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三 衣


教学用語
「三衣」とは、一般的には僧侶が着用する三種類の法衣を指します。
一般的な三衣の由来
 「三衣一鉢」という言葉がありますが、古代インドでは僧侶は三衣
と托鉢用の鉢(食器)、その他いくつかの生活用具しか持たず、それ
以外の余計な道具を長物として遠ざけていました。今でも一般的に役
に立たないもののことを「無用の長物」といいます。
 仏教における一般的な三衣とは、僧伽梨(大衣・九条)、鬱多羅僧
(中衣・七条)、安陀会(下衣・五条)の三つになります。
 条というのは、生地の大きさの単位で、条数が多いほど、幅の広い、
大きな袈裟になります。インドの出家者たちは、儀式礼装用(九条)・
通常衣(七条)・作務就寝用(五条)と使い分けていたようです。
 インドでは青・黒・木蘭などの濁った色に染めた袈裟を、肌の上に
直接かけていましたが、仏教が中国・日本に伝播する過程で、気候や
風俗習慣の違いから、僧侶は袈裟の下に衣をまとうようになりました。
 そして袈裟・衣は、宗派ごとに様々な色・形に変化し、鎌倉時代か
ら江戸時代にかけ、権威のある僧侶に朝廷から紫衣の着用が許される
など、粗末な着衣であったはずの三衣は、絢爛豪華なものに変化し、
本来の意義が損なわれていきました。
日蓮正宗の三衣
 日蓮正宗では、日蓮大聖人・日興上人以来、薄墨色の衣、白色の五
条の袈裟、数珠、この三つをもって三衣としています。
 そのいわれについては、総本山第二十六世日寛上人が『当家三衣抄』
(六巻抄 205㌻)に詳しく御教示されています。以下、その御指南に
沿って解説します。
忍辱の鎧
 日寛上人は素絹という粗末な木地の薄墨の衣に、白五条の小さな袈
裟を着用する理由として、五条の袈裟は「行道雑作衣」といって、起
居動作に便利で、折伏行に適していることを挙げられ、さらに降りか
かる魔を耐え忍ぶ「忍辱の鎧」の意味があるとされています。
 このように、日蓮正宗の僧侶が薄墨の素絹、白五条の袈裟を用いる
理由は、日蓮正宗が折伏の宗旨であり、難を耐え忍び、折伏によって
一切衆生を救済するという意義が込められているのです。
薄墨の法衣と白袈裟
 薄墨の衣を着る理由は、
①初めて信心修行する位(名字即)を表わすため
②見た目ばかりの立派な法衣を着て修行を怠る他宗の僧侶を破折・区
 別するため
③他宗との相違を明確にし、信じる人は順縁を結び、誹謗する者にも
 逆縁を結ばせるため
④日蓮大聖人の門下として自覚を持ち、他宗の僧侶との区別を明確に
 するため
と示されています。
 名字即とは、初めて仏法を聞き、信のみがある位で、大聖人は『四
信五品抄』に、「信の一字を詮と為す(中略)信は慧の因、名字即の
位なり」(御書 1112㌻)と説かれています。
 つまり、末法の衆生は、ただ信をもって題目を唱えるだけで成仏を
遂げることができます。薄墨色の衣は、末法の成仏の位が名字即にあ
ることを表すものです。
 次に白袈裟を用いる理由は、
①初心の理即を表わすため
②大聖人が白色の袈裟をかけられていたため
③白蓮華を表すため
とされています。
 理即とは、信心すらない、仏性があるのみの末法の一切衆生を意味
します。これも名字即と同様、末法の衆生が初心の理即の位から成仏
することを表しています。
 白蓮華の意義について日寛上人は、白袈裟をかけた姿は当体蓮華仏
を表わすと共に、日蓮正宗の僧俗は大聖人の弟子として世間の法に染
まることなく仏道修行に励み、正法を弘める意義があると御指南され
ています。法華経『従地涌出品第十五』には、
 「不染世間法 如蓮華在水(世間の法に染まらざること 蓮華の水
 に在るが如し)」(法華経 425㌻)
という経文が有ります。これは、白蓮華が汚泥の中で白く美しい大輪
の花を咲かせるように、地涌の菩薩が濁世にあっても、汚れない浄く
美しい心をもっているという、地涌の菩薩の徳を示した経文です。
 この経文は、日蓮正宗の僧侶が、初めて御法主上人猊下から袈裟を
賜る際、その袈裟に必ず染筆されています。
数珠のいわれ
 日蓮正宗では、数珠を「三衣」の一つに数えます。その理由につい
ています。法華経『従地涌出品第十五』には、日寛上人は法性の珠が
百八の煩悩を覆い隠すためであると説かれています。
 本宗の数珠には、基本となる珠が一周で百八顆(玉)あり、その一
つひとつが煩悩を表しています。
 日寛上人は『当家三衣抄』(六巻抄 224㌻)に木槵子経を引き、
数珠は本来、自らの煩悩を断じるため、三宝を念じて一つずつの珠を
過ごしていくものであると示され、本宗においては、仏宝たる日蓮大
聖人、法宝たる本門の戒壇の大御本尊、僧宝たる日興上人及び御歴代
上人を念じ、一遍の題目を唱え、一つの珠を過ごすべきであると御教
示です。
 すなわち、私たちが唱える一遍一遍の題目は、三宝への信心の念を
もって唱えることが重要なのです。
 日寛上人は、数珠が、「下根を引接して修行を牽課する具(機根の
低い衆生を導いて修行を推し進めていくための法具)(六巻抄224㌻)
」であり、数珠を常に自ら身に随え、仏法僧の下種三宝に帰命する心
構えで、一遍でも多く題目を唱えるよう御指南されています。
内心に衣を着す
 このように、日蓮正宗の三衣には、法義の上から様々な意義が込め
られています。
 他宗では三衣は僧侶に限っていますが、日蓮正宗においては信徒も
三衣の一つである数珠を所持しています。このことについて日寛上人
は『法衣供養談義』に、
 「他宗の僧は事相の髪を剃り衣を着ていても、心中の謗法の髪は剃
 り落としていない。対して当宗の信徒は事相の髪は剃らなくても、
 内心の謗法の髪を剃り、さらに法華の衣を着ているから他宗の僧よ
 り勝れている(趣意)」
と仰せです。私たち日蓮正宗の信徒は、内心の謗法の髪を剃り落とし
ているのですから、世間の諸悪に染まらず、心には常に法華の衣・忍
辱の鎧を着ていることを忘れず、折伏を行じていきましょう。

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