである。
 その苦しみの姿は、極楽浄土を想起するどころか、むしろ無間地獄の相そのものだ。
煩悩即菩提の妙法
 領解文が新しくなろうが、従前のままであろうが、西方浄土に往生することはできない。
 それは何より、依経とする浄土三部経が「未顕真実」の爾前権経で、末法の衆生を救う力が具わって
いないからに他ならない。
 大聖人が『当体義抄』に、
「正直に方便を捨て但法華経を信じ、南無妙法蓮華経と唱ふる人は、煩悩・業・苦の三道、法身・般若・解脱の三徳と転じて、三観・三諦即一心に顕はれ、其の人の所住の処は常寂光土なり」(御書六九四)
と御示しのように、御本尊に向かって南無妙法蓮華経と唱えることによってのみ、煩悩をそのまま菩提に転換し、現世の娑婆世界にありながら幸福な境界を築けるのである。
(大白法令和5年9月16日号より転載)


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