道妙禅門御書 建治二年八月十日 五五歳
御親父祈祷の事承り候間仏前にて祈念申すべく候。祈祷に於ては顕祈顕応・顕祈冥応・冥祈冥応・冥祈顕応の祈祷有りと雖も、只肝要は、此の経の信心を致し給ひ候はゞ、現当の所願満足有るべく候。法華第三に云はく「魔及び魔民有りと雖も皆仏法を護る」と。第七に云はく「病即消滅して不老不死ならん」との金言之を疑ふべからず。妙一尼御前当山参詣有り難く候。巻物一巻之を進らせ候。披見有るべく候。南無妙法蓮華経。
八月十日 日 蓮 花押
道 妙 禅 門